今年も暑い夏がやってきます。2011年に引き続き「節電」がより身近な課題となっていますが、できることならムリなく快適に節電したい! それを男だてらにスカートをはくという驚きの発想で実行している大学教授が千葉にいると聞き、快適な節電を「エコナビ(ECONAVI)」技術で追求するパナソニックの担当者さんと一緒に会いに行ってきました。「スカートは涼しくて快適に過ごせますよ」と夏目先生が本当に涼しい顔でおっしゃるので、対談は意外な展開をみせることに……。
(※この記事はパナソニックの提供によるPR記事です)
▽ http://panasonic.jp/econavi/
そろそろ暑さも本格化してくるかという陽気の5月末、男性ながら「スカートをはいて、涼しい服装にすることで、節電につなげる」というアイデアを実践している千葉大学の夏目雄平名誉教授を、パナソニックでエアコンを担当している宮代達(とおる)さんとともに訪問しました。
▽ http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110702-OYT1T00036.htm(2011年7月2日)
夏目 こんにちは。夏目です。
宮代 パナソニックで「エコナビ」のエアコンを担当している宮代です。よろしくお願いします。
――今日は「快適な節電」をテーマに対談を進めたいと思います。夏目先生には今日もスカートで来ていただきました。
夏目 去年は秋に涼しくなったからやめたんだけど、今年用の新しいスカートができたからね。これは和服を仕立て直したんだ。
――そもそもどういった経緯でスカートなのですか?
夏目 やはり2011年の夏は節電ということで、千葉大でも「15%節電」という目標が掲げられてね。数値目標自体を否定するものじゃないけども、そういうやり方では学生たちは結局周囲の店に入ったり、自宅に帰って冷房をつけるので決して全体的な節電になってないんです。
ただ目標をクリアした/しないの○×問題じゃなくて、もうちょっと実質的にね、ひとりひとりがよく考えて、自分にとっての節電を実行するのが一番いい。スカートをはいたのは、その象徴のようなことですね。数値目標主義へのひとつの反抗といいますか。
――なるほど。問題提起の意味があったのですね。
対談中の夏目先生(左)と宮代さん(右)
夏目先生のスカートは和服を仕立て直したこの夏の新作
夏目 そうですね。やるんだったら教壇に立とうと。どんなにひんしゅくを買っても、この問題をみんなに考えてもらおうと。やっぱりひとりひとりができる範囲で、効果があることを積み上げないとね。しかも快適に。勉強や仕事の効率を下げないで、実質的な効率はちゃんとキープしてね。
宮代 家電の利用者アンケートなどを見ても、2011年は東日本でまさに地震を体験された方が大半だったので、ガマンしてでも節電しようという社会的な動きもありました。2012年になると、意識が高いことは高いのですが、そろそろ無理のない節電がしたいとなっているように感じます。
夏目 そうですよ。節電しすぎて熱中症で倒れるなんてのはまったくおかしいのであって、命懸けで必死になってやる犠牲的な人を作っちゃイカンのです。
宮代 一時期はエアコンを使うこと自体が良くないといった雰囲気もありましたが、やはり必要に応じて使っていただかないとそういうこともありえるので、ガマンをせずに省エネできる工夫を我々は必死に考えてます。そのひとつが「エコナビ」という形なんです。
エコナビとは?
人の居場所や日射の量などをセンサーで検知し、運転を自動で制御するパナソニック独自の省エネ技術。エアコンを省エネ化するなかで、センサーによって空調のムダを見つけ、無駄な運転を極力しないという考え方から生まれた。製品本来の力に加えて、任せておけば自動で省エネしてくれることが大きな特徴で、だれでも無理なく快適に節電が続けられる。
――スカートについて、周囲の反応はいかがでした?
夏目 実際に僕の姿を見た人はみんな好意的で、それは嬉しかったですね。
ただ、学生は最初だけ「わー」って言うけど、早々に見慣れちゃってね、あとは居眠りしてる。学生の目を覚ますのはなかなか難しい(一同笑)。
それから、ご存じのようにウェッブではずいぶん叩かれました(笑)。だけど、考えてみれば新聞の千葉版に載ったローカルニュースをツーちゃんねる(2ch)というシステムが全国ニュースにしてくれた。遠くの人は知らんだろうと思って講演に行くと「知ってます」って。あの力はすごい。ありゃ侮れないもんだなあ。
夏目教授のニュースへの反応あれこれ
■ かしこいエアコンの使い方
――ズボンとスカートでは涼しさに違いはありますか?
