日本語でPCを使う際に欠かせないのが、IME(日本語入力ソフト)。Microsoft社の「MS-IME」などが有名ですが、なかなかマニアックな固有名詞やネットの流行語に対応してくれず、歯がゆい思いをしている人も多いのではないでしょうか。しかし、今日、Google JAPANが出したIMEならば、すばやく最新の言葉が反映されていきます。
Google JAPANの公式ブログに書かれたこのエントリーで発表されているように、今日から日本語入力ソフト「Google 日本語入力」のベータ版が、Windows XP/Vista/7(32ビット版)とMac向けに提供されています。この日本語入力ソフトの特徴は、Web上の膨大なデータから自動的に辞書を生成している点。専門用語や最新の言葉にも対応することができ、統計的な処理によって高い精度での日本語変換も可能になっています。また、すでに検索ボックスなどで実装されている、入力した文字から続く単語の候補を表示してくれる「サジェスト機能」もついていました。
はてなブックマークのコメント欄では、さっそく試してみたユーザーから「最高に便利」、「すでに十分な品質」との声が上がっています。筆者も試しにはてなブックマークで話題になった言葉をいくつか入力してみましたが、確かに通常のソフトではなかなか対応してくれないような人名や流行語でも、予測変換の候補やサジェストを出してくれるようです。
- 「もりみとみひこ」⇒「森見登美彦」
- 「しまだそうじ」⇒「島田荘司」
- 「まやみねお」⇒「魔夜峰央」
- 「やるお」⇒「やる夫」
また以前、近年の変換ソフトでは、政治的な理由からデフォルトで対応していない用語があることが話題になりましたが、そうした言葉もしっかりと変換してくれました。
ただし、マンガやアニメ、ゲームの話題などで盛り上がることの多い日本のネットからデータを取っているせいか、日常用語の入力中にネットスラングやアニメの台詞などがサジェストされることもあり、それにはちょっと困ってしまったのも事実です。
- 「こんかいは」⇒「今回は僕の勝ちだね」(「大乱闘スマッシュブラザーズ」でマルスが勝った時の発言)
- 「ただしい」⇒「ただしイケメンに限る」(見た目が良ければ何でも許されることを揶揄した言葉)
- 「おまえは」⇒「お前は何を言っているんだ」(格闘家・ミルコのTVインタビュー時の発言)
- 「さんを」⇒「さんをつけろよデコ助野郎」(漫画家・大友克洋の作品『AKIRA』に出てくる台詞)
ただ、Twitterなどではそんな予測変換で出てきた面白い候補をユーザーが報告しあって楽しんだりもしているようです。また、あまりにも煩わしい場合には、設定でサジェスト表示を無効にすることも可能です。
まだ生まれたてほやほやの日本語入力ソフト、今後の発展に期待です。