6月に入って、そろそろやって来る「梅雨」。今年は平年よりも梅雨入りが遅れているとのことですが、そもそも梅雨とは一体どんなもので、何を基準に“梅雨入り”と判断されるのでしょうか?今回はそんな「梅雨」の基礎知識についてご紹介したいと思います。
■今年は遅い?梅雨入りの時期
急に暑くなったり寒くなったり、今年に入ってからというもの、季節感をまるで感じさせない妙な気候の日が続いていますよね。梅雨入りのタイミングも、平年に比べ遅れているようです。
<寒気が梅雨前線を足止めしている?>
▽http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100607-OYT1T00383.htm
▽気象庁|平成30年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)
気象庁によれば、梅雨入りが遅れている原因は、日本列島上空の“寒気”が太平洋の南方で梅雨前線を足止めしているためだそう。沖縄や奄美地方では先月6日に平年よりも早く梅雨入りしたものの、その後前線が日本の南海上付近に停滞しているため、平年なら5月末には梅雨入りしている九州南部でも未だにその気配がないとのことです。
梅雨明けと梅雨入りの平年値については、下記のエントリーで確認することができます。2000年以降のデータでは、梅雨入りの平年値は一番早い沖縄で5月8日、一番遅い東北北部で6月12日となっています。
▽http://homepage1.nifty.com/weather/topic/baiu.html
■「梅雨」って何?「梅雨入り」はどうやって決まるの?
ジメジメとした天気が続く梅雨ですが、そもそもどうして起こるのでしょうか?また、梅雨入りと判断される基準も気になりますよね。続いてはそんな疑問に答えてくれるエントリーです。
▽asahi.com: 梅雨って何?(1) まずは梅雨の「定義」から - 梅雨特集
▽asahi.com: 梅雨って何?(2) 「梅雨入り」「梅雨明け」の発表 - 梅雨特集
▽asahi.com: 梅雨って何?(3) どう生かす 「梅雨」への高い関心 - 梅雨特集
毎年5月〜7月頃に日本付近に停滞する梅雨前線。雨が降るのは、この梅雨前線の周りにある「オホーツク海高気圧」や「太平洋高気圧」から集まった温度や湿度の異なる空気が上昇することで、雲や雨を作り出すのが原因です。また性質の異なる2つの高気圧の勢力が釣り合っていると前線はほとんど動かなくなるため、同じ地域で長い期間雨が降り続くことになります。
そして気象庁では、「前日や当日が『曇りや雨』の天気となり、翌日以降も、週間予報などで『曇りや雨』のぐずついた天気が続くと予想される場合」に梅雨入りと判断しているそう。例えば次のような場合、「6月10日」が梅雨入りと発表されます。
- 当日(6/10)が「曇りや雨の天気」だった
- 前日(6/9)と前々日(6/8)も「曇りや雨の天気」だった
- 翌日(6/11)以降も「曇りや雨が続く天気」と予想されている
一方「梅雨明け」については、「曇りや雨が続かず、晴れの日が出てくる天気」が目安になっています。
■北海道には梅雨がない?梅雨に関する疑問
最後にご紹介するのは、梅雨にまつわるこんな疑問です。
<「梅雨」と書くのはなぜ?>
▽梅雨と梅の関係|なんでも梅学
梅に雨とかいて“つゆ”と読みますが、なぜ梅という字を書くのか不思議に思ったことはありませんか?日本でこの時期を梅雨と呼ぶようになったきっかけには、「『梅の実が熟す頃に降る雨』という意味の中国語から来ている」「『露(つゆ)』から連想した」「梅の実が熟す時期だから『つはる』から連想した」など、様々な説が存在しています。
<北海道には梅雨がないってホント?>
▽http://www.tbs.co.jp/morita/qa_ame/faq_990729.html
日本の中でも、唯一梅雨入りや梅雨明けが発表されない地域が「北海道」です。こちらのエントリーでは、その理由として次の2点を挙げています。
- 梅雨前線が北海道の方まで北上する頃には、その威力が弱まってしまう。
- 梅雨前線の影響で雨が降ったとしても一時的なものなので、現象としては印象が薄い。
梅雨前線の影響をほとんど受けないため、「北海道には梅雨がない」と言われているんですね。またいわゆる梅雨には縁遠い北海道ですが、一時的に雨が続く「蝦夷梅雨」という現象は存在しているそうです。
遅れてはいるものの、近いうちにやってくると予想される今年の梅雨入り。今のうちに、家の湿気対策などをしっかり準備しておきたいですね。
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