• X
  • Facebook
  • RSS

Wikileaks(ウィキリークス)とは――米軍機密もネットで公開


■ Wikileaks(ウィキリークス)は匿名の機密情報収集公開メディア

WikiLeaks

Wikileaksは、匿名での機密情報の投稿を受け、内部でその情報を精査し、インターネットを通じて機密情報を公にしている。Wikileaksのウェブサイトでの説明によると「非営利のメディア団体で、ゴールは重要なニュースを流すこと。機密情報の受け取りは、匿名で受信できるWikileaksの電子的なポストを利用。公式に始まったのは2007年から」とのこと。以下のページで詳細に読むことができる。

http://wikileaks.org/media/about.html(英文)

名前に「Wiki(ウィキ)」とあり、かつてWiki風の見た目や形式をとっていたこともあったが、オンライン百科事典Wikipediaを運営するWikimedia Foundation(ウィキメディア財団)とは無関係だ。2010年11月時点では、一般的なウェブサイトの形式をとっている。

[wikileaks] [wikileaks]
左:2008年1月のWikileaks Internet Archiveより / 右:2010年11月 記事執筆時点でのWikileaks

機密情報の提供や内部告発は、新聞や雑誌、ネットなどでこれまでにも行われてきた。Wikileaksが他と一線を画すのは、情報提供者の匿名性や、情報の信ぴょう性を保ち、前代未聞の大量の文書を取得・公開してきたことにある。このためWikileaksは検閲や攻撃に耐えうるシステムを実現しようとしている。

■ Wikileaksの特ダネ

Wikileaksはすでに、いくつかの“特ダネ”を公開する成果をあげている。これまでに同組織が公開してきた情報の一部は、「Notable leaks」(注目すべきリーク)として、英語版WikipediaのWikileaksのページにリストアップされている。

2010年のものでは「U.S. Intelligence report on Wikileaks」(CIAの内部報告書)、「Baghdad airstrike video」(バグダッドでの民間人空爆のビデオ)、「Afghan War Diary」(アフガニスタン戦争に関する機密文書)、「Iraq War Logs」(イラク戦争に関する機密文書)などが挙げられる。日本語版Wikipediaにも「主な内部告発行為」として一部が掲載されている。
ウィキリークス - Wikipedia(Wikipedia: Wikileaks - 主な内部告発行為)

Wikileaksが公開した特ダネの一つ、イラク戦争に関する機密文書「Iraq War Logs」についてみてみよう。Wikileaksは2010年10月、イラクにおける戦争と侵略について2004年から2009年までに書かれた391,832本の報告書を公開した。

Iraq War Logsの完全な情報は、ファイル共有ソフト「BitTorrent」でダウンロードできる。またWikileaksのウェブサイトでは、Iraq War Logsを検索・閲覧できる「Diary Dig」、閲覧し評価やコメントを残せる「War Logs」といったツールが提供されている。とはいえ、公開された膨大な情報を横断的に解析するのは、それ相応の労力が必要で、すぐに読者が読んで分かり、役立つようにまとめられてはいない。

Wikileaksのウェブサイトには、「Submissions」という情報提供のためのページがある。このページには、情報提供に際して注意すべき点など、詳細な記述があり興味深い。

http://wikileaks.org/media/submissions.html(英文)

電子的な情報提供以外にも、国際宅配便や郵送を利用して物理的に資料を送付することができ、ページ末尾にはオーストラリアの住所が記載されている。

■ 何故Wikileaksが注目を集めるのか

膨大な機密文書を収集・公開する以外でも、Wikileaksは注目を集める。たとえば、サーバーを格納する核シェルターや、全世界に広がるネットワークなど、枚挙にいとまがない。
Wikileaksにリークした米国家最高機密をかくまう核シェルター | ギズモード・ジャパン
告発サイトWikileaksを支援する世界的ネットワーク | WIRED VISION

また、Wikileaksの創設者であるジュリアン・アサンジ(Julian Paul Assange)氏にも注目が集まっている。米Time誌の「Person of the Year」のネット投票の途中経過では、一時トップだったとも報じられている(現在は10位以内はおろか、200位以内にも入っていない)。
米紙タイム「今年の人」、ネット投票トップ人気はウィキリークス創設者 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.time.com/time/specials/packages/article/0,28804,1972075_1976159,00.html

ハッカーとして活動し、現在は、インターネット活動家、ジャーナリストであるとし、Wikileaksを率いるジュリアン・アサンジ氏。謎の多い過去、長身で、見ようによっては俳優のようにも見える風貌からも、同氏に対する関心は尽きないだろう。日本語版Wikipediaには、アサンジ氏について、数奇な生い立ちからWikileaksの創設まで簡潔にまとまっている。

ジュリアン・アサンジ - Wikipedia

2010年7月、ジュリアン・アサンジ氏は「Why the world needs Wikileaks」というタイトルで講演をした。アサンジ氏自身の言葉から、彼についてうかがい知ることができる。


http://www.youtube.com/watch?v=HNOnvp5t7Do

この講演の日本語訳を、開発者で翻訳者の青木靖氏が公開している。

なぜ世界にWikiLeaksが必要なのか

■ 懐疑的な見方もある

「内部告発サイト」としてメディアで取り上げられ、漠然としたイメージでとらえられるWikileaks。時代の寵児のように取り上げる向きもあるが、一方で懐疑的な見方もある。以下の記事では、Wikileaksそのものの信用性や、リークそのものの意図が不明確であること、必要な透明性を備えていないことから、疑う必要があるとも指摘している。

「リーク製造工場」ウィキリークス、謎めいた組織とその成果 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

先ごろ放送されたNHK「クローズアップ現代」でも、Wikileaksが取り上げられ、番組のウェブサイトでは15分に渡る動画を視聴できる。

http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2959

現在のインターネットでは、容易に情報を公開することができる。このような状況は、人、組織、国家の不正な行いに対する抑止力となり得る。とはいえ、情報が公開されることの威力は絶大だ。守るべき名前が流出するといったプライバシーの問題もあるし、予期せぬタイミングと量の情報を公開され、国家や組織が混乱することもある。一方で、公開された情報を読む読者やメディアは、リーク者の意図を読むリテラシーが、強く求められる。リークされる情報には、リークする人の意図があるからだ。

インターネットが情報を公開するのに優れたツールであるのは間違いない。Wikileaksの活動は、インターネットにおける情報公開のありかたについて、単に情報を手軽に公開することを超えた、より深い問題を提起しているように見える。

The Photo is from "Wikileaks".

文: イノアキ

関連エントリー