クラウドプラットフォームのトレンドのひとつに、オープンスタンダードによるAPIなどの共通化、互換性の確保という動きがある。IoTのような新しい技術動向がビジネスに与える影響に対応していく必要もある。このような変化に、クラウド業界はどのように対応しているのだろうか。GMOクラウドの担当者に、同社が提供しているパブリッククラウド「ALTUS(アルタス)」の特徴や機能、戦略について聞いてみた。
(※この記事は、GMOクラウド株式会社提供によるPR記事です)
対応してくれたのは、ALTUSの企画・サービスプランなどを担当した石田勝彦氏、立ち上げプロジェクトからの設計・構築メンバーで現在は主に運用を管理している片柳勇人氏、サービス運用部でパブリッククラウドサービスの全体を見ている廣田峰雄氏の3名だ。
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■ マルチクラウドのニーズに合わせ、プラットフォームをCloudStackにリプレイス
廣田 峰雄さん
GMOクラウド株式会社
サービス運用部 システム運用セクション
パブリッククラウドグループ チーフ
Webサイトでのクラウド利用はもはや常識となりつつある。クラウド利用が広がるにつれ、要求されるサーバーの仕様(CPU能力、ストレージ容量、OS環境など)も多様化してきており、ひとつのシステムやサービスを構築するために複数のクラウドサービスを連携させる動きが活発化している。
このような動きをGMOクラウドではどのように捉えているのだろうか。
廣田氏は、「さまざまなところでクラウドシフトが叫ばれていますが、従来からのレンタルサーバーやホスティングのニーズに根強いものがあります。GMOグループとしては、この領域のビジネスは依然として大きいものです」と言う。クラウド利用は広がっているが、ホスティングやオンプレミスの全面的なシフトではなく、活用場面が広がっているという認識をすべきだろう。
石田 勝彦さん
GMOクラウド株式会社
企画開発部 企画グループ
同社のパブリッククラウドサービスは5年ほど前からスタートしている。当時のサービスの特徴は、サーバーインスタンスを提供するというより、CPUやメモリ、ストレージを提供するという「リソース型」。ユーザーは確保したリソースの中で、サーバーの構成などを自由に設定できる点が評価されていたという。
しかし、変化への対応を迫られた。石田氏は「プラットフォームが独自だったため、外部サービスのAPI連携がしにくいといった問題が浮かび上がってきました。背景には、クラウドのオープン化という流れから、さまざまなクラウドを自由に組み合わせるマルチクラウドのニーズが高まってきたことがあります」と説明する。
そこで、3年前からプラットフォームをCloudStackという標準的なクラウド基盤ソフトウェアにリプレイスすることにした。CloudStackは、多くのベンダーやプロバイダーが採用するオープンソースクラウドだ。
■ 幅広いサイト構築に対応可能な「Basic」「Isolate」2つのシリーズ
現在、ALTUSには2つのシリーズがある。
- リソースを自由に変更でき、コストカットに最適なBasicシリーズ
- VLAN環境を標準搭載し、高度なセキュリティ環境の構築にも対応するIsolateシリーズ
GMOクラウド ALTUS(アルタス)「シリーズ比較」ページより
Basicシリーズは、サーバーのリソース単位での契約が可能で、データ転送料がかからない。さらにPlesk(プレスク)というサーバー管理ツールがあり、コマンドを使わなくてもサーバーの管理が可能であるため、個人や中小企業などのWebサイトやホームページの運用などに活用しやすい。最新バージョンのPlesk12.5では、無料のSSLサーバー証明書も可能となり、コストを抑えてのWebサイトの信頼性向上が実現できるようになった。
Isolateシリーズは、ファイアウォール、ロードバランサー、ポート転送、リモートアクセスVPNとして機能する仮想ルーターを持ち、27サイズのスケーラブルなサーバーを利用できる。仮想ルーターによってVLANを構成できるので、サーバーサイズと組み合わせてさまざまなシステムに対応可能になっている。本格的なECサイトや業務システムの構築など、中小企業から大企業までエンタープライズ用途に対応する。
なお、Basicシリーズ、IsolateシリーズともにCloudStackのAPIに対応しているので、CloudStack準拠の外部クラウドとの連携も問題ない。AWS(Amazon Web サービス)互換のAPIを利用する場合は、BasicシリーズのAWS互換サーバーを利用する方法もある。
■ ALTUSプロジェクトでベンダーロックインを解決
片柳 勇人さん
GMOクラウド株式会社
サービス運用部 システム運用セクション
パブリッククラウドグループ
ALTUSのプロジェクトをスタートさせた理由は何か。片柳氏は「それまでのパブリッククラウドは、OSや開発環境、セキュリティ機能やネットワーク関連機能など、契約したクラウドが用意しているもの、対応しているものをメニューから選ぶしかありませんでした。つまり、パブリックといいながら、ベンダーロックインの問題が常にありました」という問題点を指摘する。
「オープンなクラウドプラットフォームを実現したい」という理由でスタートさせたのが、ALTUSプロジェクトだ。CloudStackを採用した理由は、当時から企業系の採用、オープンソースプロジェクトへのコミットが多く、サービス開始までのスピードアップと品質向上が期待できるからだという。
GMOクラウドとしては、それまで運用してきたクラウドプラットフォームをリプレイスするわけだから、ALTUSの開発作業は大変だったようだが、片柳氏を含む7名のコアメンバーはそれを成し遂げた。
■ ALTUSこだわりのポイントは「変化の激しい市場に柔軟に対応」
ALTUSがオープンであることは、冒頭で述べたマルチクラウド対応といった現在の市場ニーズに応えるために重要なポイントである。他にも、スピード経営や変化の激しい市場に対応できるように注意している点もある。
まず、オープンソースの特徴として、機能追加のバージョンアップやセキュリティパッチなどが頻繁に行われる。新しい機能はなるべく対応したいので、ALTUSではCloudStackのリリースへの対応もしっかり行う運用ポリシーを採用している。もちろん、バグフィックスや既存機能への影響などを検証したうえでのバージョンアップを行っている。物理レイヤーでは、ストレージのSSD化も進めており、レイテンシの安定化もこだわっているポイントのひとつだ。
そして、APIによるクラウド連携、サービス連携が進むと、「今後はIaaS、PaaSといった形でのリソース提供、SaaS的なソフトウェア、サービスの提供が広がる」(廣田氏)とし、ALTUSでは、証明書オプション、管理ツールの拡充、そして導入支援、セキュリティサービス、監視・復旧サービス、といったマネージドサービスにも力を入れていくという。
- IaaS/PaaS/SaaSといったクラウド利用が主流になりつつある中で、GMOクラウドは2015年12月からクラウドポータルサイト「SaaStart」を運営。Webセキュリティ診断の「SiteLock」や遠隔バックアップの「torocca!」といったプラットフォームに左右されないSaaSソリューションの提供を行っている。
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[PR]企画・制作:はてな
取材・構成:中尾真二