熱中症対策で欠かせない“水分補給”に、意外な落とし穴が隠されているのをご存じですか?飲み物の選び方や飲み方を間違えると、熱中症とは別の症状を引き起こしてしまう場合があります。夏場の水分補給の基本や、気を付けたいポイントをまとめました。
■ 飲むタイミングや量は? 運動時の水分補給
人は体温が上がると、“汗”をかくことでそれを調整しようとします。発汗による体の水分不足をそのままにしておくと、倦怠感やめまい、頭痛、吐き気など、熱中症の症状をもたらす原因になります。
▽ 脱水・熱中症予防に!知っておきたい水分補給の基本 [運動と健康] All About
水分不足を解消するには、十分な水分補給が欠かせません。ただし一度に大量の飲み物を飲むとかえって調子が悪くなる場合があるので、飲む量やタイミングに気を付けましょう。上記のエントリーでは、“運動を行う際の水分補給”について、適切な量やタイミングを次のように紹介しています。
- 運動を始める30分前、250~500mlを何回かに分けて飲む
- 運動中は、20分~30分ごとに一口~200ml程度を飲む
- 運動が終わったあとは、減った体重分を補うように何回かに分けて飲む
つい冷たい飲み物が欲しくなりますが、“冷やしすぎ”は禁物です。温度は8~13度程度に調整してください。水分とともに失われた塩分やエネルギーを補給するため、運動時には塩0.1~0.2%程度、糖度2.5~3%程度を含んだ飲み物が理想です。
■ 実は間違い? 水分補給の“常識”
いつもより多くの水分を必要とする夏場、飲み物の“選び方”には注意が必要です。
<“ペットボトル症候群”に要注意>
▽ http://www.sankeibiz.jp/econome/news/110712/ecb1107120955000-n1.htm
▽ http://www.tasukaru.ne.jp/tasukaru/saitama/home/medical/doc11.htm
ジュースや炭酸飲料など糖分の多い清涼飲料水を飲みすぎると、血糖値が急激に上昇して“ペットボトル症候群”と呼ばれる症状を引き起こすことがあります。倦怠感やイライラのほか、最悪の場合は昏睡状態になって死に至るケースも。血糖値が上がると喉が乾きやすくなるので、どんどん糖分の多い飲み物を摂取するという悪循環に陥ってしまいます。普段からジュースを水代わりに飲むのは避けて、ミネラルウォーターやお茶など、できるだけ糖分の少ない飲み物を選びましょう。野菜ジュースやスポーツドリンクにも糖分が含まれているので、飲む前にラベルの成分表をチェックする習慣をつけたいですね。
<“塩分補給”の落とし穴>
汗をかくと水分とともに“塩分”も体から失われるため、熱中症対策には水分補給と塩分補給の両方が必要とされています。ただし注意したいのは、“日本人は普段の食事で必要以上の塩分を摂取しがち”ということ。運動などで大量の汗をかく場合はその都度補給する必要がありますが、日常生活でじわじわ汗をかく程度の場合は、くれぐれも“塩分のとりすぎ”に注意しましょう。
熱中症は炎天下で起こる症状と思いがちですが、湿気の多い日やくもりの日にも十分な水分補給が必要です。飲み物の種類や量、飲むタイミングに気をつけて、適切な水分補給を行ってください。
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