[PR]Chrome ウェブストア日本版スタート! はてブディレクターがGoogleに聞いてみた

(※この記事は、グーグル提供によるPR記事です)

――今日はお時間いただき、ありがとうございます。はてなブックマーク ディレクターの長山です。

北村 Googleの北村です。よろしくお願いします。

——よろしくお願いします。今日はGoogle Chromeや、日本版がスタートしたChrome ウェブストアの話が聞けるということで、とても楽しみです。事前に少しお聞きした話だと、HTML5のすごいデモも見られるとか……。ということで、まずは簡単に自己紹介をお願いできますか?


Google 北村英志さん

北村 私はずっとソーシャルWeb周りのことをやっていたのですが、GoogleとはOpenSocialのGoogle API Expertとして関わってきました。そのつながりで誘われて、現在に至ります。いまの肩書きは「デベロッパーアドボケイト」で、イベントで講演したり、開発パートナーさんのところに行って「こんな新しい技術がありますよ」「こんなアプリを作ってみませんか」と話したりしています。デベロッパーさんを盛り上げる役目ですね。

ワンポイント用語集

ソーシャルWeb - ソーシャルメディアやソーシャルアプリケーションなどに代表される近年のWebの潮流や、それを支える技術の総称。

OpenSocial - Googleが中心となり提唱されたソーシャルアプリケーションの共通API仕様。

Google API Expert - GoogleのAPIやツールに精通した開発者。コミュニティへの貢献度、技術知識、コミュニケーション能力の3つの要素を基準にGoogleと既存API Expertの推薦で選ばれる。

■ ChromeがWebをプラットフォーム化する

——まずはChromeの話からお聞きしたいと思います。実は僕自身、普段からChromeを使っています。カスタマイズをするのが大好きなんですが、初めてChromeを触ったとき、「あ、もうカスタマイズしなくていいな」って思ったんです。もともと上の方のバーがコンパクトにまとめられていて、画面を広く使えるし、軽くて速いし。

北村 「シンプルに」という点はとても重要視しています。画面を広く使えるように、というのもChromeのコンセプトの1つですね。

——仕事をするうえでも、開発ツールがついてるし、拡張も豊富で、自分用のユーティリティもサクッと書けるので重宝しています。社内でも、サービスのプロトタイプとしてChrome拡張をよく作っています。

北村 JavaScriptで書けますからね。

——ということで、個人的にはChromeは非常に便利に使っているのですが、Googleとして、Chromeが他のWebブラウザと違うところはどこなのでしょうか?

北村 一番は「Webアプリケーションを重要視している」という点です。Chromeは、リリース当時に停滞感のあったWebの世界を、ドラスティックに進化させるために生まれました。Webをプラットフォームとするための土台作りですね。

——Webのプラットフォーム化を進める上で、重要なポイントは?

北村 3つあると思っています。1つ目は「スピード」です。Webアプリケーションであることを意識しないレベルのスピードが求められます。Chromeは「V8」というJavaScriptエンジンを積んでおり、処理速度を追求してきました。最初のリリース時点から速かったと言われますが、Chrome 10で搭載された「Crankshaft(クランクシャフト)」という技術によって、さらに速くなっています。

 2つ目は「クラウドとの連携」です。例えば、Chromeのブックマークや設定などは、複数のPC間で同期できます。自宅とオフィスのPC間での連携や、PC買い替え時の移行が格段に楽になります。

 3つ目は「自動アップデート」です。Chromeは、Webブラウザそのものや拡張機能のバージョンアップ時に、ユーザーが何かする必要がありません。勝手にアップデートされていきます。もし脆弱性が見つかった場合も、ユーザーが何もしなくてもアップデートされるので、安全です。

■ 「Web全体を良くする」のがChromeのビジョン

——確かに、Chromeを使っていると、気付かないうちにアップデートされていますね。あれは便利です。ではGoogleは、ChromeでWebをプラットフォーム化していって、その先にどんなビジョンを描いているのでしょうか。

北村 「Web全体を良くする」のがChromeのビジョンです。Chromeだけで動くアプリケーションをたくさん作ればそれでいいや、ということであれば、プラグインを使ってどうにでもできます。でも、それでは意味がありません。最終的には、どんなWebブラウザでも、もっと良くなったWebの世界を体験できるのが理想です。そのために、Googleは業界全体と協力してHTML5を推進し、Web標準そのものを良くしていこうと努力しています。

——ChromeがHTML5を引っ張っていく!

