Googleは6月6日(水)、2012年のエイプリルフール企画としてリリースした“ドラクエ風”の「Google マップ 8 ビット」の舞台裏をブログで紹介しました。開発に携わったエンジニアが、プロジェクトを思い立ったきっかけ、マップのあちこちに配置されたランドマークやモンスター、「竜王」の特別な仕掛けについて語っています。
▽ Google Developers Japan: 「Google マップ 8 ビット」開発の舞台裏
▽ いくつ見つけた? “ドラクエ風”Google マップに散りばめられたランドマークやモンスター - はてなニュース
Googleは4月1日、エイプリルフールの企画として、スクウェア・エニックスとコラボレートした“ドラクエ風”のGoogle マップを公開しました。Google マップのトップページで「ぼうけん」をクリックすると、道路や建物、各国の主要なランドマークなどがすべて8ビットのドット絵で表示されるという仕組みでした。この企画は作り込まれたプロモーションビデオと併せて話題になり、ネット上では世界中に散りばめられたランドマークやモンスターの情報が大きな注目を集めました。
開発の裏側を語ったのは、2011年に新卒で入社したばかりというエンジニアの野村達雄さんです。“ドラクエ風”Google マップの企画は、エイプリルフールのアイデアを社内で募集していたことがきっかけで思いついたとのこと。学生時代にFPGA(システム設計者が内部の回路を自由に書き換えられる半導体デバイス)でファミコンを実装した経験があるほど、ファミコン好きだという野村さん。デモを制作して社内のGoogle+に投稿したところ、大反響だったそうです。最初の1ヶ月は1人で制作していたそうですが、社内でも好評だったことから、日本だけにとどまらずグローバルなプロジェクトに広がったと説明しています。
ランドマークのグラフィックは、すべて世界中のGoogle社員が作ったとのこと。数は120種類ほどで、デザイナーだけでなく、エンジニアやプロダクトマネージャーなども協力したそうです。用意したモンスターは、「ドラゴンクエストI」に登場する全40種類。緯度・経度が0度の地点に配置したラスボスの「竜王」は当初他のモンスターと同様に配置する予定でしたが、リリースする1、2時間前に「それはいかん」と急に思い立ち、ズームさせると変身する特別な仕掛けを施したと明かしています。
「今思うと、王様やローラ姫も登場させればよかったかなと少し心残りです」と語る野村さんは、最後に「大変ではありましたが、とても楽しかったです。協力してくれた方もみんな楽しんでくれたと思います。そして一番大事なのは世界中のユーザーの皆さんが喜んでくれたことです」と振り返っています。