「はてなエンジニアの愛用キーボード調査」後編では、アンケートで特に人気だった上位3機種「Happy Hacking Keyboard」「MacBook Pro内蔵キーボード」「kinesis(Contoured Keyboard)」を愛用中のエンジニアに取材。各機種の使い心地や一押しポイントを聞きました!
■ 前編で発表したアンケート結果をおさらい
前編では、はてなエンジニアに向けて実施したキーボードについてのアンケート結果を発表しました。「仕事用にメインで使っているキーボード」を尋ねたところ、「Happy Hacking Keyboard」と「MacBook Pro内蔵キーボード」が同率1位、2つ合わせて回答全体の75%を占めるという結果に。外付けキーボードを使わず、ノートPC内蔵のキーボードをそのまま使っている人も多いようです。
▽ はてなエンジニアの愛用キーボード調査(前編) HHKB、Kinesis……人気上位は意外な結果に!? - はてなニュース
■ 人気の3機種、実際の使い心地は?
アンケート結果をもとに、上位3機種の愛用者に話を聞きました!
<肩も指もリラックスして操作できる、Kinesisの赤軸モデル>
Kinesisの「Advantage USB Contoured Keyboard」を6年ほど愛用しているというのは、はてなブログチームのWebアプリケーションエンジニア・id:hitode909です。
「以前はHappy Hacking Keyboardを使っていたんですが、指の疲れや肩凝りが気になってKinesisに乗り換えました」とのこと。最初に購入したのは軽いスイッチ感がある茶軸モデルでしたが、それでも指の疲れが気になり、よりタッチの軽い赤軸モデルに変更。指に負担のない柔らかい打ち心地と、楽な姿勢で打ち続けられるおわん型キー配列のおかげで、今はまったく疲れないそうです。
「最初は全然慣れなくて、チャットの発言がめちゃくちゃ遅くなってしまいました」という独特のキー配置
おわん型にくぼんだエリアに、キーが縦一列に配置されているContoured Keyboard。一見とても打ちにくそうに見えるものの、手の関節の動きに合わせて設計されているので、慣れればとても楽に打てるそうです。普段はMacBook Airの“ペチペチ”したキーボードを使っている筆者も少し触ってみましたが、柔らかくて“ぐにゃっ”とするような、不思議な押し心地でした。
配列は英語のみ。エンターキーやコントロールキーなどは親指で打てるように配置されています。キーの位置を好きに割り当てられるリマップ機能が搭載されているので、自分の使いやすい位置に変更することも可能です。
キーボードの機能を使って、すぐ「LGTM」できるようにも設定しているそう
<MacBook Proのキーボードは、打鍵感もキーピッチも好み!>
予想以上に多数派だった“MacBook Pro派”。このキーボードが気に入って5年以上愛用し続けているというMackerelチームのセールスエンジニア・id:a-knowに、気に入った理由を聞いてみました。
セールスエンジニアという職種柄、他の人のキーボードを触る機会も多く「できるだけ標準のもので一定以上のパフォーマンスが出せる」ことを重視しているというid:a-know。MacBook Proのキーボードは2016年秋に新モデルが出る前からのお気に入りで、ストローク浅めの打鍵感、キーピッチ、音のいずれもが好みだそうです。気に入りすぎて、家のデスクトップPC用に“MacBook Proのキーボードに似ている外付けキーボード”を探してしまうほどだったとか。
会社で使っているのは旧モデルのMacBook Proですが、プライベート用には12インチのMacBook新モデルを購入。「新モデルはキー1つ1つが大きく、より薄くなったので、さらにフィットする感じで使いやすくなりました!」と大絶賛でした。また以前はタイピングが我流だったそうですが、「そのままだと新モデルのキーが打ちづらくて、タイピングを直すいい機会になりました」というエピソードも。
キーストロークがさらに浅くなり、なでるような感触で使えるというMacBook新モデル
<エンジニアの憧れ、Happy Hacking Keyboardの無刻印モデル>
続いては、外付けキーボードで最も人気が高かったHappy Hacking Keyboard。学生時代から10年以上愛用しているという2人のエンジニア、id:tarao・id:wtatsuruに話を聞きました!
