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MIT Media Labからシリコンバレーのスタートアップ投資機関まで 「リクルート2週間アメリカ横断インターン」で得たものを参加学生たちに聞く



(※この記事は株式会社リクルートホールディングスによるPR記事です)

未来をハックせよ。夢に合わせて選べる3つのインターンシップ|リクルートホールディングス サマーインターンシップ 2014 未来をハックせよ。夢に合わせて選べる3つのインターンシップ|リクルートホールディングス サマーインターンシップ 2014

―― ということで、リクルートホールディングスさんの「GROWTH HACK IN US アメリカ横断インターンシップ」担当の東さんと、参加された学生さんにお集まりいただきました。

 リクルートホールディングスの東えり子です。企画から実際の行程までを担当しました。

―― 今回のインターンシップ、内容をざっと見てみると……

―― ……とまあ、ものすごく豪華ですよね。これは実現が大変だったのでは……。

 正直大変でした! 今年の春に「2WEEKS アメリカ横断 Workshop 2014」というワークショップを開催しまして、今回はその第2弾のようなイメージです。前回も私が担当したのですが、リクルートと関係性が深い企業や大学のご協力があってこそ、今回のプログラムが実現できました。例えば、MIT Media Labさんとは産学連携、IDEOさんや500 Startupsさんもそうですね……皆様に、多大なるご協力をいただいて本当に感謝の気持ちでいっぱいです。海外の第一線で活躍されている方は、どれだけ忙しくても、若者に未来へのチャンスを提供することに対して、好意的だと実感しました。

リクルートホールディングス-|2WEEKS アメリカ横断Workshop2014 リクルートホールディングス-|2WEEKS アメリカ横断Workshop2014(前回のワークショップ)

―― ちょっとやりすぎなくらい豪華に見えますね。

 今、活躍の舞台は世界です。日本の若い方たちには、高い志を持って日本から飛び立っていって、世界のいろんな人と出会って、それぞれの夢に挑戦してほしいんです。そんな想いで企画を進めてきました。いきなり真面目な感じになっちゃいましたが。今回参加した学生たちは、2週間という短い期間でしたが、目を見張る成長を遂げてくれたと感じています。今までの「自らの視野の中で生きる」ということから抜け出して、積極的に打って出て、学び、その過程で大きく変化したんだと思います。

■ 「海外に足を運んで、直接学ぶしかない」

―― 学生の皆さんも、自己紹介をお願いします。

小林 小林です。今回のインターンはアプリエンジニアが多かったですが、僕はサーバ側のエンジニアで、他の人に比べると分野が違う。研究室も、ネットワークとか、今はスパコンだったりとか。普段、研究室にいるだけでは出会えない個性の強いメンバーばかりで、刺激されて良い勉強になりました。

左から三橋さん、南谷さん、小林さん、東さん、梶谷さん

南谷 南谷です。学部ではコンピュータサイエンスを、今の研究室ではバイオインフォマティクスを。Pythonが好きで、ほかには学科公認のiOSアプリを作ったりもしています。今回のインターンは、日本のインターンの中でもハイレベルで、ここに通る人ってどんな人なんだろう?と考えて応募しました。仙台にいても、エンジニアでコード書けて、なおかつビジネス面でもバリバリ行動できる人って、周りにあんまりいないんです。だからこういう場所に集まる人と、一緒に行動してみたかったんです。

三橋 三橋です。普段はiOSアプリ開発などをやってます。まだ開発をするようになって1~2年です。僕は海外の大学院に行きたいと考えていて、どういう感じなのか実際に見たかったんです。もともとアカデミア志望で、ビジネスはあまり好きじゃなかったんですが、そのイメージがガラリと変わりました。ビジネスも面白い。あと、中学生のときにテレビでMITの石井先生を見て、すごいなと思ったことがあって、石井先生に会えるのも楽しみでした。

梶谷 梶谷です。僕は今回のインターンシップ参加者で唯一、エンジニアじゃないんです。グロースハックについて研究・情報発信をしていて、GMOのVC部門でセミナーしたり、AES(Ad Engineering Summit)っていうアドテクのカンファレンスで話したり。そんなわけで、今回のインターンも「グロースハック」が1つのテーマだったので、これは参加したい!と。日本ではまだまだグロースハックの事例がなくて、参考になる会社がないんです。だから実際に海外に足を運んで、海外のグロースハッカーから直接、学ぶしかないと思いました。

インターン中の様子その1。石井先生のお話を真剣に聞く三橋さん

―― 皆さんは、インターン内のグローサソン(グロースハック+ハッカソン)の優勝チームだとか。

 はい。優勝は2チームあって、1チームが小林くん、南谷くん、三橋くんのチーム。もう1チームが、梶谷くんと、今日は欠席の他2名のチームです。

―― 全部で12人が参加されたそうですが、全体的にどのような方が応募されていましたか?

