アスペルガー、シモ・ヘイヘ、不気味の谷――はてなブックマークで人気のWikipedia記事ベスト10

※以下のランキングは、2010年8月4日(水)14時時点におけるデータを元にしています。


■ 10位:アスペルガー症候群(242users)


第10位は、『興味・関心やコミュニケーションについて特異であるものの、知的障害がみられない発達障害』を指す「アスペルガー症候群」。今年の5月には、有名な米国のハッカーであるエイドリアン・ラモ氏がこの障害の診断を下されたことで、話題になりました。(参考:アスペルガー症候群とハッカー:中年での診断が増加 « WIRED.jp Archives)。アスペルガー症候群については、以下のサイトでも詳しく解説されています。

以前に2ちゃんねるで「アスペルガー症候群」の特徴を箇条書きにした”コピペ”が大流行するなど、不思議に日本のネットではよく話題になる障害で、どこかで目にした記憶のある人も多いのではないでしょうか。Wikipediaの記事中には、医師のコメントとして『診察で否定しても「自分はアスペルガー症候群に違いない」であるとか、対人関係がうまくいかないことに「アスペルガー症候群でこうなった」と決め付け、食い下がる患者が多いと言う』とあり、知名度が高まった故の「ステレオタイプ化」がもたらした弊害についても指摘されていました。


■ 9位:三毛別羆事件(250users)


第9位は、1915年(大正4年)に北海道で起きた『日本史上最大最悪の熊害(ゆうがい)事件』である、「三毛別羆事件」。はてなブックマークのコメントで「描写が凄い。もはや読み物」とあるように、記事の執筆者が尋常ならざる文章力で、巨大なヒグマによって人々が無力に殺されていく地獄絵図の光景を描き出しています。

なお、上の記事では、「死んだふりをすると熊に襲われない」という迷信は、この事件をキッカケに広まったのではないかとしています。イソップ寓話に熊に出会って死んだふりをする話があり、海外にもこの習慣があることを思うと、本当にこの事件が起源であるかは分かりませんが、上の記事でも注意されているように「死んだふり」は決して有効ではありません。


■ 8位:人生、宇宙、すべての答え(256users)


第8位は、2005年に遂に映画化もされたSF小説のカルト的傑作『銀河ヒッチハイク・ガイド』に出てくる、「人生、宇宙、すべての答え」。この答である「42」という数字は、高次元空間に存在する優れた生命体の3次元空間への射影であり、実は高い知能を持っていたハツカネズミたちが作ったスーパーコンピュータが、数百万年の計算の末に導き出したもの。ちなみに、下の検索結果を見れば分かるように、この答えはGoogle電卓でも出て来るようです。

もちろん実際には、この答えは著者のダグラス・アダムズが作ったジョークですが(参考:Why 42 ? - alt.fan.douglas-adams | Google グループ)、それがこんな風に広まってしまうあたりに、海外におけるSFとハッカー文化との関係の深さについて考えさせられます。


■ 7位:不気味の谷現象(277users)


第7位は、あまりにも人間に近い挙動をするロボットを見た際に、私たちが感じる「不気味さ」を表現した、「不気味の谷現象」。ロボット工学者の森政弘氏が、1970年に自身の著作で指摘したものです。

実は彼がこの概念を提唱した時点では、人間をリアルに模倣した視覚表現は作られておらず、これは単なる思弁に過ぎませんでした。しかし、近年のCGによる人物表現やアンドロイド開発における進展は、一定のリアルさを超えた人物表現が、確かに私たちに不気味な印象を抱かせることを明らかにしてきました。また、2009年にはてなブックマークで話題になったサルを用いた実験では、実際にサルの反応をプロットしたグラフが「不気味の谷」らしきものの存在を示していることが紹介されていました。

いずれにせよ、リアルなヒューマノイドや3DCGの人物表現が話題になった際には、必ずと言っていいほど登場する言葉なので、覚えておくと便利かもしれませんね。


■ 6位:DHMO(287users)


