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NHK大河、手塚アニメ、シンセサイザー、そして初音ミク――音楽家「冨田勲」の偉大な足跡まとめ


■ NHKから世界へ、イサオ・トミタの足跡

<NHK大河ドラマや手塚治虫さんのアニメの楽曲を制作>


プロフィール| 冨田勲 | 日本コロムビアオフィシャルサイト
冨田勲 - Wikipedia

冨田さんは1932年、東京生まれ。慶応義塾大学在学中からNHKの音楽番組の仕事に携わり、後にNHK大河ドラマ「花の生涯」「天と地と」など計5作品の音楽を担当しました。

1966年には手塚治虫さん原作のテレビアニメ「ジャングル大帝」「リボンの騎士」の音楽を制作。他にもNHKのテレビ番組「新日本紀行」「きょうの料理」などの数多くの楽曲を手掛けました。

<シンセサイザーと『月の光』で世界のイサオ・トミタに>


山本勇、冨田勲、YMO──日本の電子音楽をめぐって:松山晋也|WIRED.jp

その後、冨田さんはシンセサイザーと運命の出会いを果たし、モジュラー式のモーグ・シンセサイザーを個人輸入します。これまで見たこともないような異形の「楽器」の扱いに四苦八苦しながらも、冨田さんは1974年にシンセサイザーを使ったアルバム『月の光』をアメリカのRCAレコードから発表しました。

クロード・ドビュッシー作曲の「月の光」「アラベスク第1番」「ゴリウォーグのケークウォーク」などをシンセサイザーで再構築したこのアルバムは、ビルボード・クラシック・チャートで1位を獲得し、日本人として初めてグラミー賞(しかも4部門)にノミネートされました。それ以降、『展覧会の絵』『火の鳥』『惑星』などのシンセサイザーによるアルバムを複数リリースし、冨田さんは「イサオ・トミタ」として世界的な評価を得ます。

Isao Tomita - Wikipedia(英語版Wikipediaの「Isao Tomita」のページ)

<「YMO第4の男」の師匠>


RA: Isao Tomita: Moogへの夢想

同時期、冨田さんのもとに、1人の人物が足しげく通うようになります。後にイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のシンセサイザー・マニピュレーターとしてレコーディングや世界ツアーに参加する「YMO第4の男」、松武秀樹さんです。松武さんは冨田さんに“弟子入り”し、シンセサイザーを教わりました。

冨田さんは松武さんとの対談の中で、個人輸入したモーグ・シンセサイザーが「今の価格で1000万円くらい」だったことや、代表作『月の光』の制作秘話を紹介。松武さんは「Y.M.O.のスタジオでは、冨田先生の音がどう作られているのか、みんなで分析しましたよ」と語っています。

<立体音響「トミタ・サウンドクラウド」>


http://www.geocities.jp/nasu_fantasia/t_cloud.html

1984年、オーストリア・リンツ市のドナウ川において、冨田さんは立体音響を体験するイベント「トミタ・サウンドクラウド」を開催、8万人の聴衆を音で包み込みました。この立体音響イベントはその後、ニューヨークやシドニー、そして日本の岐阜県・長良川などでも行われています。長良川では、歌手のスティーヴィー・ワンダーさんも出演しました。

以降も伝統楽器とオーケストラ、そしてシンセサイザーを組み合わせたオリジナル作品『源氏物語幻想交響絵巻』のリリースや、映画「たそがれ清兵衛」の楽曲制作など、多彩な活動を行っています。

■ 今なお現役! 冨田さんの最近の活動&今後の予定まとめ

<相次ぐリメイク盤&“幻のライブ”をCD化>

『惑星』『月の光』のリメイク盤を発売するなど、冨田さんはここ数年も活発に活動しています。

惑星(プラネッツ) Ultimate Edition

惑星(プラネッツ) Ultimate Edition

月の光 Ultimate Edition

月の光 Ultimate Edition

2011年には、DOMMUNEが主催する音楽イベント「FREEDOMMUNE 0<ZERO>」で、太陽の黒点から出る電波を受信した音「ドーン・コーラス」を使ったライブを行う予定でしたが、イベント自体が荒天で中止に。その代わり、幻となったライブを形にしたCD『PLANET ZERO』がリリースされました。


interview with Isao Tomita - 音に色を塗る | ele-king

PLANET ZERO?FREEDOMMUNE○ZERO session with DAWN CHORUS

PLANET ZERO?FREEDOMMUNE○ZERO session with DAWN CHORUS

<9/7深夜、タモリ倶楽部でシンセを実演!>


冨田勲が『タモリ倶楽部』に出演! - CDJournal ニュース
冨田勲と松武秀樹が「タモリ倶楽部」で初期型シンセ実演 - 音楽ナタリー

9月8日(土)午前0時20分(7日深夜)から、テレビ朝日系列「タモリ倶楽部」に冨田さんが出演します。松武さんと一緒にモーグシンセを実演するとのことなので、これまで冨田さんを知らなかった方も、冨田さんが“演奏”する姿を見られるチャンスです。

<「イーハトーヴ」交響曲で宮沢賢治の世界を再現。共演は初音ミク>


http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1227743
冨田勲新制作「イーハトーヴ」交響曲世界初演公演 | Billboard Classics | Billboard-CC

11月23日(金・祝)には、宮沢賢治さんの世界をイメージして冨田さんが制作した「イーハトーヴ」交響曲の世界初公演が、東京オペラシティ コンサートホールで行われます。大友直人さんが指揮を務め、日本フィルハーモニー交響楽団と混声合唱団、総勢約300人によって演奏されるこの公演では、ボーカロイド「初音ミク」が“共演”することが発表されています。公演はライブ収録され、2013年1月にリリースされる予定です。

いち早くシンセサイザーという新しい「楽器」を導入し、世界をアッと言わせた冨田さんは、80歳となった現在も、さらに新しい挑戦を続けようとしています。どんな公演になるか、今から楽しみですね。

文: 深山こよみ

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