読書の秋に、何かテーマを決めてじっくり読書に取り組んでみたいという方におすすめしたいのが「科学・技術の読み物」。近寄りがたく見えるジャンルですが、ひとたび足を踏み入れてみると、好奇心を刺激する良書に出会えます。本記事では科学・技術の読み物の中から、多くのはてなブックマークを集めている書籍を3冊ピックアップして紹介します。
たくさんのブックマークが寄せられている「科学・技術の読み物」を集めてみると、コンピュータ、生物学、数学、物理学、脳科学、宇宙など、各分野の良書が勢ぞろいしました。
- ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち
- 生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)
- フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
- 数学ガール (数学ガールシリーズ 1)
- その数学が戦略を決める
- いかにして問題をとくか
- 完全独習 統計学入門
- 単純な脳、複雑な「私」
- ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)
- 眠れなくなる宇宙のはなし
ブックマークを集めた書籍だけあって、難しいテーマでも読みやすく、著者のユーモアに思わずニヤリとしてしまうものも。この中からピックアップすればアタリは間違いなし。ここでは、『ハッカーと画家』、『その数学が戦略を決める』、『ご冗談でしょう、ファインマンさん』の3冊を取り上げます。
■ 『ハッカーと画家』 ポール・グレアム 著 / 川合史朗 訳
- 作者:ポール グレアム
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: 単行本
プログラマでエッセイストのポール・グレアムさんによるエッセイ集です。2010年の初めに、2ちゃんねるの「グーグルで働いてるけど何か質問ある?」というスレッドで、「文系にも理系にも『ハッカーと画家』は読んでもらいたいです」と紹介されたことから注目を集めた本書。
▽ グーグルで働いてるけど何か質問ある? - ブラブラブラウジング
世界の本質を語る痛快なグレアム節に触れたら、世界はもう以前と同じようには見えないはずです。著者のウェブサイトや、エッセイの邦訳を集めたサイトで、エッセイの一部を読むことができます。
■ 『その数学が戦略を決める』 イアン・エアーズ著 / 山形浩生 訳
- 作者:イアン・エアーズ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/11/29
- メディア: 単行本
計量経済学者のイアン・エアーズ氏が、大規模データを解析して物事を予測する「絶対計算」を紹介した一冊。絶対計算はワインの質をも予測してしまいます。
ワインの質 = 12.145 + 0.00117 x 冬の降雨 + 0.0614 x 育成期平均気温 – 0.00386 x 収穫期降雨
本書では、ワインの質の予測にはじまり、政策立案、医療など、様々な分野で絶対計算を利用する様子が紹介されます。今までにない大規模データを集積・利用できるようになった今、拡大する絶対計算を利用したビジネス。数式や数学用語を飛ばして読んでも、今までにない新しいビジネスの数々に好奇心を刺激されることでしょう。
■ 『ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉』 リチャード P.ファインマン 著 / 大貫昌子 訳
- 作者:リチャード P. ファインマン
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/01/14
- メディア: 文庫
ノーベル物理学賞を受賞したことでも知られる物理学者のリチャード P.ファインマンさんが、自らの若き日を語った書籍です。堅苦しい理系図書ではないので、「科学はちょっと…」という人もご安心を。自由な発想と真理を追究したいという思いから生まれるいたずらや奇行の数々に、思わずニヤリとしたら、科学はすでに身近な存在に。
他にも、『困ります、ファインマンさん』『聞かせてよ、ファインマンさん』というユニークなタイトルの姉妹図書が岩波現代文庫から出版されています。すっかりファインマンさんのファンになってしまった!という人は手に取ってみてください。
はてなブックマークで注目を集めている「科学・技術の読み物」をピックアップして紹介してきました。科学や技術が大好きという人も、ちょっと苦手という人も、秋の夜長にこのジャンルの書籍を読んでみてはいかがでしょうか。
The Photo is by "hashmil".