サンリオは6月7日(火)、同社のキャラクター「キャシー」と、オランダ生まれのキャラクター「ミッフィー」をめぐる訴訟について、ディック・ブルーナさんの知的所有権を管理するメルシス社と和解に合意したことを発表しました。両社は係争中の訴訟をすべて取り下げ、東日本大震災の義援金として、共同で15万ユーロ(約1,750万円)を寄付するとのことです。
▽ http://www.sanrio.co.jp/corporate/release/detail/382
キャシーは、サンリオを代表するキャラクター「ハローキティ」の友達として描かれているウサギのキャラクターです。メルシス社は、同キャラクターがブルーナさんの代表的なキャラクターであるミッフィーの著作権と商標権を侵害しているとして、サンリオを提訴していました。
2010年11月2日、アムステルダム地方裁判所はメルシス社側の訴えを認め、差し止め仮処分命令を下しましたが、サンリオ側は異議申し立てを行いました。その後もメルシス社側がこの件について提訴し、サンリオ側がさらにミッフィーの商標権取り消しを求めるなど、2つのキャラクターをめぐる訴訟が続いていました。
そんな中、3月11日に発生した東日本大震災を受け、両社は「訴訟を行うことにより費やす両社の諸費用をむしろ日本の復旧・復興のために寄付すべき」という結論に至ったとのことです。今後は両社のキャラクターを相互に尊重する立場を堅持し、共同で被災地のために15万ユーロを寄付すると発表しています。
サンリオは2009年11月以降、キャシーを新たに企画する商品に使用していないとのこと。両社の決断について、はてなブックマークのコメント欄には「なんかあの、ヒーロー物とかで主役とライバルキャラが戦ってるとこにラスボスみたいな本当の危機がきて俺たち戦ってる場合じゃないよなな感じで手を結ぶ熱い展開的なニュースリリース。ちょっとうるっときた」「ミッフィー&キャシー『そんなことより募金しようぜ!』 」といった声が集まっています。