京都の楽しみ方に、「舞台芸術」を加えてみませんか? 歴史ある劇場で披露される伝統芸能以外にも、五感を刺激する新感覚のエンターテインメントショーなど、幅広い作品が日々上演されています。京都を訪れる新しいきっかけになりそうな、5つの劇場・作品を紹介します。
■ 世界中から観客が訪れる「ギア -GEAR-」
「ギア -GEAR-」は、言葉をまったく使わず五感を刺激することで楽しむというエンターテインメントショー。1928ビル(三条御幸町角)の3階にあるイベントホール「ART COMPLEX 1928」を専用劇場に、2012年4月からロングラン公演を続けています。
物語の舞台は、人間型ロボット「ロボロイド」が働き続ける元おもちゃ工場。かつてこの工場の製品だった人形「ドール」と出会ったロボロイドは、異物に対する解析機能を通じ、“好奇心”と“遊び”を獲得して徐々に人間へと近づいていきます。観客の中には外国人も多く、旅の口コミサイト「トリップアドバイザー」では国を超えたさまざまな感想が見られます。
■ 歌舞伎発祥の地に伝わる文化財「南座」
▽ 南座
京都を代表する繁華街・四条河原町は、出雲の阿国が「かぶき踊り」をした歌舞伎発祥の地といわれています。四条大橋のそばにある「南座」は、国の登録有形文化財に登録されている建物。1615~1623年に建てられた7つの櫓(やぐら)の伝統を伝える唯一の劇場でもあります。
上演作品のジャンルは歌舞伎をはじめ、落語やコンサート、松竹新喜劇などさまざま。観劇の合間には、館内の京料理店「南座花萬」で、鴨川を眺めながら「幕間弁当」を味わうのもよさそうです。
■ 祇園の春を彩る、舞妓・芸姑の舞踊公演「都をどり」
▽ 祇園甲部歌舞会 公式ウェブサイト:都をどりの公式WEBサイトです。
▽ ご指定のページまたはファイルは見つかりませんでした。/京都府ホームページ
「都をどり」は、祇園甲部歌舞練場で毎年4月1日から4月30日まで開催される、舞妓・芸妓の舞踊公演です。1872年(明治5年)に開催された京都博覧会の余興として企画されたのが始まりで、2015年は142回目です。「茶券付特等観覧券」を購入すると、公演前に、芸妓さんによる立礼式(りゅうれいしき)のお点前をお茶席から眺めながらお菓子と抹茶を堪能できます。団子皿は記念品として持ち帰ることができます。
公演は全8景で構成。「置歌(おきうた)」と呼ばれる第1景では、これから上演される全景の見どころをそれぞれ唄で紹介します。都をどりは初演から総踊り形式を取り、名所を長唄や踊りで表現してきましたが、1915年(大正4年)からは「別踊」という中挟みの場面が設けられました。別踊の題材は主に歌舞伎や文学などから取り入れられ、時には大河ドラマがモチーフになることも。華やかな衣装や優雅な踊りは必見です。
■ 廃校「元・立誠小学校」を舞台に繰り広げられるドラマ
▽ 元・立誠小学校
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1928年(昭和3年)に建設され、1993年(平成5年)に閉校した中京区の元・立誠小学校。現在は教室を使った演劇や映画などのイベントが行われています。学校という普段の劇場とは違った場所で上演される演劇は、新鮮な気持ちで見ることができそうです。
■ イベントが“実験”の場になる「京都国際舞台芸術祭」
2010年から毎年秋に開催されている「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭」は、世界の舞台芸術を紹介する国際舞台芸術フェスティバルです。2014年には国内外から11組のアーティストが集まり、“未知なる表現”や“真摯な試行”に満ちたプログラムを上演。ナイトクラブの一夜を再現したようなダンス作品、歌舞伎演目を現代化した作品など、ジャンルもさまざまでした。
次回は2016年で、春と秋に分けて行われます。2016年1月にリニューアルオープンする「ロームシアター京都(京都会館)」のオープニング事業の一環として、メイン会場をロームシアター京都に移し、装いも新たに開催するとのことです。
Title Photo by Jennifer Morrow