市民農園が人気で順番待ちだったり、農業回帰が取りざたされたり、という今日この頃、「植物を育ててみたい」という方も少なくないと思います。ただ、興味がある半面、「水やりを忘れてしまいそう」「時間をかけられるか自信がない」という心配も。今回はそんな心配をよそに園芸を楽しめる便利な道具、さらには園芸環境を自作している人たちの様子まで、まとめて紹介していきたいと思います!
春も終盤、随分あたたかくなってきました。野菜の苗植えカレンダーを見てみると、トマトやナスをはじめたくさんの野菜がリストアップされていて、夏に向けて園芸のはじめ時と言えそうです。
▽ http://inaka-de.com/kateisaien/calender/yasai
プランターを利用して栽培している方のエントリーも。広い土地がなくても、自宅のベランダではじめられますね!
▽ http://planter.jp/YASAI.html
実際食べられる野菜をさっそく手がけてみたい…というのは筆者だけかもしれませんが、育てるものは何であれ、まず不安になるのが水やりの問題ではないでしょうか。「毎日忙しくて水やりを忘れてしまいそう」「旅行など長期で外出する時はどうすれば…」など不安は尽きません。でも、心配は無用です。ちょっとしたテクニックや文明の利器が園芸ライフをサポートしてくれます!
気軽に挑戦できる方法から、園芸環境を自作している達人まで、順に見ていきましょう。
■ まずは気軽に、アナログな方法から
まずは手軽にかつ低コストではじめられる方法から。
上のエントリでは、後述の自動水やり機以外に、「人に頼む」にはじまり、「底面給水鉢を利用する」「二重鉢を利用する」「鉢皿に水をためる」「日よけをする」といった方法を紹介しています。それぞれの方法の向き不向き、注意点も紹介されていて、参考になります。また、保水材というものもあるようで、以下のエントリでは顆粒状、ゲル状の2種類が紹介されています。
▽ 長期旅行中の留守も解決!鉢物への水やり [家庭菜園] All About
この保水材で水やりを1/3に減らせるとのこと。さすがに1週間水やりなしでも大丈夫…とはいきませんが、2、3日なら何とかなりそうです。日々忙しい方には心強い味方になりそうです。
■ 水やり装置のいろいろ
日々の水やりに加えて、出張や帰省などで少し長めに家を空ける時に水やりが心配…ということもあります。ここではそんな時にお役立ちの水やり装置を紹介していきたいと思います。
まずは、手ごろな価格で、仕組みが簡単なことからメンテナンスの心配もない簡易給水器から。
「2Lボトルで4~5日もちます。」とのこと。このような簡易給水器を自分で作ってみたいという方には以下のエントリーが役立ちそうです。
▽ M.Ishiiのエコ本語・旧式 : 簡易自動給水器の作り方
▽ 水やりのコツ 留守中の水やり 2ページめ 長期編|ヤサシイエンゲイ
もう少し長めの期間水やりができないという人には、自動水やりタイマーがあります。安価なものではありませんが、指定の時刻に水をやることができて、土の中の水分量を検知して水の量を調整してくれる高機能な製品も。
タカギ 水分センサー付かんたん水やりタイマーセット(自動潅水セット)
- メディア: その他
簡易な装置からはじめて、必要に応じてレベルアップしていくとよさそうです。
■ やっぱりいた、自作する人たち
水やりタイマーを見て、「便利そうだな」「ほしいな」と思った方も少なくないと思います。「作れそうだ」と思った方もいるかもしれません。そうです、作れてしまうのです。昨年刊行された雑誌「Make Vol.8」ではArduinoというマイコンボードを使ったガーデニングシステムが紹介されました。その名も"gardening + Arduino"で"Garduino"。
Make: Technology on Your Time Volume 08
- 作者:オライリー・ジャパン
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2009/09/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
以下のエントリーでMakeで紹介されたガーデニングシステムについて読むことができます。写真も掲載されていて一見の価値有です!
▽ Garduino: Gardening + Arduino
「土の湿度のレベルが規定値以下になったら水をやる」「15時間光が当たるように暗くなったらライトをつける」「植物のまわりの温度が10度以下になったら知らせる」といった機能があるとのこと。市販の水やりタイマー以上に機能が充実していて、Geek魂を感じますね!
園芸システムに役立ちそうなパーツを紹介しているページを見つけたので、合わせてご紹介します。
▽ 建築農業工作ゼミ2009-2010: 「比較栽培」に利用できそうなセンサや部品について
Arduinoボードは書籍やウェブ上のTipsが豊富です。腕自慢の方はこれを機に自作園芸システムの構築に挑戦してみるのも楽しそうですね!
■ おわりに
気軽に始める園芸から自作ガーデニングシステムまで、まとめて紹介してきました。多くのものが便利に手に入ってしまう時代、多少手間やコストはかかってしまっても、植物が育っていく様子を目の当たりにする経験は代え難いものなのかもしれません。
ハイパーメディアクリエイター高城剛さんは著書『オーガニック革命 (集英社新書)』の中でWebカメラや自動水やり機を利用してミニトマトを栽培していると書いています。筆者はこの本と前述の雑誌「Make」の影響を受け、たのしくてかっこいい、そしてストレスフリーな新しい園芸の機運を感じています。便利な市販の道具をはじめ、手元のArduinoボードも使って、久しぶりに園芸に挑戦してみたいと思っています。
ぜひこのエントリをきっかけに、園芸ハックに挑戦してみてください!
The Photo is by Manjith Kainickara.
- 作者:高城 剛
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/01/15
- メディア: 新書