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その傷、癒します――じわじわ人気の「失恋回復手帳」、裏側に密着!

暮らし インタビュー



http://www.scrapmagazine.com/wps/archives/4028.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100525-OYT1T00231.htm
「失恋回復手帳」の効果とは? - Excite Bit コネタ(1/2)
失恋してもOK? ユニークな「失恋回復手帳」 - 日経トレンディネット

■それは、スタッフの失恋から始まった

「失恋から立ち直るための手帳」――このユニークなアイテムを考案したのは、フリーペーパー『SCRAP』の刊行や「リアル脱出ゲーム」を手がけている京都の会社・SCRAP。いったい、どんな過程を経て、失恋回復手帳が生まれたのでしょうか。同社のディレクター・藤田珠美さんに話を聞いてみました。

――どういう経緯で失恋回復手帳が生まれたんですか?
SCRAPスタッフの間で失恋が続いたのがきっかけですね。
ちょうどその頃、SCRAPのオリジナルグッズを企画していたんです。で、「防災グッズを作ろう!」という流れになったんですけど、「私たちにとっての災害ってなんなんだろう」と考えたときに行き着いたのが“失恋”でした。大学で心理学を専攻していた代表の加藤が「失恋から回復するには自己を客観的に見直すのがいい」とアドバイスをしてくれて、手帳の製作が決まりました。
――それが大ヒットアイテムになったと
正直、ここまで反響を呼ぶとは思ってませんでした。過去にもSCRAPのオリジナルアイテムを作ったことがあったんですけど、どれも売れなくて(笑)これまでのジンクスが吹き飛びましたね。

■失恋回復手帳、その中身とは?


話を聞けば聞くほど興味が湧く、失恋回復手帳。いったいその中身はどんなものなのでしょうか?

<最初と最後に気持ちのバロメーターを記す>

失恋回復手帳の1ページ目と最終ページには、「新しい恋へのモチベーション」「最近、よく笑っている」「自分のことが好き」など、6つの項目が書かれたグラフがあります。ここに自分の状態を記録し、この手帳をつけ始める前と、つけ終えた後で気持ちの変化を比較することができます。

<自分の内面を見つめる、3ヶ月>

いつでも始められるよう、スケジュールページの日付は個人で記入。書き込めるのは3ヶ月分で、これは「失恋の回復にかかる時間」について、SCRAPがアンケート調査した結果から。調査結果では平均122日だったものの、手帳を使って自身の内面と向き合えばもっと早く回復できるはずという推測から、3ヶ月になったそうです。

<あらゆる観点から傷を癒す方法を紹介>

記入例。日々の出来事、気持ちの変化を記していきます
日記を書くページの上部には、「生きてるだけで丸もうけ」(明石家さんま)や「あなたが転んだことに興味はない。あなたが立ち上がることに興味がある」(リンカーン)など、著名人による名言が。そのほか、オススメのレシピや快眠できるヨガの紹介、泣ける映画のレビューなど、随所に失恋回復をサポートするアイデアが盛り込まれています。

■ひとつひとつ、気持ちを込めて手作業


注文が殺到している失恋回復手帳ですが、表紙のフクロウの涙は色鉛筆で手塗り、角はコーナーカッターで丸く、涙のスタンプが押された封筒に赤いヒモをかけてラッピングと、印刷・製本以外はすべて手作業で行われています。手間はかかりますが、失恋回復手帳を必要としている人たちの傷が少しでも早く癒えるよう、気持ちを込めて作業しているそうです。

■製作スタッフが語る、失恋回復手帳の裏側

失恋回復手帳はデザインやテキスト、イラストなどもすべてSCRAPスタッフによるもの。製作に関わった3人に、失恋回復手帳の裏側を語ってもらいました。

<すっと描いたものが採用になった>
カバーのイラストを手がけたのは、元SCRAPスタッフで、現在は京都のデザイン会社・Marble.coに務める白木友子さん。どうやってこのフクロウが生まれたのでしょうか。

手に持っているのは、失恋を特集したSCRAP32号
最初から動物で失恋した雰囲気を出そうと考えていて、“夜”“泣く”というイメージからフクロウに決まりました。
写真を見ながら何度か描いてみたもののどれもダメで、何となく描けたこの子が採用になりました。そのままなんですけど、私は「フクロウちゃん」って呼んでいます。この手帳を使うことで、少しでも早く失恋から立ち直ってもらえたら。


<センチメンタルな心に寄り添う>
企画立案から携わってきたデザイナーの星川さんと、映画レビューページのテキストを担当した高川さん。デザインのこだわりや気に入っているページについて聞いてみました。

デザイナーの星川さん(左)ライターの高川さん(右)
今回のデザインを始めるにあたり、重視したのは“色”でした。今回は緑や黄緑をメインカラーに設定しているんですけど、これには「“芽”を出してほしい」という願いが込められています。また、スケジュールページも、沈んでいる1ヶ月目は落ち着いた青、3ヶ月目は明るい赤と気持ちに寄り添う配色を心がけました。全体のデザインもシンプルで、とても使いやすいと思いますよ。(星川さん)
私は失恋したとき、気分転換のためできるだけ外に出るようにしているんです。失恋回復手帳の中にある「京都ぶらりMAP」は、まさにそういったタイプの人にオススメのページ。もちろん、家の中で過ごしたい人のために、オススメ映画の紹介やレシピもあります。失恋した人にとって安心できる存在を、SCRAPが作れたんじゃないのかな、と思っています。(高川さん)


今回、インタビューをした方々に「失恋したら何をしますか?」と質問してみると、「深夜に泣ける映画を見る」「飲みに行く」「友達と会う」「次のことを考える」など、いろいろな案が出てきました。失恋の回復方法は人それぞれですが、その方法のひとつに「失恋回復手帳」を入れてみるのはいかがでしょうか?きっと、前に進む手助けをしてくれるはずですよ。

<失恋回復手帳>
http://www.scrapmagazine.com/wps/archives/4028.html
一冊600円(+送料200円)
購入に関する詳細は、上記のURLへアクセス。

文: タニグチナオミ

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