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アプリにモリサワフォントを組み込んでデザインの底上げを――アプリ・ゲーム向け新製品の舞台裏



(※この記事は、株式会社モリサワによるPR記事です)

「モリサワフォント」は、株式会社モリサワさんが開発・販売しているフォントです。デザイナーさんであれば、お世話になったことのある方も少なくないでしょう。

はてなでも、モリサワフォントのお世話になっています。例えば、はてなブログで2015年に実施した「はてなブログ大賞」のバナーでは、モリサワフォントの「すずむし」を使用しました。

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そんなモリサワフォントのアプリ・ゲーム制作者向けの新製品「MORISAWA App Tools ONE」と「MORISAWA App Tools」が登場しました。これまでスマートフォンアプリへのモリサワフォントの組み込みは個別の契約が必要でしたが、それが自由に使えるようになったとのこと。担当のおふたりにお話を伺うべく、モリサワさんのオフィスにお邪魔しました。

MORISAWA App Tools ONE | 株式会社モリサワ MORISAWA App Tools ONE | 株式会社モリサワ

■ アプリでもフォントの表現を試してもらいたい

青木友裕さん

── ということで、まずは自己紹介をお願いします!

青木 フォント営業部フォント営業課の青木友裕です。普段は販売代理店さんにモリサワの製品を販売していただくためのパートナーセールスをしています。最近はフォントの市場を広げるための新製品づくりにも参加しており、最近ですと、株式会社SIXさんの『リリックスピーカー』に、モリサワフォントを搭載するお手伝いをしました。

モリサワフォント7書体が、歌詞が見えるスピーカー「Lyric Speaker」に搭載 | ニュース&プレスリリース | 企業情報 | 株式会社モリサワ モリサワフォント7書体が、歌詞が見えるスピーカー「Lyric Speaker」に搭載 | ニュース&プレスリリース | 企業情報 | 株式会社モリサワ

菊池 エンタプライズ営業部TypeSquare営業課の菊池諒です。メインはTypeSquareというWebフォントの拡販で、最近では、さくらインターネットさんの「さくらのレンタルサーバ」利用者の方がモリサワのWebフォント30書体を無料で使える、という協業企画を担当しました。

モリサワとさくらインターネットが協業し、無料でのWebフォント導入を実現 モリサワとさくらインターネットが協業し、無料でのWebフォント導入を実現

── 今回の「MORISAWA App Tools ONE」と「MORISAWA App Tools」がどんな製品なのか、概要を教えてください。

青木 これまで、アプリへのモリサワフォントの組み込みは個別の契約が必要でした。「MORISAWA App Tools ONE」は、アプリへの直接組込みをOKとしたのに加え、アプリ制作のための画像化プロモーションのための画像化・印刷まで、全部で341書体をご利用いただけるようにしたサブスクリプション(年契約)の製品です。1年間・1PCにつき72,000円(税抜)でご提供します。

菊池諒さん

菊池 「MORISAWA App Tools」の方は、アプリごとに書体を選択してご利用いただく製品です。1アプリ1書体につき500,000円(税抜)でご提供します。アプリの配信期間中は契約の更新は不要です。

── これまでの「モリサワパスポート」では、アプリへの組込みはできなかったんですね。

菊池 モリサワパスポートでもアプリで「フォントを画像として」ご使用いただくことは多くありました。ただ、やはりフォントデータを直接組み込みたいというご要望も非常に多くありました。使用許諾範囲がゲーム業界に適していない、組込みでサブスプリクション製品が欲しい、という声が、今回の製品化につながりました。

青木 毎回のように画像化する制作の工数も減らせます。今回の製品では、TrueTypeフォントを採用し、文字セットを限定することで容量を小さくしています。特にiOSの場合、アプリの容量が100MBを超えるとWi-Fi環境でなければダウンロードできなくなります。軽量化したフォントを組み込めるようにしたことで、この課題に対応しました。

菊池 もともとモリサワパスポートは印刷や広告業界をメインのターゲットとする製品でした。今回は、それとは違い、アプリやゲーム業界をターゲットとした使用許諾範囲の製品をご用意しました。

青木 アプリ開発に使うものなので、スピード感が欲しい、という企業さんもいらっしゃいましたね。個別契約になってしまうと、どうしても契約書を結ぶ段階で時間がかかってしまいます。簡素化して、パッケージ化してほしいというご要望にもお応えできるようになったと思います。

■ 341書体入りの年契約モデルで「自由に組み合わせて使ってみて」

── 特にどのようなアプリを想定されていらっしゃるのでしょう。製品概要を拝見した限りでは、ゲームアプリを意識されているのかな、と感じましたが。

青木 おっしゃる通り、ゲームアプリは意識しています。とはいえ、教育系コンテンツでよく使われる書体や、ユニバーサルデザインに対応した読みやすい「UD書体」も入っていますので、教育系、メディカル系、ライフスタイル系など、幅広いアプリで力を発揮するはずです。

UD書体 | モリサワのフォント | 株式会社モリサワ UD書体 | モリサワのフォント | 株式会社モリサワ

青木 我々としては、さまざまなフォントが入っておりますので、いろいろなアプリでよりデザイン性を高めていただきやすいツールです、と説明しています。

── 「MORISAWA App Tools ONE」と「MORISAWA App Tools」の使い分けは、どのようなイメージでしょうか。

菊池 買い取り版の「MORISAWA App Tools」は、既にリリースされているアプリに新たにこの書体を使いたい、といった場合にご利用いただくのがオススメです。サブスクリプションの「MORISAWA App Tools ONE」の方は、1PCごとの年間契約なので導入しやすいと思います。まだユーザーの手応えが分からない新しいアプリの開発や、外部の開発委託会社さんを含めた開発体制を採用される場合にご利用いただくのがオススメです。さらに、「MORISAWA App Tools ONE」では、アプリのプロモーションに使用する画像などを制作する場合にもそのままご利用いただけます。

── こんなフォントが入っていてオススメですよ、などはありますか?

