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編集部の厳選3本! はてな匿名ダイアリーの名作短編小説


■ 「まるで星新一の作品みたい!」との声も……『犬の餓死』

名前の通りに犬が餓死する過程を見せる現代アート、「犬の餓死」。それに憤った大衆が作品発表のたびに犬を買い取っていたところ、かえって作品がマスコミの話題になってしまう。だが、そのブームの絶頂で、突然芸術家は作品を発表するのをやめた。その理由は……?

ユーザーから「まるで星新一みたい」と声も出ているのが、この『犬の餓死』という作品。確かに最後のオチに漂う「人間ってどうしようもないよね」という感じは、彼のショートショートの読後感に似ている気も。実はこの小説が投稿される前日、はてなブックマークでは「犬の餓死」をテーマにしたアートが議論を呼んでいました(参考: 「好きになった」: 「こんなものはアートじゃない」と言う前に)。著者はこの「展示」にインスピレーションを受けて、この作品を書いたのかもしれません。はてなブックマークでは、「よくできてる」「この芸術家が真に表現したかったものは『犬』ではなくて『ヒト』だった」などのコメントがついていました。

■ 僕を傷つけたカノジョへの残酷すぎる復讐……『ソープへ行けと彼女は言った。 』

初めて告白した女性に「ソープへ行け」と冷たくあしらわれた、“僕”。それから勉強に精を出して一流企業に入って成功を収めた僕は、ある日彼女と再会する。そして僕は女に復讐をはじめた……

こちらも最後にゾッとするようなオチが来るタイプのショートショート。とにかく登場人物全員が最悪すぎる上に、最後に来るオチも救いのない内容なのですが、その徹底した非情さがかえって不思議な魅力を放っています。はてなブックマークでは、内容もさることながらテンポ良く読ませる文章にユーザーから「上手い」との声が上がっており、下に挙げたように改変コピペもいくつか作られているようです。

■ タイトルからオチが想像できない!……『エレベーターには裏技があるらしい』

エレベータには裏ワザがある――その話を聞いた僕が試そうとしたとき、昔の彼女がエレベータに乗り込んできた……

「誰がこのタイトルからこの内容を連想できたであろうか」なんて声も出ているのが、このショートショート。エレベータには裏ワザがあるという興味をひく導入からはじまったのに、なぜか昔の彼女の思い出話が突然はじまってしまい、なんじゃこりゃと思っていたらあれよあれよという間にキレイに落ちてしまうという、まるで手品でも見ているような展開の作品です。ちなみに、エレベーターの階数を間違えた際にキャンセルするこの裏ワザは実際に存在するようで、以前はてなブックマークでも話題になったことがありました(参考:http://jp.blogs.com/2010/06/push-button-of-elevator.html)。


以上、はてな匿名ダイアリーから傑作ショート・ショート3本を紹介してみました。2ちゃんねるのコピペなどもそうですが、「なぜこんなところに……? 」という面白い文章が匿名ベースのサービスにゴロゴロ転がっていたりするのが、日本のインターネットの面白いところ。特に上のような思わず「上手い!」と言いたくなる文章は、ネットで名前を出して書くにはちょっと気恥ずかしい人も多いのかもしれません。そんな、なかなかブログでは読めない文章が読めてしまう「はてな匿名ダイアリー」には、下のリンクからアクセスすることができます。興味のある方は、ぜひクリックしてみてください。

文: 稲葉ほたて

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