代表選手の発表や強化試合を経て、6月11日の開会に向けてサッカーワールドカップの盛り上がりが高まりつつあります。開催地は南アフリカ共和国で、ワールドカップ開始以来、初のアフリカ開催。アフリカには興味を持っているものの、支援、投資やビジネスといった話題で名前を見聞きするくらいで、詳しくは知らないという声も。今回は、そんな方のために、アフリカを知るきっかけになりそうな情報を紹介したいと思います。
アフリカと言うと治安や衛生、貧困の問題をイメージする方がいるかもしれません。事実、ワールドカップ開催に向けて、外務省もホームページで注意を呼びかけています。
▽ 外務省
安全に配慮するにこしたことはないのですが、行きすぎた先入観からアフリカを敬遠してしまってはもったいないところ。「アフリカの毒」という言葉もあるくらい、人を魅了してやまない土地でもあるのです。
最近ブックマークを集めた、アフリカの問題と魅力の両面を描いた書籍を紹介しましょう。
- 作者:山田 肖子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/03/19
- メディア: 新書
児童書とあなどるなかれ。「例によってジュニア新書はあなどれない。」というはてなブックマークのコメントもついており、実際、冒頭の解説はわかりやすくコンパクトにまとまっていて、大人のアフリカ入門にもぴったりです。「アフリカを知ろう」「アフリカの研究者にきいてみよう」の二部構成になっていて、前半は、この本の編著者である山田肖子さんによるアフリカの国々とその歴史、グローバル社会と現代のアフリカの解説、後半はアフリカ研究に携わる社会・人文科学分野の研究者へのインタビューになっています。前半でアフリカの概要をつかんで、後半は興味を持ったトピックをピックアップして読むだけでも、ニュースで伝わる無機質なアフリカ像や、今まで持っていた先入観を払拭できそうです。
また、NHKでは南アフリカ共和国に関するドキュメンタリーを2週に渡って放送しています。これに続いて、6月半ばからはアフリカ各国に関するドキュメンタリーも放送されるので、合わせてチェックしてみてください。
▽ http://www.nhk.or.jp/wdoc/yotei/index.html
小さい頃、地理の授業で習っても、距離的な遠さもあり、なかなか思いをはせることがなかったアフリカ。改めて目を向けてみると、問題の陰には、深い魅力や、意外な日本とのつながりがあります。ワールドカップの盛り上がりをきっかけに、南アフリカ共和国はじめ、アフリカ各国の実情に目を向けてみてはいかがでしょうか。ワールドカップも一層楽しめるはずです!
The Photo is by "futureatlas.com".