「お客様は神様です」といえば、歌手の三波春夫さんがステージ上で語っていたことで有名なフレーズ。色々な場面で耳にするおなじみの言葉ですが、現在では本来の意味とは異なった使い方をされることが多くなっているようです。三波さん自身が考えていたこの言葉の意味とは、一体どのようなものだったのでしょうか?はてなブックマークでは、公式サイトで語られたその答えに注目が集まっています。
▽「お客様は神様です」について
「三波春夫オフィシャルサイト」のこちらのページでは、「三波本人の真意とは違う意味に捉えられたり使われたりしていることが多くございます」とした上で、スタッフが「お客様は神様です」の本来の意味について綴っています。
まず「お客様」については、あくまでも三波さんのステージを見に来る「聴衆・オーディエンス」という意味であり、彼の歌を楽しみに聞きに来てくれるファンの人達を指しているとのこと。しかしこのフレーズが知られるようになってから、主に商店や飲食店などサービス業の世界でも広く使われるようになり、「お客様は神様なんだから!」とクレーマーの恰好の言い訳として使われることが多くなってしまいました。このような真意と離れた使い方には三波さんもスタッフも心を痛めていたそうで、それについては「サービスする側を見下すような人たちには、様は付かないでしょう。」と厳しい口調で綴られています。
またこの言葉の意味については三波さん自身が取材の際に聞かれることも多く、その際には次のように語っていたそう。三波さんの「歌」に対する思い入れが伝わってきますね。
「歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って、心をまっさらにしなければ完璧な藝をお見せすることはできないのです。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです」
言葉だけが一人歩きし、間違った意味合いで認識されることが多くなってしまったこのフレーズ。はてなブックマークのコメント欄では、「「お客様は神様です」の真意/演者と聴衆が一体化したときのSomething wonderfulな状況を『神』と表現したワケね。」「フレーズだけが有名になりすぎた 」「こういう意味だったのか。真意は伝わりにくいよなあ。。」「客と店は、あくまで対等。客を選ぶ権利だって有る。だから、選んでもらえないような客だけにはなってはいけない。」といった声が集まっていました。