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べたな観光に飽きた人へ リピーターのための京都案内 「ミソジの京都」


京都旅行リピーターのための本

著者である京都在住のライター、高橋マキさんによると京都の良さがわかる「適齢期」は三十代=ミソジなのだとか。

がんばって働く自分のために、たまにはフンパツした「ご褒美」をあげたいと思えたり。なんやかんやで四半世紀を超えた人生経験によって、ホンモノがちょっとわかってきたり。世界をぐるりと見渡してみた結果、和の文化にも少し興味を抱き始めたり。

本書は、そんなミソジ女性が「自分を再発見する旅」をする際の京都ガイドブックとして定義されています。しかし、ミソジ女性のみならず、京都旅行リピーターが、もう一歩踏み込んでリアルな京都を知りたいと考えた際にふさわしい指南書であると言えます。有名どころを知り尽くした後行く、おススメの社寺や、老舗和菓子屋「老松」での「和菓子作り体験教室」など3度目、4度目の京都旅行にふさわしいスポットが紹介されています。本書を読めば、世代性別を超えて、楽しい旅を企画することができることでしょう。

リアルな京都

しかしながら、それよりもむしろ参考にすべきは本書の根底に流れる考え方です。「ちょっとがんばれば手の届く範囲で、観光客向けの京都ではなく「リアルな京都」を楽しむ」という姿勢が貫き通されています。

京都でのディナー

例えば著者は、京都でのディナーに関し、「せっかくだからおばんざいを食べたい」と言う態度を否定しています。京料理はハードルが高いが京都に来たからには和食が食べたい、という気持ちは十分理解しつつも、日常のお惣菜であるおばんざいは「せっかくだから」というハレの気分にふさわしくないと言います。著者は、「京都らしい食材を堪能したい」という思いにこたえるために、和食ではなくむしろイタリアンを薦めるべきだと考えるようになったそうです。

祇園や鴨川沿いといったロケーションもちゃっかり京都らしく、採れたての旬の京野菜、鱧、くじ(甘鯛)といった京都ならではの食材の特性を余すところなくひき出した贅沢な料理を堪能させてくれる。となれば、おばんざい屋さんよりも、断然こちらのセレクトのほうが、京都的”ちょっとハレ”の気分にかなっています。

現代人にあった京都の楽しみ方

著者は、無理して高いハードルを越えて「ほんまもんの京都」を知るのでもなく、かといって手軽なところで妥協するのでもない、現代人にあった京都の楽しみ方を提案しているのです。さて、京都が魅力的な一面を見せるこの秋に、本書を片手に京都を旅するのはいかがでしょうか。

ミソジの京都―知る・買う・食べる・暮らす

ミソジの京都―知る・買う・食べる・暮らす

文: 田中絵梨

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