• Twitter
  • Facebook
  • Google+
  • RSS

わずか8ヶ月半の短命政権 鳩山首相辞任表明へのネットの反応


■ 鳩山内閣の政権担当能力

まずは、鳩山内閣の政治家としての力量や姿勢を批難する厳しめの意見から。

鳩山由紀夫首相、辞任: 極東ブログ
鳩山・小沢氏のツートップ辞任にだまされるな | 岸博幸のクリエイティブ国富論 | ダイヤモンド・オンライン

finalvent氏のエントリーでは、鳩山由紀夫氏の辞任表明演説を参照しながら、彼の「政治とカネ」、「普天間問題」などを巡る言葉の不誠実さに率直な憤りが表明されています。
それに対して、岸博幸氏のエントリーは、冒頭で『鳩山首相は6月2日の演説で、普天間基地問題と“政治とカネ”の二つを理由として挙げていましたが、それは見当違いも甚だしいと思います』と言い放ち、鳩山内閣の政策を「失敗の連続」であり「明らかな落第点であると言わざるを得ない」とする内容。鳩山首相と同様に、威勢の良い発言こそするものの実行が伴わなかった他の閣僚たちへの反省がない限り、看板を付け替えても何も変わらないのではないかとのことです。

■ 鳩山内閣をサポートしきれなかった周囲

しかし、むしろはてなブックマークである程度の話題を集めているエントリーは、批判の矛先を鳩山内閣のみに限らず、他の民主党議員や私たち国民にまで向けたものが多いようです。

<首相の周辺>

首相辞任について - 内田樹の研究室
鳩山首相、辞任。お疲れ様でした。: やまもといちろうBLOG(ブログ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100602/crm1006021653012-n1.htm

まずは一番上の、評論家・内田樹氏によるエントリー。朝日新聞に寄せたコメントについて書いており、日本の「エスタブリッシュメント層」の鳩山政権への抵抗、特に「マスメディアの責任」について言及しています。
切込隊長氏のエントリーは、鳩山氏の労をねぎらいながら、『本来ならば鳩山政権を任期一杯最後まで支えなければならない人々が、結構早い段階で鳩山首相を見限る言動を繰り返した』ことをチクリと批判している内容。
また、その下の産経新聞の記事では、新しく首相になった菅直人氏に『大事なときに出てこなくて、ほとぼりがさめたころに「オレ、オレ」と格好いいことを言い出す』と批判する街の声が掲載されていました。

<首相に過度の要求をする有権者>

一方、公人に矛盾した要求を突きつける有権者を批判したエントリーもあります。
Yukihiro Matsumoto on Twitter: "公約を守ろうとすると考えが浅いと言い、守れないと公約違反と言い、辞めないと批判し、辞めようとすると投げ出すのかと言う。こんな民衆のために政治家になる人は今後ほとんど出ないだろうな。"

公約を守ろうとすると考えが浅いと言い、守れないと公約違反と言い、辞めないと批判し、辞めようとすると投げ出すのかと言う。こんな民衆のために政治家になる人は今後ほとんど出ないだろうな。

404 Blog Not Found:We only deserve what we deserve
上のTwitter発言は、Ruby開発者として有名なまつもとゆきひろ氏によるもの。そして、下のエントリーは、その発言を受けてアルファブロガー・小飼弾氏が書いたもの。彼によれば、もう長いことずっと問題視されている世襲政治家の乱立は、そもそも日本人が『いざ政権に就いたら「悪人」でないと続かないのに、選挙の際は「イケメン」に限る』仕方で政治家を選んでいるから、ということのようです。

<意思決定システムの改革>

下の二つのエントリーは、そんな小飼弾氏の言うところの「悪人」でなければ首長が続かない日本の政治状況に、「仕組み」レベルでの改革を求めるものです。

首相を使い捨てる永田町の「みそぎ」 | 池田信夫 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
そろそろ機械政を本気で検討してもいい頃? – 小飼 弾 – アゴラ

池田信夫氏のエントリーは、小泉純一郎氏レベルの「名人芸」でも持っていなければリーダーシップを発揮することができない首相の法的権限の弱さが、そもそも問題ではないかとするもの。
小飼弾氏のエントリーは、少々非現実的に見えるかもしれませんが、実は最近海外で大きく話題になっており、先日ワシントンでシンポジウムも開かれた「Gov2.0(政府2.0)」の流れに位置づけられる内容です。

ティム・オライリー特別寄稿:ガバメント2.0―政府はプラットフォームになるべきだ | TechCrunch Japan
【特別寄稿】津田大介氏「Gov 2.0 Expo」速報レポート1日目

■ 海外ユーザーから見た今回の辞任劇

海外では今回の辞任は、どのように受け止められているのでしょうか。はてなブックマークでは、以下のようなエントリーが話題です。

サーチナ-searchina.net
http://blog.goo.ne.jp/dongyingwenren/e/34f02caae79ff7865deed3436cee43e2
http://shirouto.seesaa.net/article/151956582.html
ビル・エモット 緊急インタビュー「鳩山首相の辞任は日本にとっても世界にとっても良いことだ」 | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン

上の二つは中国ユーザーの意見。前者は大手ニュースサイト「鳳凰網」のコメント欄を報じたもので、後者は前回衆院選時にも「http://blog.goo.ne.jp/dongyingwenren/e/61fa20e81982f9a806142d4d944823c6」で話題になった中国のインテリが集うという「天涯論壇」のコメントを翻訳した内容。両者の記事から受ける印象は、かなり対照的です。
その下にあるのは、米国のニュースアグリゲートサービス「ハフィントン・ポスト」についたコメントを抜粋して、翻訳したもの(元記事は「HuffPost - Breaking News, U.S. and World News | HuffPost」)。「どうして俺たちの大統領は公約を好きに破ってるのに辞める必要がないんだ?」なんていう意見もありました。
そして、最後のエントリーは英国「The Economist」前・編集長によるコメント。今回の辞任劇をなるべく肯定的に見ようとしているのが印象的です。

文: 稲葉ほたて

関連エントリー