北村 もちろん「私たちだけが」というわけではありませんが、ChromeがHTML5を引っ張ってきた部分はあると思っています。例えば、Google Gearsの位置情報送信機能やオフライン機能は、もともと独自機能だったのですが、HTML5に盛り込むことで標準化されました。

——なるほど。確かにオフライン機能なんかは、Webアプリケーションにとって重要なポイントですよね。

ワンポイント用語集

HTML5 - HTMLの5回目の改訂版。HTMLは1999年にバージョン4になってから、長らくバージョンアップされていなかった。2014年の勧告を目指しているが、既に対応を進めているWebブラウザも存在する。Chromeもその1つ。

Web標準 - World Wide Web Consortium(W3C)という標準化団体が勧告している、WWW関連の規格。誰にでも見やすいWeb環境を実現するために必要であると言われている。

Google Gears - Googleが2007年にベータ公開した、GmailなどのWebアプリケーションをオフラインで扱えるようにする技術。2010年に開発を停止し、以降オフライン機能はHTML5に組み込む方向で開発が進められている。

■ HTML5で、リアルな魚たちがブラウザ上を泳ぐ

——HTML5の話が出たので、そこをもう少し詳しくお聞きしたいです。はてなブックマーク上でも、HTML5の話はすごく人気があります。ちょっとバズワードっぽいですが、今後も存在感を増していく技術だと思います。HTML5によって、Webはどう変わっていくのでしょうか?

北村 2つあると思います。まず「セマンティックWeb化が進む」ということ。そして「リッチになる」ということです。セマンティックWebとは簡単に言うと、Webに存在する言葉や文章の意味、構造などを機械が理解して、情報収集や分析を行えるようにするというアプローチのことです。

——ここは本文で、これは補足情報で……とタグを付けて機械が判別していく、という世界観ですね。

北村 そうです。もう1つはリッチ化。こちらの方が一般ユーザーさんにとっては分かりやすいですよね。イベントなんかでも、デモを見せると盛り上がります。例えばグラフィック。canvasやSVGによって、HTMLやJavaScriptだけで絵を描いたり動かしたり。従来のプラグインでは難しかった3DもWebGLで実現できます。デモをお見せしますね。

——おお! すごい!

北村 正真正銘、ブラウザ上で動いてます。

——これ、その場で計算して描画してるんですよね。

北村 そうですそうです。リアルでしょう、クラゲ。こないだ水族館に行ったらクラゲがいて、「あ、ブラウザで見たやつと同じのがいる!」って(笑)。

——Webで見たのと一緒だ!っていう(笑)。

北村 「Aquarium」という、水槽で泳ぐ魚たちの3Dデモも公開しています。ChromeでこのURLを開いてもらうと見られますよ。

——ブラウザだけで見られる、というのが信じられないですね。

北村 実は1つ裏技があって、キーボートの「L」を押すと……。

——あっ、サメがレーザー出した!(笑)。

北村 WebGLのデモは他にもたくさんあるので、見てみてください。このURLで見られます。

ワンポイント用語集

WebGL - Web上で3Dグラフィックを表示させるための標準仕様。

■ Webブラウザでバンド活動?

——ここまでリアルだと、ネイティブアプリとか、普通にゲーム機とかでやっているリアルなゲームも、Webブラウザでいけそうですね。すごい。

北村 こうした「セマンティック化」と「リッチ化」に加えて、Chromeは「ネイティブアプリに負けない機能」というのを押し出しています。傾きをWebブラウザが検知したり、位置情報を通知したり……。クラウド連携を前提としたWebアプリケーションというのも、その一環です。

——個人的にお気に入りのAPIとかってありますか?

北村 Web Audio APIがすごく好きなんです。昔、ミュージシャンをやっていたことがあって、パソコンで作曲をしていました。で、シーケンサーを自分で作ってみたいなーと思っていたんですが、Web Audio APIがあれば作れるんです。趣味でちょっとずつ作っています。Chromeを全画面にしてあげると、ネイティブアプリと見た目は変わらなくなります。

——僕もバンド活動をしたいなと思ってて、でも普通の楽器じゃ面白くないし、こういう仕事をしているので、Webブラウザだけで演奏したいなーと思っていました。夢が実現しそうです!

北村 WebSocketと組み合わせると、リアルタイムに音のやり取りができるので、さらに可能性が広がりますね。

——逆に、HTML5の現状の課題はありますか?