夏目 開放感がまず違いますね。とくに夕方になってね、風が出てきて、風に吹かれて帰るというのは気持ちいい。スカートじゃなきゃ味わえないものがあります(笑)。実は冷房がちょっと不得意でして、自然の風のほうが好きなもんでね。
宮代 そういう方はいらっしゃいますね。扇風機のほうがいいとか。
夏目 家に帰ると、ぬるいお風呂にずっと入って、寝るときは長袖の寝間着で、上に何もかけない。腹巻をしてね、冷えちゃうから。そういう赤ん坊みたいな生活をしてます。エアコンは、付けるとしても1時間くらいで切れるようにしてる。夜は温度が少しずつ上がっていって自然に消えるような、きめ細かい設定があるといいですね。
宮代達(みやしろ・とおる)
パナソニック株式会社 商品グループ エアコンチーム 主事。1975年兵庫県出身。パナソニック入社後、商品企画に従事し、2006年からエアコンを担当。エコナビには立ち上げ時からプロジェクトのメンバーとして携わる。
宮代 まさにおっしゃるような機能があります。明かりが消えたなと判断して1時間くらいすると設定温度を1度くらい高めにしたり、部屋が冷えてきたら人に直接風を当てないよう気流を調整したり、今はいろいろと工夫しています。
――運転したままでも冷えすぎないわけですね。
宮代 案外みなさん勘違いされているのですが、運転を細かく切ったり入れたりするよりも、ずっと運転していたほうが省エネになることもあるんですよ。
夏目 切ったり入れたりすると温度が上がったり下がったりしますね。それを適当に弱く運転して、一定の温度で、なめらかに運転できれば、だいぶん快適だし、節電にもなりますね。
宮代 そうなんです。自動車でも、アクセルとブレーキを繰り返すより、アクセルを軽く踏み続けるほうがガソリンをあまり消費しないですよね。エネルギーは立ち上がるときにたくさん使うので、要はエンジンを吹かさない。いかに吹かさずに、弱いアクセルで運転させるかが、節電の工夫のひとつですね。
――エアコンの設定温度として「28度」が推奨されているのもその理由でしょうか?
宮代 28度くらいなら外気温が下がればあまり負荷をかけないで運転できます。一時的に切ってガマンして、30分後にまたオンにするよりは、設定温度を1度でも上げてずっと動かしているほうが、案外快適で節電になります。
とくに最近のセンサーが搭載された機種はかなり賢くなっているので、細かい運転オン/オフや風向を調整するより、自動で「おまかせ」していただいたほうが、本当に無駄な運転もなく、電気をあまり使わないですね。
パナソニックの「エコナビ」エアコンに搭載されているセンサー
ひと・ものセンサー - 人感センサーで部屋のどこに人がいるかを見分け、同時に人の活動量を検知することで、体感温度に合わせた最適な気流を送る。例えば、家事で体を動かしているときは冷房を少し強めに、終わってゆったりテレビを見ているときは弱めにといった切り替えを、エアコンが自動で判断できる。
日射センサー - 部屋に入ってくる太陽の光量を見分けて、冷暖房を制御する。夏場でも日が陰ってくれば冷房を弱くしたり、冬場に天気が良ければ暖房を控えたりといった作業を、エアコンが自動で調整してくれる。
■ スカートをはいてみよう!
――今日は夏目先生にスカートをお持ちいただいたんですが、最初に試されたのはキルト(スコットランドの伝統衣装)だったとか。
夏目 そうです。ケンブリッジ大学に仕事でしばらくいたときに「なかなか格好いいもんだな」と、おみやげにひとつ買ってきてた。涼しいんじゃないかと思ってね。だけど、あれはやっぱり北欧のもので、暖かいんだ。布が綺麗な層になっててね、不自然じゃなくて格好はいいんだけど、決して涼しくはない。
それでもう少し日本の風土に合ったものということで、インドネシアやタイの民族衣装を探した。そこには男女兼用がある。扱っている店もけっこうある。だけど、日本では女性が買うので、こういう意図で僕がはくんだということをいちいち説明しないといけない(笑)。
宮代 和服は試されなかったんですか?
