鉄道の撮影を趣味とする「撮り鉄」や車両や路線の廃止時に駆けつける「葬式鉄」など、ひとくちにファンといっても奥が深いのが鉄道。女性の鉄道ファン、いわゆる「鉄子」がブームになるなど、今も昔も、鉄道趣味に興じる人は少なくありません。しかし、近ごろ問題視されているのが、一部の心無い鉄道ファンによる行き過ぎた撮影や車内での迷惑行為。撮影のために線路に侵入してダイヤを乱したり、一般の乗客に暴言を吐くといったニュースが、連日報じられています。そんな中、雑誌『鉄道ファン』の編集部が、公式サイトで悪質な鉄道マニアに言及、マナー向上を訴えかける声明を発表しました。
▽『鉄道ファン』編集部から読者のみなさまへお願いとお知らせ|鉄道ニュース|2010年2月17日掲載|鉄道ファン・railf.jp
この声明ではまず、2月14日に起きた「撮り鉄」が団体用の貸切電車「あすか」の撮影のため線路に侵入し、列車の運行を30分もストップさせた出来事に触れ、「編集スタッフ一同が大きなショックを受け、危機感を深めたしだいです」とコメント。同誌では、線路や一般家庭に立ち入って撮影したような写真に関しては掲載しないとし、さらにマナーやルールを取り上げた記事も企画していることを明かしました。
最後は「みなさまも社会の一員としての自覚と責任を持って鉄道趣味を愛されるよう、本誌からもお願いを差し上げるしだいです」と結んでおり、同じ鉄道趣味を持つ仲間として、注意を喚起しています。
はてなブックマークのコメント欄では、「こんなことを書かなければならなくなったこと、編集部の中の人の悲しみが伝わります 」や「ファンの為にある雑誌を刊行している企業がこう言うお願いを掲載するまでの深刻な事態を鉄オタは今一度認識するべき」といった声がたくさん寄せられています。
大好きなものを愛でるためなら何をしてもかまわない、ということは決してありません。『鉄道ファン』編集部の声が渦中の人たちに届くことを願うばかりです。