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【プロジェクト管理ツールを家庭に導入して2年】実感した6つの変化


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■ プロジェクト管理ツール導入のきっかけ

我が家の家族構成

我が家の家族構成は下記の通りです。子ども2人は保育園に通っていて、私は送迎のために時短勤務で働いています。

家族 職業 or 年齢
母ちゃん(筆者) IT系エンジニア(時短勤務)
父ちゃん IT系セールスエンジニア(多忙)
長男 5歳
次男 2歳

元々、プロジェクト管理ツールを導入しようと思ったきっかけは家庭特有の課題を解決するためでした。

プロジェクト管理ツール導入前の課題

プロジェクト管理ツールを導入する前は、さまざまな課題で頭を抱えることが多かったです。子ども2人を育てながら生活していくことが、こんなにも大変なのかと気付かされました。

小児喘息を患った長男の看病をしつつ、当時乳児だった次男を抱えながら、目の前のことで精一杯だった私は、日々のタスクのことを忘れがちでした。

カレンダー機能だけで課題を解決するのは難しい

最初はGoogle カレンダーを夫婦で共有してスケジュール管理をしていましたが、時間をかけて対応するタスクも多くカレンダーで管理するのには限界があり、非常に困っていました。

一度の対応では完了せず、解決するのに時間を要する課題の管理は、カレンダー機能だけでは不十分だと気付きました。例えば以下のようなタスクが山積みになっており、まずは夫婦で同じ情報を共有しておかないと、どちらかがダウンしたときに対応できないと判断したからです。

課題またはタスク
健康管理 予防接種、定期健診、診療、検査
保育園活動(保活) 希望保育園の見学、必要書類の提出、選考後の対応
年間行事計画 保育園のイベント、町内会行事、外出計画、家族旅行、里帰り
家具・家電の保守対応 家電・家具の買い替え、電子機器の修理対応
交際、親戚づきあい 年賀状、御中元、お歳暮など
仕事復帰 スキルアップ、転職活動など
その他 夫婦間のToDo、子どもの習い事検討、転居計画、確定申告

特に、長男・次男ともに患った小児喘息の治療や、子どもたちの保活、自分自身の仕事復帰については時間を要しました。私自身が仕事復帰するためにはスキルアップも必要でしたが、子どもたちの健康や保活も重要でした。

ご存知の通り、筆者の住んでいる東京都内では希望者が多いため認可保育園への入所が非常に難しく、計画的に進めなくてはなりません。

■ 家庭にもプロジェクト管理ツールを導入しよう

このように、家庭にも沢山のプロジェクトが存在し、タスクを管理する必要が出てきます。家族が「チーム」となり協力しながら課題を解決していけば、うまくいくようになるはずです。プロジェクト管理ツール導入によって課題を“見える化”し、1人で悩まずにみんなで解決していく。家族で助け合いながら目の前の課題と向き合っていけたらと思い、ヌーラボが提供しているプロジェクト管理ツール「Backlog」の導入を決めました。

「Backlog」を選んだ理由

Backlogに決めた理由は、個人的に“使いやすさナンバーワン”だと感じたからです。操作性に優れていて、全く初めての利用でも直感的な操作ができるところがポイントです。

www.backlog.jp

■ Backlogの使い方

Backlogの登録について

BacklogはSaaS型とオンプレミス型があります。オンプレミス型はサーバーを用意する必要があるので、今回は登録してすぐに使えるSaaS型について紹介します。

(1)無償プランでBacklogを登録する

BacklogのSaaS型には有償プランと無償プランが存在します。無償プランは機能が制限されていますが、家庭のタスク管理を行うための「課題登録」と、情報をまとめるための「Wiki」の機能があり、まずはこれで十分です。

