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EMOBILEにUQ Flat、どれがいい?高速モバイルデータ通信サービスを比較!


■ まずは各サービスを一望

いいサービスを選びたいけれど、提供者も多くてプランもさまざま。「どこから検討をはじめれば…」と戸惑う方も少なくないと思います。b-mobileのサイトにある比較表が参考になりそうです。

通信料比較 | Doccica U300

これを補足する形で代表的な高速モバイルデータ通信サービスについて概要をまとめてみました。

  下り最大 上り最大 通信料月額(一例) プロバイダ エリア
NTT ドコモ 7.2Mbps 5.7Mbps 5,985円 別途必要 ◎ FOMAサービスエリア
au 3.1Mbps 1.8Mbps 5,460円 別途必要 ◎ auサービスエリア
SoftBank 7.2Mbps 384kbps 4,980円 不要 △ 定額プランは独自エリア
EMOBILE 3.6-21Mbps 1.4-5.8Mbps 4,980円 不要 △ 都市部中心
WILLCOM 7.2Mbps 384kbps 5,985円 別途必要 ◎ FOMAサービスエリア
UQ Flat 40Mbps 10Mbps 4,480円 不要 △ 都市部中心 エリア拡大中
b-mobile
(Doccica U300)
300Kbps 300Kbps 3,280円 不要 ◎ FOMAサービスエリア
※ 実際の料金等については各社のサイトをご確認ください。

上り下り共に随分速度が出るようになっています。また、各サービス月額5,000円前後で、決して安いとは言えませんが、飲み会や外食を数回我慢すれば手が届きそうな範囲です。

2009年3月に行われたデータ通信カードの顧客満足度調査では、通信速度やエリアの満足度はもちろん、ショップやアフターサポートの満足度も調査されていて、参考になります。

http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/market-news/contents/column/column40-2.html

では、さっそく各サービスの特徴を見ていきましょう!

■ 各サービスの特徴

<NTTドコモ>
NTTドコモのサービスは、他サービスと比べて利用料が高めになってしまいますが、FOMAサービスエリアで利用でき、カバーエリアは圧倒的です。

長野県の蓼科の森で使ってみたというレビューも。圏外になってしまうiPhone 3GSを横目にYouTubeもUstreamも使うことができたようです!
ASCII.jp:ドコモ「L-05A」によるデータ通信は生活の何を変える? (1/5)|松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」

カバーエリアの広さと合わせて注目したいのが「FOMAハイスピードエリア内では上り最大5.7Mbps」という点です。
FOMAハイスピード | 通信・エリア | NTTドコモ
ついつい下りのデータ転送速度に目がいってしまいがちですが、上りにも注意が必要です。上りの速度が十分でないと、なかなか添付ファイルのあるメールが送れないといったことありえます。5.7Mbpsという数字はベストエフォートとはいえ、安心感があるのではないでしょうか。

また、接続のためのデバイスは4種類用意されています。回転式USBコネクタが採用されているL05-Aの使い勝手がよさそうです。
http://www.nttdocomo.co.jp/service/data/foma/introduction/data_lineup/index.html
些細なことですが、コンパクトに折りたためないUSBタイプのデバイスは、パソコンからデバイスが飛び出す形で邪魔になったり、ケーブルを使って解消しようとすると少し間抜けな見た目になったり…といった問題があります。サービスと合わせてデバイスの形状のチェックも忘れずに!


<au>
auのサービスエリアで通信可能で、ドコモ同様、サービスエリアの広さを特徴としてあげることができそうです。また、auの携帯を使っている方には割引も。
http://www.au.kddi.com/packetwin_teigaku/service/waribiki.html
ただ、割引が適用される場合でも5,000円以上で、通信速度も突出したものではなく、同じ価格帯のドコモと比べると見劣りしてしまいます。デバイスの点では、USBタイプのものがラインナップになく、一般的に利用しやすいとは言い難いです。また、最近のレビューはあまり見当たらないようです。


<SoftBank>
ドコモやauのように携帯電話事業者ならではのサービスエリアの広さを期待できるかというと、SoftBankの場合必ずしもそうではありません。「データ定額ボーナスパック」では、定額通信用のSIMカードと従量通信用のSIMカードを利用シーンに合わせて使い分けることになり、定額通信用のSIMカードで通信できるエリアはかなり限定的です。
http://mb.softbank.jp/mb/data_com/service_area/flat/
従量通信であれば広いエリアで使用可能ですが、他サービスが定額制ということを考えると、使い勝手がよいとは言えません。また、上りがベストエフォートで384kbpsというのも心配なところ。

