2010年も、もうすぐ終わり。今年もインターネットはさまざまな話題で私たちを楽しませてくれました。今年のインターネットで、常によく盛り上がっていたサービスはTwitterでしょう。単に日々の生活を報告するミニブログとしてだけでなく、最近では速報性の高いメディアとしても認識されてきました。はてなブックマークで注目を集めたTwitterの話題を、1月から12月まで一月ずつ振り返ってみます。
■ 1月:「あけましておめでとうございます」 元日に現役首相がTwitter開始
元日に、鳩山由紀夫前首相がTwitterをはじめて、注目を集めました。現役首相によるアカウント開設の噂は瞬く間にTwitterで広まり、鳩山氏のもとにフォロワーが殺到。それに律儀に一人ひとりフォローを返していたのも、話題を呼んでいました。
<はてなブックマークのコメントから>
- すごい勢いでフォロー返ししてる
- 鳩山総理本物キター
- 社会のインフラと化すツイッター
■ 2月:UCCのTwitter炎上 見事な消火でかえって好評価
Twitter上でつぶやかれた「コーヒー」などの単語に反応してユーザーに宣伝メッセージを自動で送る、UCC上島珈琲のキャンペーンへの苦情が殺到。開始から2時間で中止になりました。その後、UCCグループは迅速に事後対応を行い、その真摯な姿勢がかえってユーザーの好感を呼ぶことになりました。
<はてなブックマークのコメントから>
- Twitterの企業アカウントとは、中に人がいてこそのもの、だと思います。UCCはそのことにたぶん気付いた。
- 火消しが見事だと好感度が上がるといういい見本かもしれない。
- 苦い経験を生かすことによって、今後の企業活動はより深みを増すことになるでしょう。珈琲だけに!
■ 3月:ネットでラジオを同時配信 radikoの試験配信開始
ラジオ放送をインターネットで同時配信するサービス「radiko」。その試験配信が15日からはじまり、大きな話題を呼びました。その後、8月までの予定だった配信期間はユーザーの人気を受けて延長され、12月には株式会社radikoが設立。本格的な実用化を目指して、動き出しているとのことです。
<はてなブックマークのコメントから>
- サイマル放送listenなう。めちゃくちゃ音いいねぇ。
- 職場の有線がなくなってさびしかったから、ちょう助かる。これで新しい音楽が聴けるー
- アンテナじゃまともに聞けなかったので嬉しい…。聴覚しか占有しないラジオ放送は作業中にはありがたい。
■ 4月:「PayPalで払わせて!」 中国で大人気の蒼井そらが見せた大人の対応
人気AV女優・蒼井そらさんのTwitterアカウントに、Twitterを遮断しているはずの中国からフォロワーが殺到。この記事は、そんな大騒ぎの中、「正規版が入手できないから海賊版を見ているだけで、あなたがPayPalで口座を作ったらお金を振り込みたい」とつぶやいた中国人男性に、彼女が応答したもの。彼女の落ち着いた対応が話題を呼びました。
<はてなブックマークのコメントから>
- 単なるレスポンスにとどまらず、この騒動を悪用した詐欺行為への注意を喚起していることに感心した。
- 案外こういう所からグローバリゼーションが進んだりするのかもな。
- 色々とすごい。女だけど抱いてほしい。
■ 5月:東国原知事「大変なことになった」 ネットではずっと話題だった口蹄疫
宮崎県で猛威をふるった口蹄疫。ネット上では、マスメディアで大きく報道されはじめる5月半ばよりも前から、その被害についての現地からの報告が話題になっていました。上の宮崎県知事・東国原英夫氏のツイートは、そんな最中の5月15日に突然ひと言だけ投稿されたまま、つぶやきが途絶えて話題になったものです。その後の経過を見るに、この発言は家畜改良事業団での感染が発覚した際に、投稿されたもののようです。
<はてなブックマークのコメントから>
- 口蹄疫関連に関しては、もう有効そうな情報をブクマするくらいしかできそうにない。関係者、特に東国原知事には踏ん張って下さい、と祈る事しかできない。/にしても不安すぎるツィートだ…。
- 『大変なことになった。』たった10文字だけど、これだけでも疫害の本当の恐ろしさ、悲惨さが伝わってくる。やるせないことこの上ない…。
- 最初に想像したこと「宮崎県外への感染拡大」。事実は「肥育牛での感染確認」。こうやって不確な情報流して混乱させるのヨクナイ
■ 6月:「おかえり!」 「はやぶさ」帰還にネットが沸いた
7年間にわたる宇宙探査を終えた国産の小惑星探査機はやぶさの帰還。ネット上ではUstreamやニコニコ生放送などで実況中継が行われるなどのお祭り騒ぎでした。特に、大気圏突入時の夜空がピカッと輝いた瞬間には、ネットはまれに見る盛り上がり方だったのではないでしょうか。この画像は、大気圏に突入して燃え尽きていく直前、はやぶさが最後に送り届けてきた地球の写真。データを途切らせながらも確かに地球を収めた画像に、ユーザーはまるで人間に接するようにねぎらいの言葉をかけていました。
<はてなブックマークのコメントから>
- はやぶさの最後の記憶。目を閉じる間際の映像のようでぐっとくるなあ。
- おいおい、もっとしっかり撮ってくれよ。そんな涙に濡れたようなショットじゃあ、職場でもらい泣きしてしまうだろう?
