「ウージの森で/あなたと出会い/ウージの下で/千代にさよなら」――THE BOOMの名曲『島唄』が、沖縄音階を基調に作曲されたことは知られていますが、実はこの箇所だけが日本の音階になっています。そこには、この曲の作者・宮沢和史氏の沖縄への思いが隠されているようです。
上の記事によれば、実はこの箇所の歌詞は、「ウージの森」がサトウキビ畑のことで、「ウージの下」が畑の下にあったガマ(自然洞窟)のことで、つまりは第二次大戦末期の沖縄戦での「ガマでの集団自死」を暗示していたようです。この集団自死に日本の軍事教育の問題があったと考えた宮沢氏の判断で、この箇所のみが日本的な音階になっているようです。ちなみに、この記事を紹介したブログ「フェルマータ」では、千代と八千代が君が代を暗示しているのではないかという考察も記されていました。
島唄の歌詞に込められた「沖縄戦の記憶」については、例えば「島唄の歌詞の本当の意味」 による解説が参考になるかもしれません。今や世界中で歌われる唄となったこの「島唄」には、沖縄の人々の悲劇の記憶が込められているようです。