 基本はエンジニアで、かつ起業経験があったり、ビジネス志向のある方が多かったですね。それから、英語力を持ち合わせている方が多かったです。

―― 対象も、講演やワークショップの内容も、全体的に「プログラミングだけでなくデザインやビジネスも」という印象を受けます。リクルートとしても、そのような人材が重要と考えているのでしょうか?

 そうですね。グローバルで活躍する人材にとって「プログラミング」「デザイン」「ビジネス」の3要素が大切であるという考えから、そのすべてを兼ね備えた人材に成長できるように、とプログラムを組みました。

■ アメリカに存在する「フレームワークの蓄積」

―― 学生の皆さんにお聞きします。すごく盛りだくさんなインターンですが、一番印象に残っている講演・ワークショップ・出来事を教えてください。

三橋さん

三橋 「人」が一番良かったです。参加学生メンバーもそうだし、帯同してくれたメンターのリクルートの社員さんも、向こうでお世話になったメンターの方々も。

―― 人ですか!

三橋 自分が何かをやりたい、成し遂げたいと思ったとき、踏まないといけないステップってたくさんありますよね。これを勉強しないととか。自分が思い描いている「やりたいこと」を一生のうちに全部やるのは、普通に考えたら無理なんだけど、そこをショートカットしてくれる存在が、一緒に話して勉強できる人だと思うんです。そういう人がたくさんいて、すごく良かった。

―― なるほどなるほど。

三橋 僕は結構、性格が悪いんで、ぼーっとしてる人はあんまり好きじゃないんです。「こういうことをやりたいのに、できない」とかいう人が、今回のインターンでは全然いなかった。みんな視野が広くてスマートで、かつ口だけじゃなくて、尊敬できる。もっと知りたい、と思える人たちに出会えたのが良かったです。

―― ありがとうございます。そう言われた他の皆さんはどうですか。

小林 そういう意味で言うと、僕は三橋くんとは正反対で、全然情熱的じゃなかったんですよね。スポーツとかも全然しないし……。だけど今回、グローサソンで自分のチームが優勝する過程で「初めて何かを達成した」と思えたんですよ。優勝した僕らの企画サービス、大元の案は自分のアイデアなんです。そこから始まって、本当に生まれて初めて「最後までやりきりたい」と情熱をもってやれました。そこが一番変わったかなあ。覚えてる? 優勝した後、ビールかぶって、みんなでハイタッチして。あのときは達成感があった。

梶谷 うんうん。

小林 あとは、講師で印象的だったのはスプツニ子!さんですね。僕は音楽もやるんですけど、彼女は数学というバックグラウンドを持ちつつ芸術をやってる、まさしくMITのアンチ専門分野主義を体現している方だなと。今回のワークショップを通じて、さまざまな講師の方やリクルートの社員さんにお会いして、グローバルで活躍している人は、1つにとどまらず多くの専門分野で強みを持っていると感じました。

梶谷 Pivotal LabsのJanice Fraserさんが印象に残ってますね。僕は常々、日本のスタートアップはどうしてアメリカに勝てなかったりするのかっていうのを考えているんです。だって、個々のプレイヤーの能力では負けてないし、日本人の方が勤勉だしプログラミング能力も高いじゃないですか。その答えは3つあるんだなってこのインターンで分かったんです。彼らは、「リスクは内包しているものだと考えてる」「誰かが頑張ってたら周りが助ける」「フレームワークが全然違う」んだと感じました。アメリカではスタートアップの歴史が長いから、その中でフレームワークの蓄積がすごい。特にJaniceはフレームワークについてすごく強調してきたんです。日本のVCで、サービスをグロースするためのフレームワークの話をすることってあんまりないですよね。

インターン中の様子その2。Janice Fraserさんの話を熱心に聞く小林さんと梶谷さん

三橋 ああ、それだと僕は、Lean Startup Machineのワークショップが良かったな。実際に街を歩く人々にインタビューしてみる経験は学ぶものが多かった。内容自体もそうだけど、実際に街に行ったから学べたことも多かったです。例えば、ITのスタートアップというとシリコンバレーのイメージが強いと思うのですが、ニューヨークでのスタートアップの動きを肌で感じることができたんです。東京はニューヨークに似てるけど、サンフランシスコとは違う。そんな中で、活躍している起業家や投資家たちがサンフランシスコじゃなくてニューヨークにもいるんだから、東京ももっといけるよなって感じました。

―― 他に、例えば「参加する前と後でこう変わった」などある方はいますか?

