[PR]はてなのクラウド導入は!? さくらインターネット×はてな 「クラウド」を語る!

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左から、はてな田中慎司、伊藤直也、さくらインターネット研究所所長鷲北 賢さん、田中邦裕社長


■「クラウド」が実現可能にしたこと

伊藤直也 「『クラウド』って、言葉の使われ方としては2種類ありますよね。最近流行のTwitterやGoogleのGmailなどウェブのサービスでクラウドと呼ばれているものと、インフラ的な部分、例えばGoogle App Engineと。最近のデジタル系の雑誌でも『クラウドを使いこなせ』という見出しになっていて、よく見てみるとTwitterの使い方が載っていたりしている。本質的に新しい部分はインフラのところで、その上のレイヤーの話は単なるウェブサービスのことなので、改めてクラウドと言い直さなくてもいいんじゃないかと思っています。一般的に雲の向こうのブラックボックスに入れられるものをクラウドと総称する、ということをみんな言いたがっているけど、そこではなく新しくできるようになったことは何か、という部分に絞った方が実情は分かりやすいですよね」

田中社長 「おっしゃる通りです」

田中慎司 「サービスのレベルでは昔はそれをWeb2.0と呼んでいましたよね。その表現がクラウドにスライドしてきた印象があります」

田中社長 「Web2.0との大きな違いはやはりインフラまで変革がやってきたということでしょう。ウェブサービスにかかる3大コストは、開発にかかるコスト、宣伝にかかるコスト、インフラにかかるコストだと思っていますが、開発に関わるコストは、誰でもPHPなどで作れるようになって著しく下がった。また、クチコミによって宣伝コストも、その大小だけではなくなった。ここまでがWeb2.0と呼ばれるものだったと思うんですが、それにクラウドのIaaSでインフラまで安くできるようになった。3つの要素が全て下がるようになったのがクラウドのパラダイムの新しいところだなと思っています」

田中慎司 「そうですね」

田中社長 「また思うのはやっぱりAPIが標準になったことも、クラウドがもたらした新しいことですね。TwitterもAPIがなければあんなに広まらなかったと思うんですよ。mixiなどもソーシャルアプリを始めてからプラットフォームとしての使われ方が広がってきた。ですのでAPIっていうのはひとつのキーワードですよね。それで、コミュニティがそれで創造されるというところもクラウドのひとつの特徴ですよね」

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「インフラのコストダウンとAPI標準化が、クラウドが可能にしたこと」と田中社長


■クラウドの未来は、集中と分散を繰り返す!?

田中社長 「そういえば先日paperboy&co.の家入一真さんが、『プラットフォームを制したものは神様になれるんじゃないか』とTwitterに投稿していました。iPhoneのApp Storeで一部アプリケーションが消された一件がありました。プラットフォームの方針次第でどんどんアプリが消されてしまうと、天変地異を起こせるわけじゃないですか。おまけに進化の方向性や速度も神様の胸先三寸で……。ウェブサービスの寡占化が続くと大きな力を持ったものがサービスの生殺与奪を握るような世の中にはならないかと懸念しています」

伊藤直也 「いや、きっとそのようなことが続くと、集中していたものが今度は分散に戻っていくのだと思います」

田中社長 「今Appleが寡占状態になっていますが……」

伊藤直也 「それも新しいAndroid端末が出てきてちゃんと競争になると思います。App Storeにアプリをアップしても勝手に消されてしまうなら、じゃあAndroidで作ろうという動きが生まれ、バランスがとれていくはずです。消費者としては受け取るものはどんどん良くなっていくと思います」

田中社長 「そうなると、よくクラウドは集約されるなんて言われますが、結局集約されすぎるとまた分散になるんですね」

鷲北 賢 「歴史的にも確かに繰り返していますもんね。コンピューター業界に30年位おりますが『この流れ何度目だ!』という感じは確かにあるかもしれません」

田中社長 「20年でサイクルが来るらしいので、2030年くらいにはまたなにかあるんですかね」

伊藤直也 「それこそクラウドを提供していたサービス会社がクラウドのインフラをオープンソースにしたことで、小さいクラウドが作れるようになり皆自社でクラウドを立ち上げはじめて…それはクラウドが分散した形なんだけど、それからその小さなクラウドが連携してまた集中し始める……とか」