夏目 和服はあまり着ないんですよ。ただ、剣道部の学生が一日中袴をはいているから、聞いてみたら「ズボンよりずっといい」という。動きやすくて涼しいらしいね。
(テーブルに並べたスカートを手に取って説明しながら)千葉市内のデパートで販売部長と一緒に見て回ったんですが、このブランドの青山支店で、男性の店員がはいて接客しているというので勧められたんです。これはとっても涼しいですよ。真夏でも涼しい! ちょっと着替えてきましょう。
――せっかくですから宮代さんもスカートにはき替えてみませんか?
宮代 え?!
夏目 あ、はくならどれでもいいけど、こちらのキュロットだと抵抗は少なくても結局は袴のようになるから、そちらのスカートがいいかな……。
宮代 じゃあ、すいません。(一緒に着替えに行く)
夏目 (ついたての向こうから)紐を一方から入れて、こう出す……人がはいてるのは難しいな。……ここで縛る。はい。そうだ。(姿を現して)はい、登場ですよ!(拍手)
夏目先生がデパートで購入したスカートにはき替えたのにあわせて、宮代さんもスカートを初体験! 民族衣装店で購入されたものだそうです。取材現場は「かっこいい」「マスターっぽい」「似合っている」と大絶賛でしたがいかがでしょう?
――驚くほどお似合いです。着心地はいかがですか?
宮代 エプロンっぽいですね。まとわりついてないから快適な感じはします。
夏目 快適ですよ。なんていうのかな。お風呂から出てバスタオルを巻いている気分が持続できる。(その場にいた一同が「あー」と納得の声)
宮代 和服に近いですね。着る機会はそんなにないですけど。
夏目 その革靴とも合いますね。僕はスニーカーなんですけど、スカートをはくときにはサンダルなんかよりしっかりした靴がいいですね。男性としてはくんだから、ゴッツイ靴をはいたほうがいい。
■ エアコンは10年前より20%節電
――先ほどエアコンの使い方についてヒントをいただきましたが、ほかに注意することがあれば教えてください。
宮代 あとはフィルターの掃除をきっちりしていただくことです。本当は2週間に1回くらいするといいんですが、フィルターを掃除しないと風の通りが悪くなるので、熱交換の効率が下がって、余分な電力がかかります。
夏目 フィルターを掃除しろということを、メーカーの人が言うのはいいですね。「フィルターをしっかり掃除しながら使う商品だ」ということをしっかり説明しているメーカーのほうが、信用がおける。もうそういう時代ですね。
宮代 エアコンだけじゃなくて、空気が動くものはすべてです。空気清浄機ももちろんそうですし、意外なところではドライヤーもですね。
――え! ドライヤーもですか?(同席したカメラマンや編集者からも驚きの声)
宮代 裏にフィルターがある機種ならぜひ掃除してみてください。風量が一気に上がって、乾き方もまったく変わってきます。ちなみにエコナビのエアコンでは、自動的にフィルターを掃除してくれる「フィルターお掃除ロボット」を搭載している機種もあります。
フィルターお掃除ロボット
運転終了後やタイマー設定時にエアフィルターを自動で掃除してくれる機能。フィルターの汚れ具合を検知し、掃除回数を自動的に制御できる。
――節電意識の高まりでエアコンの省エネ性能も注目されていると思いますが。
宮代 エアコンは季節商品ですので、暑さ寒さが激しくないとなかなか伸びないんですが、昨年から節電ニーズの高まりで普段の年より販売が好調になっています。
もともと消費電力が高いとよく言われる商品ですが、基本性能ではこの15年で消費電力が約半分に下がっています。10年くらい使った商品なら買い換えるだけで10%から20%は省エネになりますので、これまで「まだいいか」と思っていた方も買い換えを検討されているようです。
――エアコンの省エネ性能はそんなに向上してるんですか?