南谷さん

南谷 僕は、このまま仙台にいていいのか危機感を覚えました。早く東京に引っ越して、もっともっと貪欲に人と触れ合って、ものを作ったりビジネスをしたりしないと、と強く思いました。インターンに参加する前と後で一番変わった部分は、そこかなと思っています。

梶谷 向こうの人は、マインドが全然違うな、と思いました。僕はもともと前のめりで自分からがつがついく方だと思っていたんですが、いざ向こうの人と接してみたら、自分は全然たいしたことないな……と。アメリカでは、自分が大きな声で主張しないと、その人は存在しないも同然。例えば新しく住宅関連のサービスを始めるなら、自分から速攻でcraigslistのCEOに会いにいかないといけない。そういうのが当たり前の中で戦って、すごく変わりましたね。

―― それは分かります。特にシリコンバレーで働かれている方は、そういう印象が強いです。……ちなみに、ご飯はどの都市がいちばん美味しかったですか?

梶谷 サンフランシスコが一番、美味かった!

三橋 東海岸はダメだった!

一同 (笑)

■ 「自分がチームでどう立ち回れば良いか」

―― 今回集まったのはグローサソン優勝2チームですが、チームはその場で作ったんですか?

 リクルート側で全体感を見つつ、各個人に期待するものを込めて、インターン途中に発表しました。出発する前に仮で組んであったんですけど、実際にインターンを進めていく中で、ひとりひとりを見て、夜な夜な組み替えて……。

三橋 チーム、すごく良かったです。バランスが良かった。

インターン中の様子その3。グローサソン中

―― グローサソンのテーマは?

 「成長エンジンを組み込んだ、ITイノベーションを用いたビジネスモデルの提案」です。グローバルでスケールするものを、という条件も付けました。

―― それぞれの案をブラッシュアップして、最終審査→事業化へと進めていくんですよね。どんなビジネスモデル、サービスなのか教えてもらえますか?

梶谷 優秀だけど、やりたいことを諦めているような学生と、優秀な学生を求めている企業とをマッチングするサービスです。世界中で、優秀な学生なのに、お金がなくて行動を制約されてるっていうことがあるじゃないですか。奨学金も十分に機能してない部分がある。僕自身も、いろんなものを諦めてきました。それをなくしたいんです。

小林さん

―― 実体験に基づいたアイデアなんですね。小林さんチームは?

小林 誰でも簡単におしゃれになれるサービスです。簡単に服選びができる、買い物を間違えない……というものです。実際に街に出てインタビューしたり、友達にネットやテレビ電話でアンケートやインタビューをしたりしました。

―― ファッションのサービスですか! チームで取り組む上で、苦労したことはありましたか?

梶谷 個性の強いメンバーの中でアイデアを1つのカタチにするのに苦労しました。他のメンバーは、1人は喜多という博士で、とてもクレバーで良い意味で頭がイっちゃってる。もう1人は留学生のWangというやつで、質問が鋭い。で、喜多がひたすらアイデアを発散して、僕がファシリテーターとして収束させて、固まりかけたところで、Wangが「こうじゃない?」って鋭く指摘して、作って壊してを延々やった。期間内で6~7回ピボットして、最後までなかなか決まらなくて、「これは終わったな」と思ってました。でも、壊した数だけ、良いものになるんだな、って分かりました。

梶谷さん

―― なんだか大変そうですね……。グローサソンでこんなものを得た、というのも教えてください!

南谷 リーンスタートアップを実践として学べたのが良かったですね。今までエンジニアとして、コードを書くことが大切で、それで初めてプロダクトやサービスの評価は検証できるんだと思ってました。でも、コードを書く前の段階で、ビジネスとして成功するかどうか、高いレベルで検証できると分かったのは、エンジニアとしてすごく良かったです。余分なコードを書かなくてもいいってことですから。あと、インタビューの大事さを感じました。自分は人の意見を聞かずに「こうだ」というのを作るタイプだったけど、インタビューをすると、仮説と違うことが本当に多い。

三橋 僕も参加するまでは、何か作ろうとするとすぐコードを書いてたけど、書く前にやることはいっぱいあるんだと知りました。そして、それが結局ゴールへの近道になる。それから、チームでどう立ち回れば良いかということも学びました。これまで何か意見を言うときは、自分の中でいったん検閲してたんですけど、このチームでは2人が止めてくれるのが分かって、それからは検閲せずに何でも言って。自分がチームでどう立ち回れば良いか、よく分かりました。

―― なんだか聞いていると、チームの3人の組み合わせがうまいことハマっていますね。東さん、狙い通り、という感じですか?