- はやぶさは、最後に「侘び」をも習得した。どこまで日本人の心をくすぐるのか……!
■ 7月:「ここまで誠実な人間がこの世にいるとは」 12時間不眠不休でネタreplyを返し続けた男
Twitterでフォローがあるたびに、ネタリプライをそのフォロワーに返していた@America_Amazon氏。そのことがTwitter上で話題を呼んでしまい、次々にフォロワーが増えていく事態に。それでもめげずに12時間以上にわたってフォロワーへのリプライを続けていた氏ですが、翌朝9時前になってついにノックダウン。Twitterユーザーからは「正直、ワールドカップなんて目じゃないくらい感動してます」などの感激の声が上がっていました。
<はてなブックマークのコメントから>
- フォローするなよ!絶対にするなよ!!
- 高性能な人間はBOTと区別がつかない。・・・あれ?
- もうこれ以上は死んじゃう!!>< と思いつつ、おもむろにふぉろーなう
■ 8月:記者がTwitterで記事をフォロー 朝日新聞記者の「岡崎市立中央図書館事件」取材報告
特にWebエンジニアの間で大きな話題を呼んだ、「岡崎市立中央図書館事件」。上のTogetterでは、この事件を精力的に取材してきた朝日新聞の神田記者が、Twitterでの質問に答える様子がまとめられています。今後のマスメディアによる取材活動と、ネットとの関わり方を考えさせてくれる光景です。
<はてなブックマークのコメントから>
- 素晴らしいやりとり。報道機関の将来に希望が持てる
- とてもいいまとめ。朝日新聞の何人かの記者は、ホメオパシー報道もそうだが、ネットのコミュニティと上手く提携できていて素晴らしいね。
- こーゆー「報道」が読みたいんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ
■ 9月:「カワイイ!」「これは嬉しい」 イラストで結婚式の招待状から「欠席」を隠す方法
結婚式の招待状にあった欠席の字を、イラストで隠してしまった画像です。見事な発想と可愛らしいイラストも話題を呼び、はてなブックマークでは1000を超えるブックマーク数がつきました。
<はてなブックマークのコメントから>
- ウィットも絵心もすばらしい
- 綺麗だろう……『欠席』だけじゃなくて『御』x2も消してるんだぜ、これ……。多分下のトンボも含めてx3だけどな。
- 誰かと思ったら、エレビッツのイラスト描いてた人か…相変わらず描き込みがパネェっすね…
■ 10月:「ベスト盤は買わないで!」 宇多田ヒカルがユーザーに直接呼びかけ
ユニバーサル インターナショナルが発売を発表した宇多田ヒカルさんのベスト盤「Utada The Best」に対して、宇多田ヒカルさん本人がTwitterで「予約を考えている人は、少し待ってください」と呼びかけて話題になりました。以前から、ミュージシャンが意に沿わないベスト盤を発売されてしまうことがありました。このような場合、ミュージシャンが自らすぐにユーザーにその意志を伝えることができる時代が来たことに、驚きの声が上がりました。
<はてなブックマークのコメントから>
- わー。まあ昔からあったんだろうからなあ。言えちゃう世の中になったってことだよね…。
- 難しい。彼女としてはファンへの誠意の表れなんだろうけど、こういうドロドロした裏側を見たくないというファン心理もあるだろう。難しい。
- こういった展開になるリスクが認知されて、レーベルがもっとアーティストの意向を尊重したビジネスをするようになればいいけど。
■ 11月:変わりゆくネットとジャーナリズムの関係 尖閣ビデオ流出事件
11月4日にYouTubeへと投稿された、尖閣諸島沖での衝突ビデオ。その情報を真っ先に多くの人々に伝えたのは、テレビでも新聞でもなくTwitterでした。このGIGAZINEの記事は、Twitterで話題になりはじめたまさにその直後にリリースされたもの。11月は他にも、WikiLeaksによるアメリカ外交公電の公開や、ニコニコ生放送での民主党・小沢一郎氏「ネット会見」独占放映など、ネットとジャーナリズムの未来を考えさせられる出来事がたくさん起きた月でした。
<はてなブックマークのコメントから>
- マスコミ(特に映像媒体)がコレをどう扱うのか見物だな。「裏が取れるまで」と無視するか、取り敢えず流してしまうか。あと、削除依頼が来るとしたら依頼元がどこになるのか。
- 想像以上に本物っぽい。内部告発?
- うっわあ。どう見ても本物。中の人が職を賭してアップしたんだろうなあ。しかしわざわざ隠すような動画とも思えなかった。
■ 12月:Twitterで 女性タレントが名指しで不倫を暴露
そして、先日から話題になっているのが、タレントの大桃美代子さんによるツイート。離婚した夫が実は麻木久仁子さんと付き合っていたと述べたもので、Twitterで話題になりました。Twitterが情報を拡散する力を考えさせられます。
<はてなブックマークのコメントから>
- これは…
- 普段芸能ニュースみないから、てっきりもう騒ぎになってることに言及したんだと思ってたらリークだったの・・・
- twitterって、こういうドロドロネタがあって、案外普及していくのかもな。何が起こるか分からないドキドキがある
2010年にTwitterで話題になった出来事をふりかえってみました。招待状に書いたちょっとしたイラストから政治や芸能のリーク情報まで、この一年で色々な情報が飛び交う場所になりました。2011年も様々な話題が飛び出すことでしょう。