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産総研、放射性セシウムを効率的に回収する技術を開発



産総研:土壌中のセシウムを低濃度の酸で抽出することに成功
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110901k0000m040119000c.html

東日本大震災に伴って起きた福島第一原発の放射性物質漏えい事故により、多くの放射性物質が環境中に放出されました。主に放出された放射性物質のうち、半減期が約2年のセシウム134と半減期が約30年のセシウム137を人為的に無害化するのは難しいとされています。対策として、放射性セシウムの濃度が高い土壌を除去し、管理された区域に廃棄するといった方法が考えられています。しかし、このやり方では1800万トン以上もの土壌を廃棄しなければならないという問題がありました。

産総研が新しく開発した手法は、酸水溶液によるセシウムイオンの抽出を行い、顔料のプルシアンブルーを吸着剤として利用することで、抽出した水溶液からセシウムを回収するというものです。セシウムを含んだ土壌を圧力容器に入れ、200倍の重量の希硝酸を加えて200度で45分間加熱すると、ほぼ100%のセシウムイオンを抽出できたとのことです。抽出した溶液をプルシアンブルーの微粒子で吸着したところ、ほぼ100%のセシウムを回収できたそうです。

また、回収率は下がるものの、この2つの工程を接続し、連続で処理することも可能だそうです。これによって、放射性セシウムの処理効率が上がり、廃棄する土壌の量を大幅に減らせるとのことです。産総研は今後、コストの削減や実用化へ向けた実証試験を行いたいとしています。

はてなブックマークのコメント欄には、「産総研やりますね。“自然減少を待つ”以外の可能性が示されただけでも希望に満ちているニュースです」「鳥肌たった!これは攻殻機動隊の“日本の奇跡”を連想させる記事だ。早く実用化してくれ!」といった感想が寄せられています。

文: 古関崇義

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