 その人の根っこをちゃんと見る、というのは、普段からリクルートでやっていることです。例えば小林くんは、バランス感はあるけど、もっと突き抜けてほしい、俺が引っ張るんだという意識を持ってほしいという期待を込めて。南谷くんは、自分の考えをしっかり持っているタイプだったので、他の意見も取り入れながらどう着地点を見つけるかという部分を学んでほしいと。三橋くんは、もっと自分の持っているものを、何も気にせず爆発させられる状態が作れたら良いなと考えて、こういうチームにしました。

―― ばっちりですね。チームの組み合わせで、ここまで引き出せるんだ、という感じです。おつかれさまです。

インターン中の様子その4。スタンフォード大学にて

■ 「エンジニアならリクルートには入るな」のイメージが変わった

―― 参加された皆さんは実際のところ、リクルートへの印象は変わりましたか?

梶谷 正直、営業の会社だと思ってました! Webのイメージはあんまりなくて、オールドファッションなやり方で、人海戦術で大きな売り上げを上げてるイメージでした。でも今回のインターンで、それが変わった……というより、変えるために、全社的にものすごく努力してるんだな、と感じました。

―― ふむふむ。

梶谷 海外のアジャイル系の優秀な人をメンターに迎えて、最新のスタートアップの事例を取り入れて、それを全社に浸透させていく努力をものすごくしてる。この規模になると、なかなか会社の体質って変えづらいと思うので、それに本気で取り組んでいて、ボトムアップの体質に変えていってるんだなってびっくりしました。

南谷 インターンに行った先でも、リクルートの現地の社員さんがどんどん関わってきてくれる。リクルートはこれだけの人が海外に行って仕事してるんだ、想像以上にグローバルだと実感できましたね。

小林 参加する前に、ある教授に「君、エンジニアならリクルートには入るな」って言われてたんですよ。

一同 (爆笑)

小林 そういう会社だと思ってたけど、想像よりもエンジニアを大切にしていて、グローバルで活躍していたり、自ら企画して作れちゃう魅力的なエンジニアの方が多かったですね。参加して社員さんと話してみたら、働いてみたい会社だなと感じました。社員さんと実際に話してても最近、変わってきたってよく言ってますね。

 うれしくて泣きそう……。

小林 すぐ泣くんですよ、東さん。

 最後にサプライズされて……。

小林 このインターンが終わった後に、おつかれさまの意味を込めて東さん向けのムービー作って最終日に流したら泣いちゃって。

―― イイハナシダナー。良い話で終わるのは悔しいので、インターン中の失敗談を聞いて終わりましょうか。

梶谷 一応、優勝チームのリーダーではあったけど、チームをまとめるっていうことができなかったのは悔しいですね。起業を考えているんですけど、リーダーシップというところをもっと考えないといけないです。

小林 僕はお酒がすごい弱いんですけど、ワーク終了後、テンション上がってワインを飲み続けてたら、気付けばベッドの上……。シューマイを食べた後から記憶がない。あと、ニューヨークにいる旅行者に街頭インタビューをするっていうことがあって……。

一同 ああ!

小林 すごく可愛い女の子がいたので、個人的に連絡先を聞いたんですけど、後でみんなに怒られました……。

―― イイハナシダッタノニナー。それでは皆さん、引き続きビジネスプランのブラッシュアップに忙しいと思いますが、頑張ってください。いずれ事業化されるのを、楽しみにしています!

リクルートホールディングスはこの冬も全5種類のインターンシップを開催します。応募締め切りは2014年11月16日(日)まで(一部コースを除きます)。詳しくは以下のサイトをご覧ください。

RECRUIT HOLDINGS-リクルートホールディングス-|インターンシップサイト RECRUIT HOLDINGS-リクルートホールディングス-|インターンシップサイト

■ 10月29日 追記

インターンシップのレポート動画が公開されました。こちらもぜひご覧ください。

RECRUIT アメリカ横断 インターンシップ GROWTH HACK in US 2014.09 - YouTube

[PR]企画・制作:はてな
写真:佐藤麻紀(座談会)、リクルートホールディングス(インターン中の様子)
文: 深山こよみ