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田中慎司 「集中と分散は繰り返してはいるんですが、一周すると、やはり層が一枚積み重なったような感じで進化しているのを感じますね」

田中社長 「では集中するメリットを得るためのクラウドが今後わざわざ再度分散するとしたら何がきっかけになるんでしょう?」

田中慎司 「クラウドを作るためのシステムが低廉化してきて、集中させるスケールメリットより、もっと近い手元でコントロールできるというメリットが増してきたらありえるのでは?」

鷲北 賢 「テクノロジーの進化とそこにかかっているコストのバランスで行ったり来たりするんですよね」

田中慎司 「サーバ一台でほぼまかなえるんだったら管理もしやすくなりますし。サーバ一台に100~200コアとかが入る時代がくれば……(笑)」

伊藤直也 「1UサーバにCPUが100個入って、電源等も全て冗長化されてリスクがすごく小さいのがあれば、そこにクラウドOSを一個入れておけば十分スケールするよ、という話になってきますよね」

田中社長 「なるほど。そうなるとラックメーカーが儲からなくなっちゃいますね(笑)」

伊藤直也 「でも、そういう世界は遠くない将来に実現しそうですよね!」


■はてなでのクラウド導入検討

伊藤直也 「実際にクラウドを導入する際のメリットですが、規模の大きい会社がスケーラビリティの威力でコストを下げるために導入する場合と、小さくて自前のシステムを持つほどではない会社が安定性やいざというときに増やせる安心感を得るために導入する場合がありますよね。はてなの場合ですと、導入するとしたら前者のメリットのほうが当てはまるんですが、その他には急なアクセス増加時に、その部分をある程度クラウドにまかせるという使い方も考えられるかなと思っています」

田中慎司 「実際にAmazon Web Servicesについては機能的な限界などを試しています。メリットとしてはスタートアップコストが低いということと、グローバルを意識したサービスの場合、現地に近いところにサーバを置こうとするとそこでレンタルサーバを借りて構築するよりはクラウドにのせるほうが簡単だという2点ですね。しかしシステム全体をクラウドにのせるというところまでは考えていません」

田中社長 「それはなぜですか?」

田中慎司「システムの容量を考えるのに、固定部分と日々のトレンドによって変動する部分がありますが、後者をうまくクラウドに吸収していって、固定部分は自前で持っておきたいと思っています。はてなの場合、10年間自前でサーバを持っていたノウハウがありますのでそこを活用したほうがコストが下げられると考えているからです」

田中社長 「みなさん結構そうおっしゃいますね」

田中慎司 「信頼性の面では、この間EC2でサーバが26台吹き飛んだり最近クラウド周りで事故が多いですけど、そこはちょっと現時点の限界が見えたのかな~と思って。GoogleやAmazonでもある程度の規模のものを動かすと局所的には障害が発生してしまう。自分たちで管理していれば、そういう障害がサービスに影響を与えない配置が実現できるんですけど、クラウドにのせてしまうとそこは他人任せになってしまう。そこのリスクを許容出来るサービス設計にしておくか、クラウドの使用を止めてしまうか……」


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田中社長 「信頼性が高くてコストが低いのが自前主義のいいところですが、使わない部分はやっぱりもったいないからベースの部分だけは自社で、という感じなんでしょうか」

伊藤直也 「あとはどこのレイヤーまで機能を提供しているかにもよると思っていまして。例えばスケーラビリティ、ロードバランシングの部分まで任せられるとなるとまた話は変わると思います。そこを使いたくてクラウドと使うという選択肢は出てくると思います」

