• Twitter
  • Facebook
  • Google+
  • RSS

はてなココがパワーアップ!はてな代表・近藤淳也が語るその真意と展望



はてなココ サービス終了のお知らせ
はてなココが「毎日使える居場所確認ツール」としてパワーアップします - はてなの日記 - 機能変更、お知らせなど
はてなココ、居場所確認ツールとしてリニューアル予定 - CNET Japan

■はてなココには手ごたえを感じている


――はてなココがリリースして2ヶ月が経とうとしていますが、現状を教えてください
おかげさまで、好調なペースでユーザー数が増えていますよ。作成されているスポットも、6月1日時点で25,000件を超えています。あまりピンとこないかもしれませんが、例えば、2003年にスタートした「はてなキーワード」(当時は「はてなダイアリーキーワード」)は、現時点で280,900件なんですよ。およそ2ヶ月でこのペースと考えると非常にアクティブなサービスだなあ、と。
あと、利用開始後も急減することなくコンスタントにイマココされていて、多くのユーザーさんが日常的に使って下さっていることに手ごたえを感じています。

■わずか2ヶ月でのパワーアップ、その真意は?


――なぜ、この時期に大幅な仕様変更を考えたんですか?
たしかに「このタイミングで?」と思われた方も多いと思います。今回のパワーアップでは、仕様の変更はもちろんのこと、従来のコンセプトも変更と、かなり大掛かりなものになります。
これまでは「おでかけしたらはてなココ」というキャッチコピーのもと、休日やオフの日に行った場所を記録し、アバター「ハッピィ」と共に記念写真を残す、という“非日常”での利用をメインに想定していたんです。でもそれだと、普段わざわざ写真を撮ろうと思えないんじゃないのかな、と。ほとんどの人の日常って、社会人であれば家と職場、大学生であれば、大学と下宿、サークル棟などを往復するだけじゃないですか。週末のおでかけのときに楽しめるサービスというのも、もちろんおもしろいですが、ある程度日常的に使っていただかないと習慣にならないし、自分の“ともだち”がアクティブに使っていないと楽しいと思えない。このままだと、多くの人に使ってもらえなんじゃないかという課題意識も生まれまして、もっと気軽に使える「毎日使う居場所確認ツール」というコンセプトにシフトしました。

――そのコンセプトが生まれたきっかけは?
今回のパワーアップに関しては、大学生の意見が大きく影響しています。
「はてなココ」はリリース当初より大学生の利用拡大に力をいれていて、僕もこまめに大学生と会って話をしていました。たくさんの学生の声を聞く中で「校舎と校舎の移動のたびにわざわざ写真を撮ったりしないよね」という意見があったんです。また、イマココによって今いる場所がわかれば「そこにいるんだったら一緒にご飯食べに行こうよ」とか「休み時間に会おうよ」とか、コミュニケーションがもっととりやすくなるし、便利になるという声も聞いたんです。
そこで「居場所確認ツール」として利用し、“ともだち”が頻繁にイマココすることでユーザー同士がつながる、そういうサービスに舵を切ろうと考えました。

■既存のはてなユーザーにも使ってもらいたい

――今回のパワーアップで、従来のアイコンが使えるようになるんですよね?
はい。そもそもはてなココは、はてなでは初となる携帯メインのサービスと位置づけていたので、既存のユーザーはもちろん、新たなユーザーに向けて開発を進めていました。その代表ともいえるのが、多種多様なアバターを作れる「ハッピィ」です。しかし、既存ユーザーが「はてなが新サービスをリリースしたから使ってみよう」と思った時に、これまで使っていた愛着のあるアイコンが使えないせいで、「これは自分が使うサービスじゃない」と感じてしまうのが、あまりにも惜しいんじゃないかと考え直したんです。使い慣れたアイコンに一種のアイデンティティを感じている方も多いでしょうし、実際に「アイコンを使用できないのであればはてなココは使わない」という声も寄せられました。

今回、そういった方々にもはてなココを使っていただきたいという思いから、ハッピィはもちろん、従来のアイコンも利用できるように変更しました。“自分のアバターを写して記念写真”という写真投稿前提のコンセプトから舵を切ったことにより、ハッピィの位置づけも少し低くなりましたし。週末だけハッピィにして記念写真を残して、平日はアイコンに戻すなど、切り替えも簡単にできるようになります。

■機能がよりシンプルに、パフォーマンスも向上

――そのほか、主な変更点を教えてください
コンセプトの見直しと表裏一体なんですが、全体の仕様がシンプルになっています。例えば、今までトップページを開くと写真が大きく表示されていたんですが、これをスポットメインの表示に切り替えて、なおかつ違和感のないデザインに変更しました。イマココした時に「続けて写真を投稿しましょう」という表示が出ていたんですけれど、これもイマココだけで完結する完了画面にして、写真やコメントを残すことをオプション的な扱いにしています。
あとは、サーバーの応答速度も速くなります!現在はてなでは、すべてのユーザーに満足してもらうため、全社的にサーバーの高速化に力をいれています。先日のはてなダイアリーのリニューアルでも、「パフォーマンスが向上した」「サーバーが速くなった」という点に高い評価をいただき、ユーザーのみなさんに喜んでいただくことができました。はてなココは新しいサービスなので割と軽かったんですが、機能の追加を優先していたので、近頃若干重くなっていたんです。現在、社内で速さの基準を作っているんですが、はてなココも機能の簡潔化やサーバーの増強を図って、それにちゃんと準拠するようなサービスにしていきます。

■ディレクターとしてではなく、“株式会社はてな代表”として見たときのはてなココ

――はてなココは、「はてなダイアリー」や「はてなブックマーク」に次ぐ主力サービスに成りえると思いますか?
はてなココはツール的な一面があるんです。居場所をアップし続けるライフログというか。例えばはてなブックマークは、ウェブを巡回しているときに見つけたものを記録していくサービスなんです。はてなココはそれとは逆で、世の中を移動している時に立ち寄った場所を記録するサービスなんです。ウェブを巡回している人より、世の中を巡回している人の方が明らかに多いし、そういう意味では主力サービスと同等か、もしくは上を狙っていけるんじゃないかな、とは思っています。

――最後に、今後の展開を聞かせてください
全年代幅広く皆さんに使っていただきたいですが、さっきも話した通り、特に力を入れているのが大学生のユーザーなので、学生の方が日常的に居場所確認で使える状態を追求していきたいです。もちろんビジネスマンや社会人、主婦の方にも楽しく使っていただけるので、そういった方々も含めて広めていければ。
近年、位置情報サービスというジャンルで各社がいろいろなサービスを出し始めていますが、その中でもトップシェアかもしくはトップに近いところで、多くの人が使っている「はてなココ」を目指していきたいですね。


文: タニグチナオミ

関連エントリー