無償プランは「プランと料金」ページの右下にある1プロジェクト、10人までのフリープランはこちらのリンクを選択して登録を進めます。

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スマホのアプリをインストールする

Backlogには便利なスマホアプリがあるので、外出中でもアプリからタスクを確認できるのがポイントです。無償プランでも対応しているので、スキマ時間を活用したい人はぜひこちらもチェックしてみましょう。

www.backlog.jp

(2)メンバーを追加し、課題を登録する

Backlogのスペースを作ったら画面右上のアイコンをクリックし、スペース設定を選択してプロジェクトに参加するユーザ(パートナー)を招待しましょう。ユーザの追加ボタンを押すと、プロジェクトへの招待メールを送信できます。

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次の例は夏休みの家族旅行についての計画で、夫婦で役割を決めて検討していくタスクです。

このように、タイトル・詳細・期限日・担当者の4箇所を入力して課題を追加してみましょう。

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(3) 課題のステータスを変更する

Backlogのステータスには未対応・処理中・処理済み・完了があります。対応状況に応じてステータスを変更します。もちろん、途中で担当者を変更してタスクを引き継ぐことも可能です。

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家族旅行の検討まで終わったら、最終確認の担当者をパートナーに変更して課題を引き継いでもらいます。コメントを記入し、ステータスを処理済みにし、担当者を変更したら登録ボタンを押します。

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(4) 課題を完了させる

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問題が無ければ課題を完了させます。

ちなみに、登録したすべての課題は後で見返したり検索したりすることも可能です。どんな対応をしたか忘れてしまったら、まずはBacklogの課題を検索してみましょう。

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このように、Backlogは課題に対してプロジェクトのメンバー(夫婦)で解決していく、とても便利なツールです。

■ プロジェクト管理ツールを導入して実感した6つの変化

Backlogでのプロジェクト管理を2年弱続けたことによって、私たち家族には6つの変化がありました。それぞれ紹介していきます。

(1)期限を設定することにより気持ちが楽になった

「○月○日までに対応すればいいから大丈夫!」と、前向きな気持ちのままモチベーションを維持できるようになりました。課題登録後、対応期限を決めるので「期日までに対応すればいいんだから、急がなくてもいいんだ」と気持ちが楽になりました。これまでの「ああ、今日も出来なかった……」といったマイナスな気持ちから解放され、日々スッキリとした気分で過ごせるようになりました。

(2)情報共有による時間の節約ができた

Backlogに課題を登録すると同時に、夫婦で情報共有もできるので、事前に説明する時間が省けます。口頭による情報共有は、いつしか忘れてしまいます。寝不足だったら尚更「あれ、なんだっけ?」「ああ、そうだ思い出した!」と記憶の扉を開くのに手こずります。最初からBacklogに詳細を記載しておくことは、時間の節約に非常に有効的だと感じています。

また、夫婦どちらかが体調不良で倒れてしまっても、既に情報共有がされている状態なので、引き継ぎしやすい状態になっています。

(3) 以前よりも子どもと向き合えるようになった

プロジェクト管理ツールを導入して、最もプラスだと感じたことです。

子どもたちの教育・健康面・目標のサポートを夫婦で話し合うには、当たり前ですが話し合う時間が必要です。夫は育児に協力的ですが、仕事は常に多忙です。家族が寝静まってからもPCと向き合うことが多いため、限られた時間で家庭の課題を把握するのも大変でしょう。そのような状況下において役立ったのは、Backlogの機能の一つであるWikiです。

例えば、子どもの通院記録をBacklogのWikiでまとめておくことにより、以前よりも夫婦間で十分な話し合いができるようになりました。

BacklogのWikiは議事録としても秀逸

BacklogのWikiで必要な情報をまとめると、一時的な感情に流されずに客観的な判断ができるようになります。

実際に有効だったのは、長男に乱視が発覚したときのこと。Wikiに通院記録があるから、夫に口頭説明する時間を最小限に抑えることができました。以下のキャプチャ画像は通院時の記録です。

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今後どのように子どもをケアしていくか夫婦で十分に話し合い、その後、家庭での対応方針をBacklogでまとめておきました。長男が4歳になって再検査を受けたら乱視は特に問題ありませんでしたが、病院の受診履歴としてもWikiは活用できます。

