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何故、余っていたはずの会計士が足りないのか。-【はてなの風景36】



何故、余っていたはずの会計士が足りないのか。

この記事は「業界内から見たこの10年の会計士需給の変遷と背景」を説明しています。公認会計士試験の合格者数は2006年の新試験制度導入で一度は急増し、2007年には4,000人に達します。ところが、国際財務報告基準の導入など金融庁による会計士増の目論見は外れ、2008年には折しもリーマンショックが重なり、合格者の多くに仕事がないという状況に陥りました。その後は絞り込まれ、2014年の合格者は1,000人程度に留まっています。需要と供給が一時的に大きく崩れたことで、会計士離れが進んでおり、現在は監査法人の採用枠に対して人材が足りていないそうです。

匿名の投稿者は、現場の視点からこの経緯を振り返っています。合格者が爆発的に増えた2006年には「当然ながら合格者の質は酷く、一流企業に連れて行くのが恥ずかしかった」とのこと。「この人数の採用は経営的に危険だ」と進言したこともありますが、経営層からは「人がいれば仕事はなんとかなる」という回答でした。

また、「ところで監査というのは不思議な業務で、リーマンショックのような不況で企業の業績が悪化すれば、粉飾のリスクは増すので監査の工数は増やすべきである。しかし、現実には監査報酬を払っているのは企業であるため、業績悪化に伴い監査報酬が減額されてしまう」と嘆いています。「担当する大手企業から契約を切られれば、出世の終わりを意味する」ことから、報酬の減額を飲むしかない会計士の切ない事情が書かれています。

この文章について、はてなブックマークのコメント欄のリアクションをご紹介します。


「こういうの読むと毎回思うんだけど、日本でPDCAが一番必要なのは行政だよな」

「人材の需給で合格基準を変えるのは資格試験としておかしいと思うのだが・・・」

「そういう意味では医師会が医学部定員(1年後との医師資格獲得者数)を増やさないよう圧力をかけ続けてるのは、医師会の構成員たる医師に良好な就労環境にを提供しているなぁ、と」

「なるほど。似たような話で、10年後ぐらいから、薬剤師で似たようなことが起こるよ。今は、引く手あまたなんだけどねぇ」

「司法試験も似たような話を聞くわけで…」

「急激に少人数クラスにしても、教師の質が下がるので教育の質は必ずしも向上しないという記事を読んだばかりだ。専門職はじっくり時間をかけて養成しないと駄目。急激に増やすのは逆効果」

「しかし、我が国の資格ビジネス政策マネジメントは、全て失敗してると言っていいな」


とのことでした。


Title Photo by Dennis Wong

文: 新野漸

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