国民生活センターは8月4日(水)、消費者から寄せられた「3D映画を観て気分が悪くなった」との相談を受け「3D映画による体調不良」の報告書を発表しました。現在、多くの3D映画が上映されていますが、鑑賞上のリスクの周知や注意喚起が十分に行われていないようです。
▽ 3D映画による体調不良(発表情報)_国民生活センター
「アバター」や「アリス・イン・ワンダーランド」、「トイ・ストーリー3」など、急速にその市場を広げている3D映画。観客を驚きと感動の世界へ連れて行く一方で、映像酔いによる頭痛、眼精疲労などの体調不良の相談が消費者トラブルメール箱やPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられ始めているようです。
国民生活センターが発表した相談事例は以下の3つ。
- 3D映画を観て激しい頭痛に悩まされた。映画館では事前の注意のアナウンスなどもなかった。後で確認すると同行者も同様の症状になったそうだ。
- 3D映画を一緒に観に行った中学1年生の娘が乗り物酔いのようになった。自分も眼精疲労と頭痛が起こった。
- 字幕版の3D映画を観た後、目の奥が痛み、物が二重に見え、数日続いた。友人と話していたら、特に字幕版を観た人に異常が出るようだとの話が出た。
こういった体調不良は3Dに限らず、映像の視聴上起きうる症状ですが、2Dより3Dの方が映像酔いを起こすおそれがあると言われています。しかし、国民生活センターは「人によって体調不良を起こすおそれがあることについてはほとんど周知されていない。寄せられた相談事例でも、映画館での注意表示や注意喚起のアナウンスがはっきりあったと認識していない」と、事業者が行うべき、消費者への注意喚起の甘さを指摘。同時に、国民に向けて以下のようなアドバイスも発表しています。
(1)3D映像は体調不良を起こすおそれがあることを知っておこう
(2)体調不良を感じたら視聴を中止する
(3)子どもは保護者がしっかり配慮する
その他の詳細についてはPDFファイルにまとめられています。