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村上龍氏や朝日新聞、角川も参入――2010年秋の電子書籍事情まとめ


■村上龍氏が新会社設立――2010年秋の電子書籍事情

<村上龍氏が設立「G2010」>
作家の村上龍氏は7月、文芸雑誌『群像』で連載していた長編小説「歌うクジラ」を、電子書籍として販売しました。その村上氏が、11月5日付で電子書籍を制作・販売する新会社「G2010」を設立。取締役は村上氏本人が、社長は『歌うクジラ』の電子化に携わったIT企業・グリオの船山浩平氏が務めます。

JMM | 村上龍電子本製作所
「変化を自分で作りたい」 村上龍氏が出版社と組まずに電子書籍を出す理由 (1/2) - ITmedia NEWS

村上氏の執筆作品はもちろん、瀬戸内寂聴さんやよしもとばななさんの作品も配信される予定です。


<朝日新聞社の電子書籍紹介サイト「ASAHI eBOOK AVENUE」> 
朝日新聞社は11月4日、「asahi.com」内に電子書籍を紹介する「ASAHI eBOOK AVENUE」というページを開設しました。
http://book.asahi.com/ebookavenue/

朝日新聞の過去の書評記事などから、オススメの電子書籍をピックアップするほか、各出版社への電子化の働きかけも行います。

書籍の紹介ページには、「電子書店パピレス」や「PDAbook」などのボタンを設置しており、すぐに購入可能。“紙派”の人のために、「Amazon.co.jp」や「楽天ブックス」への誘導も行っています。


<スマートフォン向けアプリ「ソフトバンクブックストア」>
12月上旬に、Android搭載携帯「GALAPAGOS SoftBank 003SH」の発売に合わせ、スマートフォン向けの電子書籍アプリ「ソフトバンクブックストア」をリリースするソフトバンク。書籍、コミック、写真集など、10万点以上の電子書籍がダウンロードできます。

ソフトバンク ブックストア | ソフトバンクモバイル
書籍、コミックなど幅広いジャンルの電子書籍が楽しめる!「ソフトバンク ブックストア」を提供開始 | プレスリリース | ニュース | 企業・IR | ソフトバンク

電子書籍の代金は、携帯の利用料金と同時に支払いできるため、手間なく購入することができます。サービス提供時に対応している機種は、「GALAPAGOS 003SH」「GALAPAGOS 005SH」のみですが、順次拡大していくと発表しています。


<まずはiPad&iPhoneから「紀伊国屋書店BookWebPlus」>

全国に多くの実店舗を持つ紀伊国屋書店も、電子書籍市場に参入します。

お金借りるならどこ?本当におすすめのお金を借りる方法10選!
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/101105/bks1011051812001-n1.htm

iPadとiPhone向けのサービスとして、2010年中にスタートする「紀伊国屋書店BookWebPlus」。電子書籍のほか、1996年から開設しているオンラインストア「BookWeb」と同様に、紙の書籍を購入することもできます。

MSN産経ニュースが報じた内容によると、サイトオープン時には、約1200もの電子書籍がスタンバイ。1年後には3万タイトルの書籍を揃える予定とのことです。


<角川グループも参入!電子書籍配信のプラットフォーム「Book☆Walker」>

角川書店やアスキー・メディアワークス、富士見書房、魔法のiらんど、エンターブレインなど、角川グループの15社が参画する電子書籍配信サービス「Book☆Walker」。2011年7月のグランドオープンを目指します。2010年12月には、プレオープンとしてiPadとiPhone向けアプリの提供がスタートします。

角川グループが電子書籍を中心としたコンテンツ配信プラットフォーム事業に本格参入!「Book☆Walker」をサービス名称に、オンリーワンの次世代型電子書籍プラットフォームを目指します。|株式会社ブックウォーカーのプレスリリース
http://journal.mycom.co.jp/articles/2010/11/13/bookwalker/index.html

2011年4月には、iPadやiPhoneのほか、Android OSを搭載したスマートフォン、タブレット端末、PCに順次対応したプラットフォームサービスが開始されます。

電子書籍の配信はもちろんのこと、作品に関連したアニメや映画の映像、グッズの通信販売までもカバー。また、新刊書籍の紙とデジタルの同時発売や、ユーザーが作品の感想を共有できるソーシャルメディアとの連動も視野に入れているそうです。出版業界大手なだけに、世間にどのような影響を与えるのかが気になります。


このように、さまざまな企業が、自社の特色を生かした“電子書籍事業”に乗り出しています。以下の2つのエントリーによると、市場も着実に拡大しており、2009年の電子書籍市場は610億円と推測。また、専用端末についても、2010年度の販売台数と市場額がともに拡大されると予測されています。

2009年の電子書籍市場は610億円、「日本はすでに電子書籍大国」 -INTERNET Watch Watch
電子書籍端末の市場規模、2015年には495億円 電子ペーパー実用化で買い替えも:MarkeZine(マーケジン)



Title Photo by the.approximate.photographer

文: タニグチナオミ

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