昨年もリメイクが話題になった、庵野秀明監督による伝説のアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』。熱狂的なファンが多いアニメで、数々の評論が書かれていますが、しばしば指摘されるのが登場人物・綾波レイの殺風景な「コンクリート打ち放し」の部屋。「あの頃の僕の心象風景そのものだった!」なんて熱く語る人もいる印象的な場所ですが、建築関係者によればあの壁は「コンクリート打ち放し」ではあり得ないそうです。
▽ 綾波の部屋は本当に打ち放しなのか?|建築エコノミスト 森山のブログ
「建築エコノミスト 森山のブログ」のエントリーでは、作画で部屋の壁にあった穴の位置を理由に、「コンクリート打ち放し」ではないと結論しています。こうなると、当然ながら「では、あの部屋の壁は何だったのか?」という疑問が湧いてくるわけですが、これにも著者は極めて具体的な答を出しています。曰く、「ニチエー吉田工法 の『ノンクリート打ち放しボード』ではないか」とのこと。
おそらく、この綾波レイのクール過ぎるインテリアを構成する内壁面は、ボードです。
これがまたコンクリート打ち放し界の重鎮、コンクリートを知り尽くした男として有名な、
pikayoshi72 こと吉田晃社長率いるニチエー吉田工法 の「ノンクリート打ち放しボード」だと推測されます。
ただ、どうやら同社社長の吉田晃氏の解説を見るに、この「ノンクリート打ち放しボード」とは、経年劣化するコンクリート表面を、「コンクリート打ち放し」らしさを残しつつ保護するための製品のようです。そうなるとコンクリではなかったとは言え、やっぱり見た目が殺風景であることは変わらないのでは……という気も。いずれにせよ、通好みのボードでスタッフの部屋をメンテナンスしてあげる程度には、ネルフは優しかったのかもしれません。