厚生労働省は1月30日、職場における「パワーハラスメント」の定義を発表し、報告書をネット上で公開しました。パワーハラスメントの対象には、上司から部下への行為だけでなく、同僚間や部下から上司への行為も含むとのこと。報告書では、パワーハラスメントに当たる具体的な行為を6つの類型に分けて提示しています。
▽ 職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告 |厚生労働省
▽ 職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告(PDF)
▽ 職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告 参考資料集(PDF)
職場でのいじめやパワーハラスメントが近年の社会問題として顕在化していることを受け、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ(WG)」は2011年7月から、パワーハラスメントの現状や解決策について議論していました。WGが取りまとめた報告書では、以下の行為を「職場のパワーハラスメント」と定義しています。
同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為
さらに、職場のパワーハラスメントに当たる行為として、6つの類型を挙げています。
- 暴行・傷害(身体的な攻撃)
- 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
- 隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
- 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
- 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
- 私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)
報告書にはこのほか、職場のパワーハラスメントの現状とその影響、予防や解決策の一例などがまとめられています。今後「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」では、この報告をもとに議論し、3月をめどに問題の予防や解決に向けた提言を取りまとめる予定としています。