国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は4月26日(木)、声と鼓動で話し相手の存在感を伝える抱き枕型の通信メディア「ハグビー」を発表しました。頭部に携帯電話を入れ、抱きかかえて通話することで、お互いに存在感を伝え合います。
▽ HIL
▽ http://www.atr.jp/html/topics/press_120426_j.html
ハグビーは人の形を模したビーズクッションです。本体を抱きかかえた状態で、頭部のポケットに携帯電話を入れて通話すると、相手の存在を感じながら対話できます。内部にはバイブレータが備え付けられており、相手の声の大きさなどと同調して振動が変化します。ハグビーという名前は英語で「抱く」の意味を持つHugと、フランス語で「Life」の意味を持つvieをあわせた造語で、「命を抱く」という意味が込められています。
開発を主導したのは、ATR石黒浩特別研究室の石黒浩さんです。ATRのこれまでの研究開発で、アンドロイドを抱きかかえたり、 握ったりしながら対話し、「聴覚だけでなく触覚も通して相手の情報を得ることが相手の存在感を強く感じる効果的な方法である」ことが分かってきたそうです。ハグビーはこの効果に着目し、 声と振動のみの情報伝達という単純なデバイスでありながら、「人らしい存在感を伝達するための必要最小限の要素を具現化した」とのことです。
ハグビーの発表にあわせて、石黒さんのデザインの根源とその発展を紹介する「H. Ishiguroデザイン展」がヴイストン ロボットセンター東京秋葉原店で開催されています。期間は4月27日(金)~5月27日(日)です。デザイン展ではハグビーに加え、遠隔操作型アンドロイドの「ジェミノイド」や「テレノイド」などを展示します。
バイブレータなしのハグビーは、ヴイストン ロボットセンター東京秋葉原店とヴイストンのオンラインショップで販売中です。価格は携帯電話ポケットのあるものが4,935円、ないものが3,990円です(ともに税込)。バイブレータを備えたハグビーの販売は計画中とのことです。