第6位は、一酸化二水素こと「DHMO」。要は「水」のことですが、以下のように説明されると、何だか非常に怖ろしいものに見えてきます。

  • 水酸と呼ばれ、酸性雨の主成分である。
  • 多くの材料の腐食を進行させ、さび付かせる。
  • 各種のジャンク・フードや、その他の食品に添加されている。

インターネットでは古くから、このDHMOについてのジョークサイトが多数作られており、その内容を真に受けたカリフォルニア州の市議会がDHMO規制の決議を行ってしまったという事件もあったようです。時折、私たちの生活に欠かせないはずの栄養素や物質が、何かとてつもない危険を秘めているかのように、科学用語や統計結果を用いて示す文章を見かけることがありますが、そんなときはこのジョークを思い出して、冷静に判断したいものですね。


■ 5位:UVB-76(303users)


第五位は、30年以上にわたって鳴り響いていたブザー音が突然消滅したことで先日話題になった、ロシアの短波放送局「UVB-76」。

実は放送局周辺にロシア連邦軍参謀本部があってスパイに暗号を送っているという説、何らかの装置の障害を検知するために流しているという説、など様々な憶測が飛び交っていますが、結局のところ真相は謎のままです。背後に会話音が入ることもあることから、ブザーを発生させる装置にマイクを当てているようだとの話もあり、本当に不気味です。ちなみに、今回の停止は一時的なものだったようで、また単調なブザー音の反復は再開しているとのことです。


■ 4位:バーナム効果(324users)


第4位は、「血液型占い」批判などでしばしば言及される、「バーナム効果」。誰にでも該当する一般的な記述を、あたかも自分に固有な記述であるかのように捉えてしまう心理現象を指し示す心理学用語です。

数年前に、深夜番組「A女E女」での催眠術パフォーマンスなどで有名な作家・松岡圭祐氏が、自身の小説『ブラッドタイプ』のプロモーションを兼ねて、「究極の血液型心理診査」なるサイトを作成。それがmixiなどで「当たっている」と大評判になったあとに、デタラメであったことを暴露して大きく話題になりました。

その際に彼が説明として用いていたのが、まさにこの「バーナム効果」でした。もし周囲に血液型占いの結果を押しつけてくる「血液型ハラスメント」で迷惑をかけているような人がいたら、伝えてみるといい言葉かもしれませんね。


■ 3位:シモ・ヘイヘ(358users)


第3位は、ネット上で歴史に残る「天才」は誰かという話になると、最近はもう必ずと言っていいほど登場してくる、フィンランドの伝説的スナイパー「シモ・ヘイヘ」。

「戦車と合流すれば安全だろうと駆け寄ったら、戦車長がシモヘイヘから狙撃済みだった」「野営中の真夜中にトイレからテントまでの10mの間にヘッドショットされ即死」など、ほとんど俄には信じがたい彼の業績を箇条書きにした”コピペ”も作られており、日本でのヘイヘの知名度はますます高まっているようです。


■ 2位:空飛ぶスパゲッティ・モンスター教(374users)


第2位は、ブッシュJr.政権時代に米国カンザス州の市議会で、公教育にインテリジェント・デザイン説を持ち込む案が採択されそうになったことに抗議して創始された、「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」。

この宇宙を知性ある設計者の手になるものと考えるインテリジェント・デザイン説については、以下のエントリーが参考になります。

インテリジェント・デザイン説のナンセンスぶりを、パロディと笑いを用いて表現してみせたこの宗教は世界中で大人気。この宇宙を創始したという、スパゲティとミートボールでできたモンスターの絵も、色々な場所で見かけますね。


■ 1位:0.999...(402users)


第1位は、無限小数の「0.999...」。小学生時代に、この無限小数が「1」に等しいと聞いて、直感的に理解できず困った経験がある人も多いのではないでしょうか。このエントリーでは、大学学部レベルの実解析を用いた本格的な証明に加えて、簡単な代数計算を用いた(厳密な証明ではないものの)直感に訴える説明や、教育現場で混乱が起きる理由についての考察なども紹介されており、非常に充実した内容になっています。

マイナス×マイナスがプラスになる理由や、錐体の体積算出時に1/3をかける理由などと並んで、初等教育で登場するにもかかわらず実は証明が難しい、この話。興味のある方は、ぜひこの機会に読んでみてください。

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