(4)転居した結果、子どもたちがより健康的になった

昨年は子どもの喘息を根本解決するために、夫婦で検討した結果、転居しました。同一区内でしたが引っ越し費用は決して安くはなく、決断するには十分な判断材料が必要でした。しかしBacklogのWikiに必要な情報をまとめることによって、決断することができました。

  • 交通量の少ない住宅街に引っ越した方が、排気ガスによる大気汚染の影響を受けにくく、喘息の症状も改善されるはず
  • 認可外保育園の保育料が高額で、このまま払い続けるよりも同一区内でも入りやすい認可保育園があるエリアに引っ越した方が、家計に与えるインパクトはより最小限になる

結果として、転居後は子どもたちの喘息症状もみるみるうちに落ち着き、保育園を休む回数も格段に減りました。また、希望の認可保育園へ転園することができました。家族の健康と、保活の問題を同時に解決することができました。

このようにBacklogは、転居など比較的大きな決断をする際のツールとしても役立ちます。

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余談ですが、「粗大ゴミの処分」「住所変更」など転居に伴う細かいタスクもBacklogに登録することによって対応漏れがなくなり、スムーズに進めることができました。

(5) 仕事と育児を両立できるようになった

(4)で子どもたちがより健康的になった結果、私はエンジニアとして仕事に復帰することができました。

業務中は仕事のプロジェクトに集中し、帰宅したら家庭のBacklogスペースを開いてプロジェクトをこなす。このようにオン・オフの切り替えにも日々欠かせないツールです。

例えば私の場合、平日の日中は時短勤務をしていますが、夜間や休日はテクニカルライターとしてIT系メディアや技術書への寄稿をしています。また、休日は趣味のカメラを上達させるべく、アマチュアカメラマンとして撮影の場数を踏んでいます。

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これから副業(複業)が認められる企業が増えていくかと思いますが、プロジェクト管理ツールを活用してさまざまな立場の「1人n役の自分」を生み出すことができます。働く場所にとらわれずにチャレンジを続けるときのツールとしても役立っていくはずです。

(6)夫婦の雑談が増えたことによって、新しいアイデアが生まれた

夫は常に多忙で、電車移動などのスキマ時間を使って家庭のタスクを確認しています。

Backlogで課題管理することによって、普段の会話も用件ばかり話さなくていいようになったので、結果的に夫婦の雑談が以前よりも増えました。

例えば、夫婦共通の趣味はカメラと電子工作ですが、秋葉原の電子パーツ店で入手したパーツの話や、自宅で水耕栽培している小松菜の効率的な育成方法など、夫婦で会話して良いアイデアが生まれました。ルーターとNASの排熱を使って野菜を育てることにより、食費の節約にもなりました。

用件以外の雑談を増やすことによって、その家族にしかできないアイデアを生み出すことができると思います。仕事も家庭も関係無く、イノベーションはまず会話から生まれます。タスクのことはプロジェクト管理ツールにお任せして、日常の会話を大切にしていきましょう。

■ まとめ

Backlogは、育児・仕事の両立や生産性の向上といった良い結果をもたらしました。また、家族の絆もより一層深くなり、以前よりもストレスが減ったと感じています。まずは試しにプロジェクト管理ツールを始めてみてはいかがでしょうか。


※本記事で紹介しているサービス内容などは、2017年5月時点のものです

■ 著者プロフィール

平 愛美(id:mana-cat

1983年生まれ、熊本県出身のITエンジニア。2児の母で、趣味は写真とグルメ。最近はRaspberry Pi、Arduinoを使った家庭内IoTについて日々研究するIT系母ちゃんとして活躍中。主な著書は、『改訂3版 Linuxエンジニア養成読本』(寄稿、技術評論社 刊)、『Linuxシステム管理標準教科書』(共著、LPI-Japan)など

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