田中社長 「確かにロードバランシングのシステムノウハウって集積効果がありますから、大規模でやっているところに借りるのが、信頼面にもコスト面にも経験曲線としても合理的というのはある。そういえばはてなでも負荷分散をやってるじゃないですか。そのノウハウを逆に外に……という手もあるのかなと思ったんですけど」

伊藤直也 「外っていうのは……?」

田中社長 「はてな以外の会社にもプラットフォームとして使ってもらうという意味です」

伊藤直也 「あんまり考えたことがなかったですね!」

田中慎司 「はてなでやっている方法ははてな流にすごくチューニングされていてなかなかすぐ一般の人に提供できるものではないかもしれません(笑)」

田中社長 「GoogleもGoogle流にものすごくチューンナップされていますよ」

伊藤直也 「僕は最初にホスティングサービスをするような会社さんがクラウドサービスを提供するのだろうと思っているんですが……」

田中社長 「日本の場合はそうですね。ただはてなさんみたいなところがクラウドをはじめられるとやっぱり面白いなと(笑)。今の規模、サーバ1000台くらいでは余力はまだないかもしれませんが、4~5年後に1万台あるうちの2000台はhatena.ne.jpで使って、残りの7000台は同業に貸してるみたいなことになるかもしれません」

伊藤直也 「確かにそういう風にうまく切り離せるとサービスを作っている側もちょっと嬉しいですね(笑)。はてなのような会社が提供するとしたら、アプリケーション側に変わった機能があるからこそユーザーさんがそれを選択するという形になりそうですね」


■ホスティングサービスとクラウド

伊藤直也 「さくらさんの現在のビジネスにとっては、クラウドは競合する部分もあるかと思うのですが」

田中社長 「そうですね。脅威と変化が同時にやってくるという感じですね。大原則としてお客様のIT予算は今後大きく増減しないと思うんです。しかし、その予算内でもニーズはいくらでもあるだろうと考えているので、サービスが低価格化してくることで需要はもっと見いだせるだろうという予測はあります。そこにどうアプローチするかということですが、少なくとも物理サーバだと、例えば鉄の値段はこれ以上下がらないなどの制約が生じます。電気代も下がらないでしょう。なので、どうしてもクラウド化というのは避けられないと思っています。つまり物理的なアセットとサービスが一対一になる専用サーバだと値段の下限はどうしても決まってきてしまうので、いかに物理的なアセットとサービスを切り離して行くか。クラウド化によって今までよりたくさん利用してもらいつつ、料金がそのままという世界であれば他に使っていた予算を我々に払っていただける。我々の物理化戦略からすると、またちょっと違うところになるわけですが」

伊藤直也 「さくらさんのようにホスティングをされていた会社がクラウドに乗り出すのが止められない動きだとすると、従来ホスティングでレンタルサーバを使っていたエンジニアはこれから先クラウドの利用を検討要素に入れていくべきなんですか? ユーザーの使い勝手は一切変わらずにバックエンドだけはクラウドになっているという未来が理想的だと思うんですが、現状はやはりやり方が変わってしまうので、ある程度知識がある人はどっちがいいかなと検討する過渡期なのではないかと思うのですが」

田中社長 「うちがやってる専用サーバとAmazon EC2が比較されると思うんですが、さくらのレンタルサーバに対するなにかがあるかというと、まだそこまでの段階ではないと思っています」

伊藤直也 「例えば自分のウェブサイトをホスティングしたい場合はそういう振り分けになるかと思うんですが、お客様のためにシステム開発を受注していてそのシステムを運用するためにレンタルサーバを借りている人も多い。お客様の予算で1台くらいサーバを借りてシステムをのせているという人は、このままでいくかクラウド化するか結構迷ってると思うんです。その点に対する回答はいつくらいに出るんでしょうか」

