「赤い十字」をデザインに使うと、法律違反になる可能性がある――病院や医療をイメージしやすい赤十字のマークについて、正当な理由なく使ってはいけないことを解説したエントリーが、はてなブックマークで注目を集めています。ジュネーブ条約と日本の法律で使用できる範囲が定められており、ネットには「医療機関でもダメなんだ」「赤十字のついた救急箱見かけなくなったと思ったらこういうことなのか」などの反応が寄せられています。
▽ デザインに赤い十字(✚)を使うと法律違反って知ってましたか? | 初代編集長ブログ―安田英久 | Web担当者Forum
Webサイト関連の情報サイト「Web担当者Forum」のブログに、白地に赤い十字を描いたマーク(赤十字マーク)に関する話が掲載されました。病院や医療の象徴として連想しやすいマークですが、戦時国際法のジュネーブ条約と、日本で定められている「赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律」によって使用に制限がかかっています。
日本赤十字社が公開している資料によると、赤十字マーク(イスラム教国では赤新月マーク)は、戦争や紛争で傷付いた人と救助活動に取り組む人を攻撃から守るために表示されるマークです。紛争地域で赤十字マークを掲げている病院や救護員などには、絶対に攻撃を加えてはいけないとジュネーブ条約で定められています。使用方法が厳しく制限されているのは、日ごろから不適切に使用されてしまうと、赤十字マークに対する理解を誤ってしまうためです。
国内でも、掲示できるのは赤十字社と自衛隊の衛生部隊など、法律で使用が認められている組織のみ。一般の病院や薬局、薬箱などでは使用できません。赤十字マークと類似したマークの使用も不可で、例として赤色系統の色を使用した十字マーク、十字が傾いているマーク、長さや形状を変えて図案化したマークなどが挙げられています。
▽ 知っていますか? このマークの本当の意味(PDF)
▽ 昭和二十二年法律第百五十九号(赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律)
はてなブックマークのコメント欄には、「こんなルールがあったとは」「そういえば救急車は赤十字マーク無いね。血液輸送車は日赤の車だから赤十字付いてるけど」「病院アイコンのデザインした時に初めてこれ知りました。じゃあ緑だといいのかというとこれは安全マーク。黒だと宗教上の理由でNGになったことがあります。デザイナーも色んな事知っとかないといけませんね」などさまざまな感想が集まっています。