2人で遊ぶ盤上ゲームとして、古くより日本人に愛されてきた「将棋」。誰もが一度は目にしたことのあると言っても過言ではないゲームですが、ルールを知らないという方も多いのではないでしょうか。今回は将棋に興味がある・始めたいと思っている人に向けて、“将棋の基本”を紹介します。
■まずは基本のルールを知ろう
▽基本的なルール
まずは上記のエントリーを参考に、9×9の将棋盤の上に40個の駒を並べ、先手、後手を決めましょう。「飛車は右、角は左」「下段は内側から金・銀・桂・香」と覚えるのがコツです。
ゲームがスタートした後は一手ずつ交互に駒を動かします。これを「手を指す」といいます。自分の番が回ってきたら、たとえ指したい駒がなくてもパスすることはできません。また、二手続けて指すこともできないので注意しましょう。また、1つのマス目の中に置ける駒はひとつだけです。自分の駒があるところには進めません。また、進みたい方向に自分の駒か敵の駒があるときは、的の駒のみ取って「持ち駒」にすることができます。自分の駒を取ることはできません。「持ち駒」は、「駒を打つ」と言って好きな所に置くことができますが、自分の駒・相手の駒のあるところ、行き所のないところには置けません。
■駒の動き
▽将棋について-本将棋[3.駒の動きと特徴]:日本将棋連盟
将棋の駒は全部で8種類あり、それぞれ動く方向が決まっています。しかし、相手の陣地に進むとき・出るときに、駒を裏返して動き方を変える事が可能です。これを「成る」といいますが、「不成(ならず)」と言って「成れる」状況下で成らないことも可能です。ただし、一度成った駒を戻すことはできないので、慎重に進めましょう。各駒の動きは下記の通りです。
- 玉将…略は「玉」。駒により王将(略して「王」)の場合もあります。将棋において最も大切な駒で、四方に一マスずつ動けます。成ることができないため、裏は無地。
- 飛車…略は「飛」。縦横無尽に進めますが、他の駒を飛び越すことはできません。成ると「竜王」(略して竜)になり、「飛」の動きに加えて斜めに一ヶ所ずつ動くことができます。
- 角行…略は「角」。斜めに進めますが、他の駒を飛び越すことはできません。成ると「竜馬」(略して馬)になり、「角」の動きに加えて縦横に一箇所ずつ動くことができます。
※能力が高い「飛」と「角」は「大駒」と呼ばれています
- 金将…略は「金」。縦横と斜め前方に一つずつ動けますが、斜め後ろには進めません。成ることはできないため、裏は無地。
- 銀将…略は「銀」。縦と斜め前後に一つずつ動けますが、横と後ろには進めません。成ると「成銀」となり「金」と同じ動きができます。
- 桂馬…略は「桂」。二つ前の斜めに進むことができ、また途中に他の駒があっても進めます。成ると「成桂」となり「金」と同じ動きができます。
- 香車…略は「香」。前方に進めますが、他の駒を飛び越すことはできません。成ると「成香」となり「金」と同じ動きができます。
- 歩兵…略は「歩」。一つ前にのみ進めます。成ると「と金」(略して「と」)となり、「金」と同じ動きができます。
上記のエントリーでは、駒が動ける範囲を図入りで紹介しており、初心者にピッタリです。
■どうやったら勝ち?
▽将棋について-本将棋[4.王手と詰み]:日本将棋連盟
将棋は相手の玉将を取ったプレイヤーが勝ちとなります。しかし、実際に玉を取るまでは指さず、相手が何を指しても次に玉を取られる状態=「詰み」になった時点で将棋は終わります。また、次に玉を取ろうとする手の事を「王手」ともいいます。
棋士の対局では、負けを悟った場合は詰む前に「投了」をするのが一般的です。「負けました」などと発声するか、頭を下げて駒台に手を置くと「投了」とみなされます。
■反則
▽将棋について-本将棋[5.反則]:日本将棋連盟
将棋にもいくつか反則ややってはいけない禁じ手が存在します。上記のエントリーを参考に、初心者の実践にありがちな5つの反則を紹介します。
- 二歩…歩を同じ筋に二つ打つこと。歩が成った「と」と同じ筋に歩を打つのはOKです。
- 打ち歩詰め…持ち駒の歩を打って相手の玉を詰ませること。しかし、歩を打って王手をかけることと、盤上の歩を動かして詰ませる「突き歩詰め」は反則にはなりません。
- 王手放置…王手がかかっているのに違う手を指すこと。王手をかけられたら、玉が逃げるなど、王手を防ぐ手を指しましょう。
- 動けないところに駒を進める…駒が動けないところに行ってしまった場合も、もちろん反則です。同様に、成る事のできない駒が成るのも反則となります。
- 二手指し… 相手の手番なのに自分の駒を動かすこと。後手のプレイヤーが先に指すと、これも「二手指し」となるのでご注意。
■『3月のライオン』マンガで学ぶ将棋
▽『3月のライオン』公式サイト | 白泉社
実践の前に予習したい方は、マンガで将棋を学んでみるのはいかがでしょうか。オススメは『ハチミツとクローバー』で知られる羽海野チカさんが『ヤングアニマル』で連載している『3月のライオン』です。棋士の先崎学八段監修のもと、17歳のプロ棋士・桐山零の葛藤と成長、彼に関わる人たちとのふれあいを描いています。ストーリーの中に出てきた対局を先崎氏が解説したコラムなどもあり、読み応えのある内容となっています。
- 作者:羽海野 チカ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2008/02/22
- メディア: コミック
- 作者:羽海野 チカ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2008/11/28
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- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2009/08/12
- メディア: コミック
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- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2010/04/09
- メディア: コミック
また、ネットや携帯電話、スマートフォンのアプリなど、気軽に将棋を楽しめるゲームもたくさんあります。世代を超えて愛される遊び「将棋」。興味のある方はぜひ始めてみてください。
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