鷲北 賢 「そもそもクラウドでないといけない理由というのが難しいのでは……?」

伊藤直也 「そこでポイントとなるのが、以前僕が開発者の飲み会で聞いた話なんですが、冗長化やバックアップのための予備サーバを用意してないケースも結構あるみたいなんですね。『そのサーバが壊れたらどうするんですか?』って聞いたら『システム止まっちゃうよね……』という答えが返ってきて。最初聞いたときはびっくりしたんですが、それはイレギュラーなやり方だし、と思って色々他の人に聞いてみたら割とそういうケースが多かったんですよね。本当に小さなシステムだと予算も限られているし、冗長化まで要件に入っていなかったり。ただ開発者としては不安に思っていて……。そういう点でクラウドにのせておけばリスクが全部クリアできるかも、と思うと少しは動機になるかなと思うのですが」

鷲北 賢 「現状では、ただ単にクラウドに載せたからといってそれらが全て解決するとは限らないと思うのですが、将来クラウド環境が充実してきたらありえると思いますよ」


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さくらインターネット研究所所長の鷲北さん


伊藤直也 「将来的にホスティング業者がクラウドをやるとなると、お客さんが現状どこに不満を持っているか把握できて、それを解決した使いやすいものを作ればいいわけで、将来性がありますよね」

田中社長 「クラウドではないんですけど、先日さくらのマネージドサーバというサービスを出したんですよ。1台まるごとサーバをお貸しするんですが、使い易いコントロールパネルがついており、データのバックアップ、サーバが壊れたときのハードウェア交換や書き戻しを当社で行います。かつ専有サーバなので他の人の負荷で落ちることもなく月7800円で利用できる。常にそういう風にお客様のニーズに合わせて新しいサービスを提供するという努力はしています。ただクラウドは複数台に行けるという意味ではやっぱりいいですよね。例えば、月1000円くらいでPHPが書けて、それに100円とか200円のオプションでデータベースを契約し、WordPressを設定すればすぐ使える、更にプロキシサーバーやロードバランサーが控えてて、サービスの人気が一気に上がっても、月数百万円までシームレスにスケールアップできるようなホスティングサービスがあれば最高ですよね……」

伊藤直也 「じゃぜひ作ってください(笑)!」

田中慎司 「さくらインターネット研究所ではその辺研究されていらっしゃらないんですか?」

鷲北 賢 「立ち上がったばかりなのでまだまだですが、従来よりロングスパンのアプローチで研究開発をするために日々頑張っています。今は例えばサーバ100台規模の環境でクラウドサービスの実装の試験をしたりしていますよ。ユーザーさんの視点からすると、必要なときだけ使えて要らなくなったら返すというのは素敵なスタイルだというのはよく分かるんですがそれを実際にサービスにしてみろと言われるとどうしたらいいだろうと。EC2で使われているシステムを真似してもいいんですが、大規模なスケールが必要になってきますからそれは用意できない。なにか工夫をしないと難しいですね」

伊藤、田中慎司 「そうですか~。では楽しみにしています」

和やかな雰囲気の中対談は無事終了。みなさんありがとうございました!

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最後にさくらインターネットさんからサプライズプレゼントが! 社員の方がイラストを描いた「鯖<サバ>手ぬぐい」だそう。さくらインターネットの専用サーバ、専用サーバ複数台構成、専用サーバ Platformサービスのシステム構成をかわいい鯖のイラストで説明しています。

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「鯖手ぬぐい」を手に嬉しそうな二人

さくらインターネットのサバ手ぬぐいが出来ました (さくらインターネット創業日記)

今回の対談を記念して、この手ぬぐいを2枚1組にして3名様にプレゼント。詳しくは以下の応募要項をお読みのうえご応募ください。

※キャンペーンは終了しました。たくさんのご応募、ありがとうございました。


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応募要項は下記のとおりです。

<応募期間>

2010年4月5日(月)から4月26日(月)24時まで

<賞品>

さくらインターネット特製 鯖手ぬぐい2枚セット 3名様

<応募方法>

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<当選発表>

厳正なる抽選の結果、当選発表は発送を持って替えさせていただきます

当選発表後、当選者の方にはてなよりメールをお送りし、送付先情報(送付先住所、受取人氏名、電話番号)を伺います。


[PR]企画・制作:はてな