青木 なるべく「こういうときは、このフォントがオススメ」とは言わないようにしているんです。そうすると固定観念が入ってしまいますから。デザイナーさんに自由にイメージをふくらませてほしいんです。

── なるほど、このフォントはこういう用途向け、と言わないことで、自由に使ってください、ということですね。

青木 はい。よくコックさんに例えています。今日の料理ならどこどこ産のこのピーマンが良いとか。「MORISAWA App Tools ONE」には341書体が含まれていますので、自由な発想で、いろいろな組み合わせでお使いいただきたいと思っています。

プレスリリースに使われている画像でもゲームを意識した文言が目立つが、おふたりは「さまざまなアプリで自由に使ってみてほしい」とのこと

■ 「社内提案制度」を通じて3ヶ月でリリース

── 製品作りの裏側についても少しお聞きできればと思います。リリースにあたって大変だったことはありますか?

菊池 実は今回の製品は、着手から3ヶ月で製品リリースまでこぎつけたんです。

── 3ヶ月!

菊池 普段モリサワでは新製品のリリースには2年くらいかけるのですが、今回は要望が大きかったこともあって、とにかくスピード感を持ってリリースしようと努力しました。「社内提案制度」というものがありまして、そこに私が応募したところから始まりました。

菊池さんに「もう購入申込みが来てますよ!」と言われ、「良かったー」とホッとする青木さん(取材はリリース日の午後に行った)

── お客さんからの要望をもとに社内制度に応募したんですね。今回3ヶ月でリリースできた要因はなんだったんでしょうか。

菊池 青木さんの情熱です!

青木 えっ!?

菊池 お客様のことを考えて、とにかくこの製品をいちはやく提供したいと思っていたんです。それと、自分の仕事の領域を超えて協力してくれるタイプのメンバーを集めて取り組めたのも大きかったと思います。「これは自分の仕事ではない」みたいな壁を打ち破れる人たちですね。

── 特別プロジェクトメンバーって感じでかっこいいですね。『シン・ゴジラ』の「巨災対」みたい。

菊池 最後に、経営陣の後押し。社内提案制度で承認を得られたので、どんどんプロジェクトを進めることができました。

青木 今回のようなプロジェクトの立ち上がり方は弊社では珍しいですね。このスピード感でリリースとなった例は他に無いと思います。

菊池 最初は「えっ、それうちの部署の仕事じゃないでしょ」と言われてしまうこともありましたが、最終的には、いかにこの製品がお客様に求められているかを伝えて、社内の人を巻き込むことがうまくできたと思っています。

── それだけニーズが強い、いけるはず、ということが社内にも伝わったんですね。

取材現場に金属活字を持ってきていただいたので、思わず撮影してしまいました(現在のフォント作成には金属活字は使用していないとのこと)

── 今回の製品という形では素早いリリースでしたが、実際のフォント作り自体、とても大変なものと思います。

青木 そうですね。1ウェイトのフォントを作り上げるまでにはだいたい1~2年はかかりますし、何十人ものスタッフが関わります。フォントファミリーをそろえると3~5年はかかります。モリサワフォントはすべて、手書きから作り始めるんです。デザイナーが方眼紙に形を起こして、並べたときのバランスを目視でチェックして、バランスが悪かったらやり直します。

── 文字を並べたときのバランスも!

青木 はい、熟語も重要なんです。文字は単体ではなく熟語で成立するので、そのバランスも考える必要があります。フォントというのは、デザインを壊してしまうものであってはいけないので、本当に力を入れて作っています。自信をもって使っていただけるよう、最高のクオリティで提供できるようにしています。

■ デザインクオリティの底上げに使ってみてほしい

── 最後に、この製品に込めた思いや、この製品を通じてアプリ・ゲーム市場がこうなってほしい、などあれば教えてください。

「モリサワ」ロゴを持つおふたり

青木 いろいろなアプリやゲームが、世界規模でどんどん普及しています。本製品が、その拡大の一助になればと思っています。デザインにこだわりたい、でも最初にそこまでお金がかけられない……そういった方々に、モリサワフォントを使っていただきたいと思います。世界で戦う一助にと、今後は日本語以外のフォント追加も予定しています。

菊池 フォントって、スイッチングコストが低い割に、デザインクオリティをぐっと上げられるものだと思っているので、たくさんのアプリやゲームのデザインクオリティの底上げにつながると嬉しいですね。

青木 まずは使ってみてください。「MORISAWA App Tools ONE」にはたくさんのフォントが入っていますので、いろいろ試していただきたいと思っています。ご利用いただければ、デザインがぐっとよくなることを実感いただけると思います。

菊池 発売キャンペーンということで、「MORISAWA App Tools ONE」を2017年1月31日までにお申し込みいただくと、初年度1年間・1PCにつき、通常72,000円(税抜)のところ、60,000円(税抜)でご提供いたします。ぜひご利用ください!

── ありがとうございました!

[PR]企画・制作:はてな

文: 深山こよみ