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コンビニのオリジナルビールが増加 “限定”や“PB”で来店のきっかけを作る


■ 共同開発したビールを“コンビニ限定”で販売

ローソンはアサヒビールと協力したビール「クリーミープレミアム」を4月に限定発売しました。アサヒビール独自のクリーミードラフト製法で泡持ちの良さを追求した、“グラス注ぎ専用”のビールです。現在は販売を終了していますが、ローソン広報部によると、消費者の反応は好評で終売を惜しむ声も多かったとのこと。

サークルKサンクスは、ユニーグループのPB「Style ONE」のビールを取り扱っています。販売しているのは、韓国のビールメーカー「ハイトジンロ」と協力した「シャイン・モルト」「シャイン・モルト 糖質 50%オフ」の2種。価格はともに、350ミリリットルが88円、500ミリリットルが125円と安価。また6月には、アサヒビールとユニーグループ・ホールディングスが共同開発した「アサヒクラシックプレミアム」(販売終了)を、10月にはサントリーとタイアップした「サントリーエクストラリッチ」をそれぞれ数量限定で発売しました。


(左、中央)クリーミープレミアム(右)アサヒクラシックプレミアム

ファミリーマートもアサヒビールと共同で開発した「アサヒビタープレミアム」やサントリーとタイアップした「琥珀の寛ぎ」を過去に数量限定で販売(一部店舗を除き終売)。どちらも好評で、前者は5万1千ケース、後者は4万ケースを出荷しました。

一方、ミニストップは、独自のビールはないものの、韓国メーカーが製造するイオングループのオリジナルビール「トップバリュ バーリアル」を取り扱っています。

ビール会社と共同開発したビールやグループ全体のオリジナルビールなど、多種多様なビールを販売しているコンビニ。その中でセブン-イレブンは2012年11月、他社に先んじてPB「セブンプレミアム」から「100%MALT」を発売(現在は「新100%MALTを販売」)。サッポロビールとの共同開発で、価格は350ミリリットルが198円、500ミリリットルが258円とお手頃価格です。

■ セブン-イレブンのビールを試飲してみた


左からアサヒ ザ・エクストラ、セブンゴールド ザ・ゴールドクラス、グランドキリン ジ・アロマ

コンビニ独自のビールを味わってみたい! セブン-イレブンが展開する限定ビールなどを、ビール大好きなはてなスタッフ5人が試飲しました。

<アサヒ ザ・エクストラ>

色は少し濃い

最初に飲んだのは「アサヒ ザ・エクストラ」。アサヒビールと共同開発したセブン&アイグループの商品として、2012年9月に数量限定で発売。グループ全体で226万本を売り上げ、2013年2月からは通年販売を開始しました。

  • 「“アサヒっぽさ”が全然ないですね。スーパードライのような辛口かと思いましたが、ヨーロッパのビールみたい」(毎日2リットルのビールを飲むスタッフ。以下2リットル)
  • 「飲み口があっさりしてますね」(コロナビールやオリオンビールなど軽めのビールを週末だけたしなむ女性スタッフ。以下コロナ)
  • 「(缶を見て)アルコール度6.5%! どうりで飲み応えがある!」(週に10リットルのビールを飲むスタッフ。以下10リットル)

<セブンゴールド ザ・ゴールドクラス>

金色に輝いています

ザ・ゴールドクラス」は、セブン-イレブンのPBの中でもこだわりの商品をそろえる「セブンゴールド」から、2013年6月に発売。サントリーと共同で開発し、原材料や製法にこだわりながらも、価格は350ミリリットル218円(税込)に抑えています。これは、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」より約20円安い価格設定です。

  • 「甘くてすごくフルーティ!わたしはこれが一番好みです」(コロナ)
  • 「一口目はがっつりきますが、そのあとは軽くて、ぐびぐび飲めます。僕もこれが好きですね」(「ザ・プレミアム・モルツ」好きのスタッフ)


空きっ腹にアルコールは厳禁。おつまみも食べます

<グランドキリン ジ・アロマ>

栓を開けた瞬間、ホップの香りがふわっと漂いました

試飲会で一番好評だったのが「グランドキリン ジ・アロマ」。キリン「グランドキリン」シリーズの新商品で、2013年11月12日(火)から、セブン-イレブンで先行発売しています。米国産の「ブラボーホップ」をキリンで初めて使用しているほか、独自の製法で華やかな香りに仕上げています。

  • 「グランドキリンは飲んだことがありますが、これもおいしい!普通に買います」(2リットル)
  • 「僕もグランドキリンが好きでよく買ってます。今日飲んだ中なら、これが一番好きです」(黒ビールが好きなスタッフ)
  • 「ホップが効いていて、味の余韻がずっと続きます。ビンなのもいいですね」(10リットル)

■ PBで“いつものビール”を提供できる

PBからビールを発売した理由について、セブン&アイ ホールディングスの広報センターは「セブン-イレブンでは、他社にはない独自商品を取り扱うことで、ご来店のきっかけを作っています。コンビニで購入するビールの購買動向は、“自分が飲むために買うビール”。ビールは各人の好みが強く出る嗜好品ですが、十分に選択いただけるものと考えて開発しました」と話してくれました。またセブンゴールドやセブンプレミアムの認知度が上がってきているため、「なじみの商品やいつもの商品としてお客様にご提供することができる」ともコメント。実際「ザ・ゴールドクラス」の販売数は、発売以来堅調に推移しているそうです。

「セブンゴールドのブランド戦略は“ちょっと贅沢”。ビールにおける上質の要素は“コク”と“キレ”で、一見相反する二つの価値を組み合わせた商品を開発するには、もともとその技術を持っていたサントリー様と組むのが自然な流れでした」と、開発の裏側も教えてくれました。


“第3のビール”の登場や海外の輸入ビールの増加、地ビールの人気拡大など、さまざまな変化が起きているビール業界。“コンビニだけで買えるビール”も、ますます多様化しそうです。さて、今夜も……プシュッ。

文: タニグチナオミ

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