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ユニークな活動とポップなアイデアのヒントが凝縮 『AR三兄弟の企画書』



ARを使い画期的な作品を作り続けているAR三兄弟の長男、川田十夢氏による初めての著書『AR三兄弟の企画書』。8月末に発売された本書には、AR三兄弟がこれまでに行ってきたユニークでポップな活動と、その源になるアイデアが凝縮されています。
AR三兄弟の企画書
http://alternativedesign.jp/2010/08/ar3book/
その内容は、AR技術の基本的な説明に始まり、「セカイカメラ」を初めて目にした時の衝撃、旧来のメディアに対する考察、拡張現実で可能になる未来の技術など、さまざま。技術に関する項目もわかりやすく説明しているので、ARに興味のある人はもちろんのこと、予備知識のない人でも安心して読むことができます。

■AR三兄弟のアイデアが備える、遠心力と求心力

いつも斬新なプロデュースを行っているAR三兄弟。そのユニークなアイデアは、一体どこからやってくるのでしょう。第二章「AR技術をどうやって見立てるか」中にある「優れたアイデアには、遠心力と求心力がある」と題された一節で、以下のような記述があります。

先達の成功者は決まって「アイデアを出すのは簡単。アイデアを実現させるのが難しいのだ」などと、ドヤ顔とともに進言してくれます。しかし、果たしてそうでしょうか? 僕は違うと思います。優れたアイデアには、最初から弧を描くように着眼点を増幅させる遠心力と、それを実現するために必要な求心力が宿っています。
(中略)
僕がここで紹介したアイデアの数々には、それが備わっていたからこそ、最後までカタチにできたのだと思います。

この一節を読んで、筆者はAR三兄弟は“アイデアを生むこと”を心から楽しんでいる、ということに気付きました。AR三兄弟は、たくさんのアイデアをためらうことなく出し、それに対し絶対的な自信を持っていることが、本書の各所から読みとれます。その自信がまた別の活動へとつながり、斬新なアイデアを生み出す原動力になっているのでは――そう考えさせられました。

■“何かを生む人”に響く2つの言葉

上記ではAR三兄弟のアイデアについて触れましたが、次は彼らの活動の根底にある“言葉”を紹介したいと思います。本書には、AR三兄弟のように“クリエイター”として創作活動に取り組む人や、それを目指している人に響くであろう言葉にあふれています。ここでは2つ、印象に残る言葉を紹介します。

  • 現象の輪郭をなぞるのがパクリ、本質の輪郭をなぞるのが創作。(第三章「水平思考で拡がるARビジネスの可能性」)
  • 後ろ向きの現在に、未来はない。(第五章「今、拡張すべきは旧来のメディア」)

筆者はこれまで、本書の著者であるAR三兄弟の長男、川田十夢さんに会う機会が何度かありました。その時も川田さんは、上記のような言葉を何度も話していました。

AR三兄弟・川田十夢に聞く!ARの可能性と本質、これから目指すもの - はてなニュース

“生のAR三兄弟”を知っている筆者がこの本を読んで感じたのは、AR三兄弟というユニットが選ぶ言葉、行う活動、目指しているもの、考えがいつも一貫しているということ。AR三兄弟はユニークでポップなだけじゃない。“ブレ”がないからこそ、魅力を感じるのだと気付きました。斬新なアイデアを軸にあらゆるコンテンツをプロデュースする、その活動のヒントが『AR三兄弟の企画書』には詰まっています。


AR三兄弟の企画書

AR三兄弟の企画書

文: タニグチナオミ

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