脚本家の坂元裕二さんが、1997年に発売されたセガサターン向けソフト「リアルサウンド ~風のリグレット~」の脚本をブログで公開しました。このゲームを企画した飯野賢治さんは、2月20日(水)に高血圧性心不全で死去。坂元さんは公開した理由について、Twitterで「飯野賢治さんのことが好きな方にお渡し出来ればと思いました」と説明しています。
▽ www.fyto.com(飯野さんが代表取締役社長を務めていた株式会社フロムイエロートゥオレンジによる訃報)
▽ 飯野賢治企画監督作品「風のリグレット」の脚本
「リアルサウンド ~風のリグレット~」は、映像が存在しない“音”だけのゲームです。ストーリーはラジオドラマのように進み、選択肢によってシナリオが分岐していきます。出演者は、俳優の柏原崇さん、女優の菅野美穂さん、篠原涼子さんなど。飯野さんは企画と監督を務め、坂元さんは脚本を担当しました。
飯野さんの訃報を受け、坂元さんは脚本を公開するためのブログを開設。一時削除していたTwitterアカウント(@ebisu5saro)を改めて取得し、脚本の公開についてツイートしました。脚本はいくつかに分けて投稿され、さらに一括で読めるHTMLファイルも案内しています。
ブログの中で坂元さんは、飯野さんが2008年3月につづった、同作の制作の背景がうかがえるブログエントリーを紹介しました。脚本を読んだ際、飯野さんは「読んでいる最中、僕は、電車の中にいたわけだが、電車の中にいなかった。完全に作品の世界の中にいた」と感じるほど、世界観にのめり込んだとのこと。最後に「彼にいつかまた、仕事してほしいなあと心から思っている。最近、なぜか、とくにそう感じている」と締めくくっていました。
▽ http://blog.neoteny.com/eno/archives/2008_03_post_328.html
脚本が公開されたことについて、はてなブックマークのコメント欄には「これはあとでしっかり読まねば!」「風のリグレットはスマートフォンと相性が良いと思うんだよなぁ」といった声が集まっています。また、坂元さんが「どこにアップしていただいても構いません。飯野賢治企画監督作品と明記していただければと思います」と呼び掛けていることから、「あとで電子書籍化をせな」とのコメントも寄せられていました。
リアルサウンド ~風のリグレット ― オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト:ゲーム・ミュージック,鈴木慶一
- 出版社/メーカー: ファースト・スマイルエンタテインメント
- 発売日: 1997/08/20
- メディア: CD