宮代 一方で、ここから先で省エネの基本性能を上げるのがなかなか難しくなっています。冷媒の配管やアルミフィンの形状などいろいろな工夫をしているんですが、やはりガラッと良くなるということはもうなかなか。
夏目 そうですね。相当に究極的なところまで進化してきましたからねえ。
――夏目先生は物性物理、熱力学がご専門だそうですが。
宮代 エアコンのヒートポンプの技術ですね。
夏目 そうそう。だからヒートポンプなんかは熱力学の応用そのものなんですが、今はそれを超えて、ひとりひとりの生活をちゃんと見張って省エネしているんですね。生活スタイルに合わせてセンサーで個別にコントロールすることは、技術的には十分に可能だと思うんですが、それを家庭電化製品に搭載できるようにされたのはすごいことですね。
宮代 ありがとうございます。商品そのものの省エネ性能でナンバーワンを目指すだけでなく、プラスアルファとして、センサーによる「おまかせする省エネ」の提案にも時間と手間をかけてますので、そこはよく見ていただきたいです。
快適おまかせ
「快適おまかせ」ボタンを押すだけで、エアコンがさまざまなセンサーを駆使し、運転モードや風向・風量をすべてを自動で判断してくれる機能。エアコンに日付を設定しておくと、季節まで考慮してくれる。
■ 難しいことをごまかさないで説明すること
――最後に夏目先生からエネルギーに関してパナソニックや読者のみなさんにメッセージをいただければと思うのですが。
夏目 3.11以降、やっぱり時代は変わっていると思うんですね。電力、エネルギー、資源など非常に大きな問題に直面しているんですが、ちょっと見ていると、感情だけで賛成したり反対したりする方が多いわけです。
夏目雄平(なつめ・ゆうへい)
千葉大学名誉教授グランドフェロー。1946年長野県出身。1975年東京大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士。千葉大学大学院教授を退職後は、市民や子供向けの科学講座などで講演活動も多い。著書に、専門の『やさしい化学物理 化学と物理の境界をめぐる』(朝倉書店、2010)などのほか、趣味の鉄道と旅歩きを兼ねた『カラー版 小さい駅の小さな旅案内』(洋泉社、2007)や新聞連載など、文系理系の枠を超えた執筆活動をしている。
http://www13.ocn.ne.jp/~natsume/
そうではなくて、ひとりひとりが自分の問題として、失敗も含めていろんなことをやってみた体験に基づいて、そこから科学的な根拠で賛成・反対を決めていかなければならないんじゃないか。そうすれば賛否の壁を超えて、議論がかみ合ってきますからね。
――難しい問題ですね。
夏目 僕の教え子にも今一生懸命言っているんですが、こういう問題にはこういう方法とこういう方法があって、こちらの方法にはこういう長所の反面こういう短所があり、あちらは短所がこうで長所はこうだというのをちゃんと説明する。それを理工系出身の人はやっていかなければいかんと思うんですね。ぼくは理工系の教育の立場なので、どうしても最後には教育論になっちゃうんですが(笑)。
難しいことを、決してごまかさないで説明するというのは、ひとつのスキルです。それは今から活きるスキルですね。理工系の人はそのための訓練は一応受けてます。なんとかの法則を一生懸命勉強するのはそのためですから。問題を解くためだけじゃなくてね。
宮代 私たちも、難しい商品なので、いかに消費者の方にわかりやすくお伝えできるかということに苦労しています。実は私も理工系ですが、社内では文系理系関係なく、社会に貢献できる「ものづくり」を使命としています。そのために、もっと考えていかないといけないなと強く思いました。
――今日はありがとうございました。ちなみに、はじめてスカートで取材を受けられていかがでした?
宮代 ズボンより暑くない感じがありますね。
――座り方がスカートでもズボンとあまり変わらないのですね。
夏目 意識しちゃうと変だからね。やわらかさのなかにも、男っぽさを出していいと思うんだ。女装じゃないからね(笑)。
(2012年5月29日、千葉大学西千葉キャンパス・グランドフェロー室において)
7月5日追記
NAVER まとめでエコナビ関連のまとめが公開されています。あわせてご覧ください。
▽ http://matome.naver.jp/odai/2133791618148674201
▽ http://matome.naver.jp/odai/2133817672766568301
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