• Twitter
  • Facebook
  • Google+
  • RSS

よしもと、書籍化・映像化を目指した「原作開発プロジェクト」始動 AmazonやSTORYS.JPなどと協力



京都国際映画祭 -映画もアートもその他もぜんぶ-

「原作開発プロジェクト」は、常に新しいコンテンツを生み出し、日本だけでなく世界で活躍する才能の発掘を目指すという合同企画。よしもとクリエイティブ・エージェンシーをはじめ、小説やマンガをセルフ出版できるAmazonのKindle ダイレクト・パブリッシング、レジュプレスのSTORYS.JP、MediBangのMediBang!が手を組み、人気コンテンツの創出を目指していきます。

プロジェクトの始動に伴い、まずは「小説部門」「ノンフィクション部門」「マンガ部門」の3部門でコンテストを実施。受賞作品の発表などは、吉本興業が携わる京都の「京都国際映画祭」と沖縄の「島ぜんぶでおーきな祭」(沖縄国際映画祭)で行われます。受賞作品は書籍化または電子書籍化後にAmazonで独占販売されるほか、映像作品としてAmazonのプライム・ビデオで配信される可能性もあるとのことです。

発表会見では、レジュプレスのSTORYS.JP 編集長・清瀬 史さんと、MediBangのマーケティング本部長・土井将史さんが登壇。清瀬さんは「現在、STORYS.JPには2万5000もの“ストーリー”が投稿されている。最近では、塾の先生が教え子の受験奮闘記をつづった“ビリギャル”が大きく取り上げられました」と、2013年にアスキー・メディアワークスから書籍化され、2015年には有村架純さん主演で映画化されたノンフィクション作品『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』に言及しました。

レジュプレス STORYS.JP 編集長・清瀬 史さん

こうして人生にまつわる作品が多く集まるSTORYS.JPでは、コンテストのノンフィクション部門を担当。清瀬さんは続けて「人生の“ストーリー”が集まるSTORYS.JPと、人を100年以上にわたってプロデュースしてこられたよしもとさんが協力することで、人生の“ストーリー”をさらに発掘・共有し、世の中を元気にしていきたい。ゆくゆくは、その人の人生が桃太郎や浦島太郎のように時代を越え、歴史を作っていく物語になれば」と展望を語りました。ノンフィクション部門の応募開始は2016年11月の予定。大賞・優秀賞は、2017年4月に開催される「島ぜんぶでおーきな祭」で発表されます。

土井さんはMediBang!の特徴について「誰でもマンガやイラストを描けるツールとして、スマートフォンでも利用できる『メディバンペイント』を提供しているのが他社サービスと違うポイント。公開する場だけでなく、製作するところからクリエイターをサポートして、マンガ業界そのものを盛り上げていこうと考えている」と説明。才能を発掘して業界を盛り上げていきたいというプロジェクトのビジョンとMediBangの目指している方向が同じだったことから参加を決めたとして、プロジェクトを通じて「世界に輝く才能を発掘できたら」との意気込みを語りました。

MediBang マーケティング本部長・土井将史さん

MediBang!は、コンテストのマンガ部門を担当。2017年春に応募を開始し、2017年10月の京都国際映画祭で大賞・優秀賞を発表します。

小説部門を担当するKindle ダイレクト・パブリッシングは、2016年11月以降に作品の募集を開始する予定です。テーマは、現代の実在する場所を舞台としたオリジナルのエンターテインメント小説。受賞作品は2017年4月に発表される予定です。

各投稿サイトでのコンテストは今後も複数回実施する可能性があるとのこと。また大賞作品の映像化における制作発表やプレミア上映なども、2つの映画祭で開催していくとしています。

(左から)司会を担当したペナルティのヒデさん、麒麟の田村 裕さん、NON STYLEの石田 明さん、笑い飯の哲夫さん、レイザーラモンのHGさん、ライスの田所 仁さん・関町知弘さん

発表会見には、3つの投稿サービス各社が「今後期待する芸人」として挙げた、麒麟の田村 裕さん、NON STYLEの石田 明さん、笑い飯の哲夫さん、レイザーラモンのHGさん、ライスの田所 仁さんと関町知弘さんも登場。2007年に自叙伝『ホームレス中学生』をワニブックスから出版し、225万部を売り上げた経験のある田村さんからは、1年で約2億円の印税収入を得たという話が飛び出しました。

HGさんの「フォー!」

近ごろは脚本家としても活躍している石田さんは、舞台の脚本なども小説化したいと検討しているそう。各所からオファーがあるものの「きちんと構想を固めてから返事をしたい」と堅実な姿勢を見せました。

最後に、記者からの「よしもととタッグを組むことでどんな展開を期待するか」という質問に対し、清瀬さんは「ビリギャルの著者である坪田信貴さんは、投稿が書籍化・映画化されたことで教育者としてマスメディアに取り上げられる機会が増えた。今後、一般の方の才能が発掘され、マスメディア展開されていく際には、よしもとさんの協力が必要」とコメント。土井さんは「これまで、マンガやイラストはオタク的な人が製作しているというイメージが強かった。一般の方でも描けるというのを伝えたい」と言及し、両社とも今までリーチしていなかった層への広がりを期待すると語りました。

文: あおきめぐみ

関連エントリー