デバイスの面では、Pocket Wifiがラインナップにある点は特筆すべきですが、EMOBILEでもPocket Wifiを選ぶことができ、あえてSoftBankのサービスに固執することはなさそうです。


<EMOBILE>
定額の高速データ通信といえば、EMOBILEを思い浮かべる方も少なくないと思います。カバーエリアが都市部に偏っている点を除けば、通信速度、デバイスのラインナップ、料金など多くの点で魅力的と言えそうです。筆者はEMOBILEを利用して2年になりますが、都市部から出た時に圏外になってしまう、都市部でも微妙に圏外になることがあるなど小さな不満はあるものの、たいていの場所では使えてその利便性に満足しています。

デバイスの選択によっては下り21Mbpsを実現することも可能で、他サービスに対するアドバンテージと言えます。
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMIT00000024082009
また、単独で動作して、その場に無線のインターネットアクセス環境を作れるPocket Wifiも検討してみてはいかがでしょうか。
http://emobile.jp/pocketwifi/
IEEE802.11b/gに対応した機器であれば、Pocket Wifiを通して最大5台同時にインターネットにアクセスできます。打ち合わせから複数人でのゲームまでさまざまなシーンで活躍してくれそうです。


<WILLCOM>
ドコモのFOMAネットワークを利用しており、サービスエリアは広くなっています。通信速度の点では上りが384kbpsと他サービスと比べて見劣りしてしまいますが、月額0円から利用できるプランがあり、頭金と実質負担額0円で手に入るデバイスがある点は特筆すべきです。
https://store.willcom-inc.com/ec/faces/lstlscp002746/
初期コストを抑えたい方、毎月利用するわけではないけれど何かあった時のために手元に置いておきたいという方は検討してみる価値がありそうです。


<UQコミュニケーションズ>
モバイルWiMAXという技術で、下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsを実現しています。さらに、他サービスと比べて価格が低めに抑えられていて、1年契約や2年契約といった長い期間のしばりもないようで、魅力的と言えます。

昨年のサービス開始直後にはサービスエリアやつながりにくさを指摘するレビューも見られましたが、エリア整備は着実に進められているようです。

エリア拡大が急速に進行中、高速で安価な次世代高速通信サービス「UQ WiMAX」を徹底解剖 - GIGAZINE
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20100308/1031184/

行動範囲での利用が可能であればかなり強力な選択肢になります。普段出かけるエリアを調べてみてはいかがでしょうか。
WiMAX(ルーター)のサービスエリア|UQ WiMAX(ルーター)|【公式】UQコミュニケーションズ
UQ WiMAX エリア - みんなでつくるUQ WiMAXマップ


<b-mobile>
Doccica U300は通信速度が上限300Kbpsに制限されているためメガ単位の高速な通信はできないものの、10ヶ月間3Gネットワークとホットスポットを使い放題、デバイス代とプロバイダ代すべて込みで32,800円。FOMAネットワークを使っていることから、サービスエリアにも期待が持てます。

FOMA網とHOTSPOTを定額で利用できる――日本通信の「定額ドッチーカ」 - ITmedia Mobile

記事によると

 通信速度はWi-Fi環境では最大54Mbps(対応規格により異なる)、3G環境ではベストエフォートの上り下りとも300kbps超となる。ドコモやイー・モバイルの、1Mbpsを超える通信速度には及ばないものの、メールやWebアクセス、Twitterなどの利用は快適に行えるとしている。

とのことで、軽めの利用だったら高額のデータ通信サービスを契約しなくてもDoccica U300で事足りるかもしれません。資金的な制約がある場合の選択肢となりそうです。

■ まとめ

モバイルデータ通信サービスを一通り見てきましたが、いかがでしたでしょうか。サービスエリアと通信速度の観点からは、少し高くなってしまってもNTTドコモ、都市部での利用が中心であれば、少し安価にサービスを提供しているEMOBILEも候補になりそうです。また、新しくはじまったUQ WiMAXにチャレンジしてみるという手も。デバイスとしては複数のマシンでネットワークを共有できるPocket Wifi型のものがおもしろそうです。

また、家電量販店では、小型のノートPCとのセット販売で通信用デバイスの値段を大幅に割り引いていることも。ネットで購入する予定の方もぜひ一度店頭をのぞきに行ってみてください。お得なキャンペーンに発見できるかもしれません!

各サービスをひとつずつ追って長くなってしまいましたが、本コラムがモバイルデータ通信サービスを使い始める際の参考になることを願っています。

The photo by Ed Yourdon.

文: イノアキ

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