<伊集院大介>シリーズなどの娯楽小説や中島梓名義での評論で活躍されていた、作家・栗本薫氏が26日に膵臓がんで逝去されました。男性同士の性愛関係を描いた「やおい文化」の発展に尽力してきたことでも知られている彼女へ、「やおい」好きな女性の生態を軽いコメディタッチで描いて話題になった『となりの801ちゃん』がブログでコメントを発表しています。
JUNEが死んだ日 (となりの801ちゃん)
「今日は無理を言って代わりに書かせてもらいました、801です。(…中略…)今、御大(※編集部注:栗本氏のこと)がお亡くなりになられた事に非常に動揺し、それ以上に御大がお亡くなりになられた事に動揺している自分に動揺しています」
栗本氏は、女性向けの漫画小説混合雑誌「JUNE」の中で、読者から送られてきた小説に彼女が評を加える『小説道場』というコーナーを長く担当していました。このコーナーから、秋月こお氏など多くのプロ作家が羽ばたいていきましたが、この記事によれば801ちゃんもこのコーナーの愛読者であったようです。
御大がいらっしゃらなければ、JUNEもBLもこういう風に存在出来ませんでしたし、
もちろん801ちゃんだって出来てなくて、私はチベと結婚もしていません。
そういう意味も含めて、御大のおかげで人生が変わったり、
救われた人は本当に数え切れないと思っています。私もそのうちの一人です。
ある時期の日本で、彼女がサブカルチャー界の一角に強い影響を与え、そして多くの、特に思春期の女の子たちの心の支えになっていたことは、紛れもない事実だったようです。この記事へのブックマークでは、「おそらく栗本氏の最大の功績は、JUNEとルビー文庫を定着させたこと」「もし小説道場がなかったら、とは思う」というコメントもありました。