明治から昭和にかけて撮影された東京の風景などをまとめたWebサイト「昭和からの贈りもの」が、はてなブックマークで注目を集めています。写真の多くは、サイトを運営する元宝塚歌劇団員、鞠村奈緒さんの伯父が撮影したもの。プロではなく“カメラ好きな少年”の目線で捉えられており、関東大震災の混乱や、上野公園の景色などが映し出されています。
▽ 昭和からの贈りもの
「昭和からの贈りもの」で紹介されているのは、宝塚歌劇団の星組に所属していた鞠村さんの伯父、平井寛さんが保管していた写真。平井さんが住んでいた古い家を取り壊した際に、約2,000枚が見つかったそうです。
大正7年に5人兄弟の長男として生まれた平井さんは、長らく東京・上野桜木で生活していました。初めてカメラを手にしたのは尋常小学校4・5年生の時で、機種は当時流行していたというボックス型のカメラ「トーゴーカメラ」だったそう。その後は「ベビーパール」やドイツ製の「ベストポケットテナックス」などを使用し、家族や東京の景色を撮り続けました。ベストポケットテナックスは当時、1台で郊外の家が買えたほど高価なものだったそうです。
写真は、撮影された時代ごとに7章に分けて掲載。家の庭先での1シーンや、上野周辺の景色、行楽地での様子などを、鞠村さんによる解説で紹介しています。明治時代の生命保険の領収証や、大正12年(1923年)に発生した関東大震災で人々が避難する様子、昭和初期の薬のチラシなどの貴重な資料も見られます。
写真以外には、平井さんが使っていたカメラや、平井さんの家で古くから使用されていた3段重ねの弁当箱も紹介されています。明治~昭和時代の出来事を振り返るコンテンツもあり、各時代の背景を知ることも可能です。貴重な資料の数々に、はてなブックマークのコメント欄には「これは素晴らしいね。その時の空気や匂いを感じられる」「凄い貴重な画像データベースだと思う。感服」「おもしろい!時間があっという間に過ぎていってしまう!」といった感想が集まっています。