ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は5月7日(水)、地球上で最も人口密度が高い場所として香港に存在した「九龍城砦」の特集コンテンツを公開しました。2014年で、すべての建物が撤去されてから20年。サイトでは街の仕組みや当時の住人へのインタビューが見られるほか、内部の様子を紹介する動画や写真、九龍城砦をテーマにした映画や文芸作品などをピックアップしています。
▽ 九龍城砦
▽ 【読者投稿】九龍城砦:あなたの声をお聞かせください - Japan Real Time - WSJ
九龍城砦は、現在の香港・九龍に1994年まで存在した街の呼称です。無断居住者たちが集まる無法地帯だったというこの場所は1970年以降、香港の好景気とともに成長を遂げ、高層建築が密集する街へと進化していきました。1987年時点の総人口は約3万3000人。面積はFIFA規格のサッカー場4つ分に相当する約6.9エーカー、建物の数は約500棟でした。
WSJが公開した特設サイトでは、九龍城砦の謎と魅力に迫るドキュメンタリーや、街の内部を探索するように解説したさまざまなコンテンツを用意。街の内部は暗いトンネルのような路地でつながっており、建築家のスエン・ホーさんは九龍城砦を探索した印象について、動画の中で「まるで子ども用の巨大なジャングルジムのようだった」と語っています。
九龍城砦からインスピレーションを受けた作品の一覧では、神奈川県川崎市のゲームセンター「ウェアハウス川崎店」や、映画「バットマン ビギンズ」などが映像で紹介されています。九龍城砦に興味が湧いたら、これらの場所や作品を通して世界観に浸ってみるのもいいかもしれません。
はてなブックマークのコメント欄には「妙なロマンがあるよな……」「クーロンズゲート思い出した」「取り壊しが決定した2か月後に地図を完成させた人、悲しいな。でもその地図は取り壊されてから真価を発揮したともいえる、か」「ここの生活シミュレーターを誰か作ってくれないものか。入り浸っていたい」などの感想が集まっています。