• Twitter
  • Facebook
  • Google+
  • RSS

平均寿命が25歳以上低下する国も 南アフリカのAIDS問題が深刻化


「幻影随想」によれば、90年頃にAIDS流行の初期段階での制圧に失敗した国を中心に、いま南アフリカではAIDSの感染が拡大しているとのこと。このブログでは、国連合同エイズ計画によるアフリカの主要国家の平均寿命のグラフが紹介されていますが、90年頃を境にジンバブエや南アフリカ共和国などの国では急傾斜で平均寿命が低下し続けており、慄然とさせられます。特にボツワナなどでは、この20年ほどで平均寿命が25歳以上も減っているようです。

こうした問題の背景に、このブログの著者は、南アフリカの政治家たちの間に蔓延している陰謀論の存在を指摘しています。にわかには信じがたい話ですが、感染症の蔓延を西欧諸国や米国の陰謀に結びつけたり、科学的でないAIDS治療を支持する言説はアフリカでは一定の勢力を持っており、そうした対処の遅れの影響が爆発的な感染につながった一因とのことです。

また、ブログ「忘却からの帰還」では、若者のAIDSによる死亡者が増えていることを指摘しています。その影響は既に国家の社会機能の維持に影響を及ぼし始めており、ますます深刻さが増していることを感じさせます。

昨年は北京オリンピックをきっかけに中国のチベット弾圧がクローズアップされましたが、南アフリカ共和国で開かれる次のワールドカップを機会に、この問題がもっとメディアに採り上げられることを願います。

文: 稲葉ほたて

関連エントリー