北村 標準化というのは大体そうなのですが、時間がかかります。HTML5の勧告は2014年を予定しています。仕方ないこととはいえ、なかなか進まないというのは課題ですね。もう1つは、標準化したあと、でもこのWebブラウザでは対応していません、ということになったりすると……。

——うーん、そういう状況はしばらく続くんでしょうね……。

北村 プログレッシブ・エンハンスメントが重要になっていくと思います。これは「どんなユーザーに対しても、どんなWebブラウザを使っていても、基本的な情報の提供や体験を同様に実現する」という考え方のことです。

ワンポイント用語集

シーケンサー - ここでは、演奏データを作成し、自動演奏を行うソフトウェアのことを指す。CubeseやLogicが有名。

WebSocket - リアルタイム通信を実現するための、ネットワーク用の通信規格の1つ。

■ Chrome ウェブストア日本版スタート! 北村さんのオススメアプリは?

——ではそろそろ、Chrome ウェブストアの話に移りましょう。Googleが考える「Webアプリケーションとネイティブアプリケーションの違い」は何でしょう?

北村 一般ユーザーさんにとっては、むしろ「違いがあってはいけない」と思っています。ネイティブアプリと同じことが、ブラウザだけでできる、ということが重要です。

——Webアプリだと意識させない、ということですか。

北村 その通りです。その上で、クラウドとの連携を前提とした、新たな価値を提供していくのがWebアプリケーションの重要なポイントだと思います。一方、開発者向けという観点で言えば、従来のWeb開発者が持っていたノウハウに、少しプラスアルファするだけでネイティブアプリケーションに近いことができる、というところが大きなポイントです。

——確かに今回、公式 Chrome ウェブアプリ「はてなブックマーク」を作っていて、Web開発の延長線上でいけたのは嬉しかったですね。

——いよいよChrome ウェブストア日本版がスタートしたわけですが、先行していた海外版の状況はいかがですか?

北村 評判は良いですよ。例えば、「Todo.ly」というToDo管理アプリは、ウェブストアに出した後、ユーザー数が3週間で780%増えたという……。

——すごい伸び方ですね……。

北村 プレゼン作成アプリの「SlideRocket」や、フローチャートとかマインドマップを作れる「LucidChart」なども人気が高いですね。

——北村さんのおすすめアプリはありますか?

北村 メモ帳アプリの「ScratchPad」は便利なのでよく使っています。シンプルで使いやすいし、Google ドキュメントと同期してくれるんですよ。あとは定番ですが、Twitterクライアントの「TweetDeck」。従来のAdobe AIRアプリとは別に、Chrome ウェブアプリ用に一からデザインを作り直しています。「Read Later Fast」もいいですね。これはいわゆる「あとで読む」アプリです。

■ 「Webサービス」ではなく「Webアプリケーション」を——Chrome ウェブストアが切り開く未来

北村 実はウェブストアからの流入は、ほかの流入元に比べてサインアップ率が高いという傾向もあるんです。

——より積極的なユーザーが集まっている、ということなんでしょうか?

北村 Chrome ウェブアプリには「インストール」という概念があります。Webなんだけど、ネイティブアプリケーションと同じようにインストールしてもらうんですよ。Webサイトに何となく流れ着くのと、明確にインストールするのとは、まったく違うことだと私たちは考えています。アプリをインストールする人というのは、何かしらの期待値を持ってウェブストアのページを訪れて、アプリの内容やレビューを確認した上でインストールする。だからサインアップ率が高いんです。「『ウェブストア』といっても、ただのWebサービスのリンク集ではないか」と言う人もいるんですが、まったく違うものなんですよ。

——あくまでアプリケーションであり、インストールしてもらうことが前提なんですね。すると、開発自体はWebの延長線上にあるけれど、デザインについては大きく変わりますよね。はてなブックマークも、全画面でアプリケーションっぽく見えるようにデザインを工夫しました。

北村 そうですね。「Webサービスを元にするのではなく、ネイティブアプリケーションを元にしてアプリのデザインを考えてください」といつもパートナーさんにお願いしているのですが、デザイン以外の面でも、海外版のノウハウを提供して、より良いアプリケーションが増えればいいなと思っています。

——海外では課金もやっていますよね。日本版では……。

北村 最初は無料のみですが、有料アプリも出せるようにしていきますよ。

——とても楽しみです。最後に、GoogleがChrome ウェブストアに込めた想い、みたいなものがあれば、ぜひ教えてください。

北村 Webブラウザだけでいろんなことができるようになりました、だけではダメだと思っています。重要なのはアプリ。だからこそ、GoogleはChrome ウェブストアを通じて、「探しやすい」「繰り返し使ってもらえる」「マネタイズ」という、アプリにとって重要な3つの要素を実現していきたいと思います。

——さっそく、ウェブストアで面白そうなアプリを探してみます! 本日はありがとうございました!

[PR]企画・制作:はてな
写真:赤司聡