『七人の侍』や『天国と地獄』などの大作娯楽映画を監督し、スピルバーグやタルコフスキーなど多くの映画人に影響を与えた、昭和の邦画界を代表する巨匠・黒澤明。そんな彼の資料2万点を収めたデジタルアーカイブが公開されました。
黒澤デジタルアーカイブ
このサイトでは、黒沢プロが所有している監督の構想メモや台本、撮影風景写真などの資料の劣化を防ぐために、05年から龍谷大と共同で進めていた、デジタルアーカイブ化の成果を見ることが出来ます。若い頃の長身でスラっとした体型の黒澤氏の写真や、力強い字で書かれた直筆の創作メモからは、今では文章や映像でしか触れることの出来ない生身の黒澤氏の姿が浮かび上がってくるようです。
また、サイト内には、監督に『族長の秋』の映画化を持ちかけたこともある作家 ガルシア=マルケスと歓談している写真や、ついに撮影されることのなかった黒澤明版『暴走機関車』の台本の一部、あるいは出征する山中貞雄監督への「おっさん、待ってまっせ」と記された寄せ書きなど、映画史的に大変に貴重な資料も。映画好きな方にはたまらないサイトになっています。