「草食系男子」という言葉が、最近マスメディアでも話題になり始めています。Wikipediaによると、『一般的には、協調性が高く、家庭的で優しいが、恋愛に積極的でないタイプの男性。』と記されていますが、細かい定義に関しては、論者によって意見に違いがある模様。
ちなみに、この言葉の発祥とされている深沢真紀氏の記事(2006年)によると、『恋愛やセックスに「縁がない」わけではないのに「積極的」ではない、「肉」欲に淡々とした』男性のことを指しているようです。
現実の女性がもつ、男性への多様な嗜好性を指摘した好著「草食系男子の恋愛学」 - 世界のはて
上のリンクでは、深沢氏による「草食系男子」の命名から約2年後に刊行された、『草食系男子の恋愛学』(森岡正博)を紹介しています。確かに、「女性は男性に対し、必ずしも『社会的能力』や『男らしさ』を求めるわけではなく、『安らぎ』や『癒し』を第一に求める女性も非常に多い」という点は、筆者も周囲の女性の話から感じる印象です。
こうした男性と女性の関係は、深沢氏が2006年の時点ですでに指摘していたように、ある年代以降の人たちには、奇妙で頼りなく見えるのかもしれません。しかし、これを価値観が多様化した現代における、男女関係の一つの形と見ることも可能です。
こうした女性の要求を、「ペットのように扱える男性を求めている」と批難したくなる人もいるかもしれません。しかし、男女関係は当人たちが満足していることが何よりも大事。もし、こうした女性の存在に少しでも気分が軽くなる男性がいるとすれば、これもまた現代における恋愛の一つのあり方なのではないでしょうか。