2009年10月1日、京都文化博物館において、時代劇製作ワークショップ「Kyoto Filmmakers' Lab」による、「映画製作におけるうごメモ活用セミナー」が開催されました。ニンテンドーDSi用のパラパラマンガ作成ソフト「うごくメモ帳」を使った映像製作の可能性について、国内外の若手映像作家から多彩な意見が発表されたこの会のレポートをお送りします。
会場には「うごくメモ帳」プロデューサーの小泉歓晃氏(任天堂株式会社)、また「うごくメモ帳」を公開・共有するウェブサイト「うごメモはてな」のディレクターである二宮鉄平氏(株式会社はてな)が登壇し、ワークショップ参加者にうごメモを使った感想をヒアリング。参加者からは「時代劇のストーリーボードとして活用した」「メモ、ノートとして使いやすい」「(紙と違ってデータなので)簡単にメモをシェアできるのが便利」といった意見が発表されました。
また「(インターフェースがシンプルなので)音を入れるタイミングが細かく指定できず難しい」という意見には、小泉氏から「ゲーム機なので攻略したくなるよう作っている」とジョークを交えつつ、「紙のノートやカメラなど、思ったことが何でもできて便利というわけではないツールも多いと思う。あえて制限がある中で、想像力を活用して楽しんでもらえたら」と回答がされました。
活発に意見を交換する海外からの参加者
うごメモ活用の可能性をヒアリングする任天堂小泉氏
若手映像作家によるうごメモも発表された
またイベントの後半では「作った作品を世界中に公開する方法」として、はてなの二宮氏から、メモ公開・共有サイト「うごメモはてな」に作品をアップロードする手順が紹介されました。今回作成されたメモは、同サイト上の「うごメモ放送局」に随時アップされるとのこと。セミナーの最後には、小泉氏より「(自分の国に帰ってもうごメモを使って)ぜひ“I'm back!”というメモを投稿して、日本にいる私たちに知らせて欲しい」というリクエストも伝えられました。
「Kyoto Filmmakers' Lab」は、京都府・京都文化博物館・東映京都撮影所・松竹京都撮影所・ドイツ文化センター京都等が共同で開催する、国内外の優秀な若手人材を対象に開催する時代劇映画の製作ワークショップ。2回目となる今年は、任天堂株式会社・株式会社はてなの協力のもと、パラパラマンガ作成ソフト「うごくメモ帳」が映像製作の現場でどのように活用されるかを模索するため、参加者全員にニンテンドーDSi用が貸し出され、今回のセミナーでは映画製作の現場でどのように「うごメモ」を活用できるかが議論されました。