「中学生の頃にPC雑誌で見かけたHappy Hacking Keyboardにずっと憧れていたんです。当時は英語配列のキーボード自体をあまり見たことがなくて」と語るのは、はてなブックマークチームのWebアプリケーションエンジニア・id:tarao。学生時代にアルバイトを始め、憧れの1台を手に入れたそうです。
当時から愛用しているという「Happy Hacking Keyboard Professional2」の英語配列、無刻印モデル(墨)。研究室の教授がこの無刻印モデルを使っているのを見て、あまりのかっこ良さに買うならこれと決めていたそう。PFUのサイトでも、エキスパートモデルとして紹介されています。
見た目のかっこ良さだけでなく「静電容量無接点方式」のスイッチにも惹(ひ)かれたとのこと。底に当たることのないソフトな押し心地で、快適に使えます。コンパクトなサイズ感や、Aの左にコントロールキーがある配列もお気に入りポイント。
“ぽこぽこ”するような独特の押し心地が癖になりそう
そしてはてなのインフラチームを束ねるWebオペレーションエンジニア・id:wtatsuruが愛用しているのは、Bluetooth版の「Happy Hacking Keyboard Professional BT」。こちらもid:taraoと同じく、英語配列、墨の無刻印モデルです。
学生時代からずっとHappy Hacking Keyboard Professionalシリーズを使い続けていたところ、Bluetooth版の発売を知って即購入を決めたそう。「最初はワイヤレスの利点ってどのくらいあるんだろうと思っていたんですけど、ケーブルの抜き差しが不要で、ちょっとした位置調整も楽になり、最高です」と絶賛でした。同じ姿勢が続いて腕が疲れたときなど、すぐに位置を動かせるのはうれしいところです。
「以前は墨の刻印ありモデルを使っていたんですけど、ほとんど(キーを)見ないので無刻印に変えてみました」とのこと。クレジットカード番号を打つときだけはちょっと気を使うそう
Happy Hacking Keyboardの打鍵感が好きで10年以上使い続けているというid:wtatsuru。ストローク深めで指に負担の少ない押し心地は、Bluetooth版でも従来通りです。
<(番外編)HHKB&MBPで“擬似セパレートキーボード”>
はてなエンジニアのキーボード事情について調査していたところ「インフラチームに相当変わった使い方をしている人がいるらしい」という情報が飛び込んできました。
#LGTM @LGTMCamera 擬似セパレートキーボードの様子 pic.twitter.com/N4krzBCnCx
— Masayoshi Wada (@masawada) 2016年7月12日
(はてなブログチームのWebアプリケーションエンジニア・id:masawadaが撮影)
……!?!?!?
思わず二度見してしまう光景が飛び込んできましたが、左手でHappy Hacking Keyboard、右手でMacBook Proのキーボードを打っているのは、Webオペレーションエンジニアのid:dekokun。2台のPCを同時に使っているのではなく、あくまでも1台のPCを2つのキーボードで操作しています。
詳しく聞いてみると「以前はHappy Hacking Keyboardを使っていたんですが、だんだん肩凝りが気になってきたんです。それで半年くらい前に『ErgoDox』(左右に分かれたセパレートタイプのエルゴノミクスキーボード)を買おうかなと思ったんですが、その前にセパレートタイプってどんなものかなと、手元にあったキーボードで試してみたのがきっかけです」とのこと。その使い心地が予想以上になじんでしまい、ErgoDoxを買うまでもなくそのまま定着したそうです。左右別々なので、自然な腕のポジションでタイピングできます。
配列はどちらも日本語派だそう
以前から気分によってHappy Hacking KeyboardとMacBook Proのキーボードを交互に使っていたこともあって、左右で打ち心地が違う点はまったく気にならないそう。「私自身は特に打ち心地にこだわりもないので、むしろ面白いですね。見た人が驚いてくれるのも良いです」と話してくれました。ちなみに左手がHappy Hacking Keyboard、右手がMacBook Proと決めているわけではなく、これも気分によって入れ替えるそうです。
定番から意外な使い方まで、「はてなエンジニアの愛用キーボード調査」前後編をお送りしました。新しいキーボードを探している人は、ぜひ参考にしてみてください!
PFU HHKB Professional BT 無刻印/墨(英語配列) PD-KB600BN
- 発売日: 2016/04/12
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PFU HHKB Professional BT 無刻印/白(英語配列) PD-KB600WN
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